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登山の後に入りたい「山の温泉地」5選

高橋一喜温泉ライター/編集者

新緑が美しい季節、いよいよ登山やトレッキングのシーズン到来である。都会では味わえない開放感、雄大な風景、新鮮な空気……。大自然の中に身を置くと、爽快な気分になる。

登山やトレッキングを思う存分に楽しんだ後は、湯の質が高い温泉で疲れた体を癒やしたい。

そこで、初心者でも比較的登りやすいトレッキングコースもある「山の温泉地」を5カ所紹介したい。

層雲峡温泉(北海道)

切り立った柱状節理の渓谷美が見事な温泉地。温泉街にある「層雲峡・黒岳ロープウェイ」とリフトを乗り継げば、大雪山連峰の「黒岳」の7合目までアクセスできる。山頂まで向かわずとも、ロープウェイの終点付近を散策するだけでも、すばらしい絶景の数々を拝める。各旅館のほか、日帰り入浴施設「黒岳の湯」でも気軽に入浴を楽しめる。

奥飛騨温泉郷(岐阜県)

標高800~1300mに位置し、周囲を3000m級の山々に囲まれる。5つの温泉地で構成されるが、そのひとつ新穂高温泉からはロープウェイが出ており、西穂高岳へのアクセスルートになっている。ロープウェイ終点の西穂高口駅展望台からは、北アルプスの山々の絶景を拝むことができ、1時間ほどのトレッキングコースもある。温泉街には高級旅館から民宿まで揃い、総じてコストパフォーマンスが高く、露天風呂自慢の宿が多い。基本的にどこも源泉かけ流し。

蔵王温泉(山形県)

標高880メートルに位置する歴史ある温泉地。白布温泉、高湯温泉とともに「奥羽三高湯」のひとつに数えられる。日本百名山である「蔵王山」の登山拠点でもある。温泉街からロープウェイに乗車すれば約7分で鳥兜山頂に到着。展望台からは絶景を拝める。初心者であれば、エメラルドグリーンに輝く「ドッコ沼」を目指すコースがおすすめ。所要時間は約1時間。温泉街には3つの共同浴場のほかに、小さな民宿、ペンションから温泉旅館まで100軒ほどの宿泊施設があり、ニーズや予算に合った宿を選べる。

えびの高原温泉(宮崎県)

霧島連山の火山群の中でも最高峰の高さを誇る韓国岳のすそ野、標高1200mに位置するえびの高原は、トレッキング愛好家に人気の景勝地。3つの火口湖をめぐる探勝路は1周2時間ほどのコース。赤松林が美しい道中は野生の鹿と出合うことも(硫黄山の噴火活動で一部立ち入り規制中)。国民宿舎えびの高原荘で源泉かけ流しの湯を楽しめるほか、山腹にある白鳥温泉でも登山の汗を流すことができる。

飯豊温泉(山形県)

土地の95%を森林が占める小国町にある山のいで湯。飯豊連峰の主峰である飯豊山(標高2105m)は「日本百名山」のひとつで、その中腹に湧く温泉を引いているのが飯豊温泉である。初心者は温泉からも近い温身平(ぬくみだいら)がおすすめ。ブナやミズナラの原生林を散策できるスポットで、起伏が少ないメインルートは子供からお年寄りまで楽しめる。木漏れ日が差し込む散策路は、まさに「緑のアーチ」だ。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3800超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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