【福島市】大正ロマン!飯坂温泉のシンボル「十綱橋」日本最古級の鋼アーチ橋が美しい
飯坂温泉駅を降りて、まず目に飛び込んでくるのが、アーチが美しく趣ある「十綱橋(とつなばし)」。実は、日本に現存する最古級の鋼アーチ橋と言われている価値ある土木遺産なのです。
飯坂温泉のシンボル
十綱橋は、飯坂温泉街を貫く摺上川(すりかみがわ)にかかる全長52ⅿのアーチ橋で、平成16年に土木遺産に選ばれ、令和2年に国登録有形文化財に登録されました。
山形鋼を組み合わせたブレースドリブアーチと垂直材からなる繊細な外観が実に美しく、見るたびに心落ち着く飯坂温泉のシンボルです。
共同浴場「波来湯(はこゆ)」から見える十綱橋。橋の向こうに福島盆地の山並みが広がり、私のお気に入りの飯坂温泉の風景です。
夜は、風情があってシャッターを切らずにはいられないですね。
十綱橋の歴史
橋がかけられたのは、平安末期の文治5年。当時の城主佐藤 基治(さとう もとはる)が、源頼朝の奥州征伐を迎え撃つため、藤づるで編んで架けたつり橋を切り落とし、石那坂の戦いに挑みましたが、戦死しました。
その後、明治時代が訪れるまで、人々は十綱の渡し舟を使って川を渡っていました。
明治6年、自分たちのお金を出し要望を出した伊達一たちの願いが叶い、アーチ式の木橋である摺上橋が架けられました。しかし、わずか1年後にその橋は崩れ落ちてしまいました。そして、明治8年になると、宮中の吹上御苑にある吊り橋を参考にして、10本の鉄線で支えられた優雅なつり橋が完成し、「十綱橋」と名づけられたのです。
明治44年に、この地を訪れた与謝野晶子は、「飯坂のはりがね橋に雫する、あづまの山の水色の風」と当時の十綱橋のある風景を詠んでいます。
あなたもぜひ、大正ロマンにひたりながら、十綱橋の美しい風景を楽しんでみてくださいね。