【富田林市】喜志駅近くに7月誕生したハイクオリティ冷凍食品専門店、フローズンドアの開発秘話。
私もですが、疲れていると包丁を使って調理するのがとても面倒な時がありますね。そんな時に重宝するのが、冷凍食品です。富田林・喜志駅の近くに、この7月、冷凍食品専門店フローズンドア(FROZEN DOOR)さんがオープンしました。
オープン前からどんな店がいつ開業するのだろうと、とても気になっていたフローズンドアさん。いろいろ調べたところ、このお店を経営しているのは(株)きらくさん(外部リンク)とわかりました。
きらくさんは、専門料理店を何業種も経営されており、現在、関西圏で、自社ブランド11業態、70店舗を直営営業にて展開しています。そして、本社が喜志の外環沿いにあるのですが、その近くにいろんな業種の直営店が並んでいます。
このように、地元企業であり、富田林の人気店を何店も経営しているということで、以前からきらくさんのこともとても気になっていました。今回のフローズンドア開業にあたり、思い切ってきらくさんの経営陣に取材を申し込んだところ、快く応じてくださいました。取材場所はきらくさんが経営しているカフェ業態のONIJUS Coffeeさんです。
今回はお忙しい中、株式会社きらく専務取締役の辻野太郎さんからお話をお伺いすることができました。
辻野専務によれば、祖父に当たる初代は、島根県津和野から大阪に出て豊中市庄内でうどん店を始めたそうです。
驚いたことに、うどん店で今では当たり前になっているセット、かやくごはんをうどんに付けることを考えたのは、実はきらくさんとか!このように、アイデアを駆使して人気店となり、当時のダイエー松原店への入居がきっかけで、チェーン展開がスタートします。
美味しいという評判のお店は大繁盛し、二代目に当たる現在の社長(専務の父)の手により、うどん店以外の新しい業態を開発します。現在の商品開発担当である専務になってから、さらに様々な業態を開発して現在に至るそうです。
喜志駅周辺の大阪外環状線沿いに、きらくさんの様々な業態のお店が並んでいます。
- 「大阪うどん きらく」
- 「極みとんかつ かつ喜」
- 「お好み焼き・鉄板焼き 河内源氏」
- 「鶏のいいとこどり 一鳥一炭」
- 「名物石焼陳麻婆豆腐 喜神菜館」
- 「ONIJUS COFFEE VILLAGE」
これがすべてきらくさんの経営なのです!今では、人材雇用など周辺経済も含めて、地元富田林の方々にとって、きらくさんは無くてはならない存在になっていますね。
そんなきらくさんが、どうしてフローズンドアという新しい冷凍専門店を始めようとされたのでしょう?
辻野専務によれば、やはりコロナ禍が原因だったそうです。コロナ禍で一般営業ができなくなったのに、人件費も含めた固定費の支払いは通常通りという危機が会社を襲います。
テイクアウトを強化してどうにか会社を続けた中で、辻野専務は飲食の未来に危機感を持ちます。その時に思い付いたのが、「特別な機械で瞬時に急速冷凍することで、お店で出しているそのままの味を家庭て味わってもらう」という発想だったのです。
コンビニやスーパー等で売っている普通の冷凍食品と同じなら、大量生産する大手メーカーに太刀打ちできません。そこで大手ビールに対するクラフトビールのような、ハイクオリティな高級冷凍食品を思いつきます。画像のように、とにかく品質が良く付加価値の高い、クラフトフローズンとして販売するとのこと。
例えに出したクラフトビールは、今でこそ大手ビールメーカーとは一線を画したハイクオリティなアルコール飲料として若者を中心に大人気。負けじと大手ビールメーカーもそれを意識した商品を出すなど、市民権を得ています。
しかし、昔、地ビールと呼ばれていたころは「値段が高い」と一部のマニア以外には低評価でした。
大手メーカーやコンビニメーカーのような大量生産ができない分、大量生産のために使われる食品添加物などを一切使用しないのが、フローズンドアさんの冷凍食品なのです。
欧米などのクラフトビールの本物を知る人から広がり、じわじわと人気が定着したクラフトビール。このきらくさんの冷凍食品も、クラフトビールやクラフトコーラの位置付けに入るのです。
さらに辻野専務は意外なことを教えて下さいました。「店の隣はセントラルキッチンで、そこで作っています」といいます。
確かに店舗スペースの横には大きな茶色の建物があります。実はこの中にセントラルキッチンがあり、各店舗のシェフが交替で現場に入って、通常のお店と同じレベルの料理を作り、それを瞬時急速冷凍しているのです。
開業してからの反響ですが、意外な利用方法があることを教えてくださいました。それはひとり暮らしの高齢者の親を持つ方が、実家に送るためによく利用されるのだそうです。
高齢者は火を使わせると危ないのではないかと心配だけれど、冷凍食品なら電子レンジで温めるだけで食べられる。しかも年齢を重ね舌が肥えている方々なので、店で食べるのと同じレベルの味なら、納得して喜んで食べてくれるとのこと。なるほどと思いました。
現在、フローズンドアさんにはECサイトもあり、全国で購入できるシステムになっています。富田林出身の方や富田林にご縁がありながら、現在は遠いところに住んでいる場合でも、富田林を拠点としているきらくさんの懐かしい料理が購入でき、自宅で食べられるというメリットがあります。
富田林の店は実験的な意味もあると、辻野専務は言います。さらに夢があり、将来的には冷凍食品のお店で、世界を相手に勝負出来ればと考えているそうです。
世界で日本食はとても評価が高く、世界の国別グルメランキングでも上位に位置しているそうです。けれど現地の日本料理は日本人以外の人が作る場合もあるので、味のレベルに疑問を持つことが多々あります。
そこで鮮度が落ちない急速冷凍の冷凍食品を現地に運べば、日本で食べられるのと同じレベルの味が世界で提供できる。うまくいけば海外で成長できるのではと辻野専務は言います。
現在創業51年目を迎えたきらくさんは、100年企業を目指しているそうです。そのためにも手作りの冷凍食品という新しい世界で勝負したいと意気込んでおられました。
辻野専務のインタビューの後、さっそくフローズンドアさんを利用することにしました。
場所をおさらいすると、喜志駅の南側大阪外環状線の宮前交差点の手前にあります。となりには系列の大阪うどんきらく富田林店があります。
店の手前は駐車場になっていますが、あそこにある冷凍の自動販売機は、あの「ど冷えもん」です。
ああ、「ど冷えもん」かと思っていましたが、じつはど冷えもんの中に入っているメニューはきらくさんの商品、こちらは喜神菜館さんです。
こちらはかつ嘉さんのメニューが入っています。
ど冷えもんがあることで、深夜早朝と言った店の営業時間外で気軽にきらくさんの料理が買えるわけですね。
入口に入ると、スーパーのように籠が置いてありました。
中に入ると、きらくさんの様々な業態の食品が冷凍した状態で置いています。
また冷凍食品以外のものもあります。
ギフト用のコーナーもありました。
ということで、いろいろ買いました。
清算は現金のほか、各種クレジットカードや各ICカードが使えます。冷凍食品専門店といいっても「ど冷えもん」のような自動販売機や無人販売店ではありません。スタッフが常駐しているので、わからないことがあれば質問しましょう。
ということで、こちらの4品を購入しました。辻野専務の言うクラフトフローズンです。つまり大手の冷凍食品よりは割高ですが、その分、味のレベルや添加物等の入っていない安心度が高いとのこと。また家庭用の冷凍庫に保存できるのでまとめ買いができます。
まず初めに「源氏のいか玉」をいただくことにしました。
箱を開けるとこのようになっていました。完成したお好み焼きのほかには、ソースとマヨネーズ、かつお節とアオサが入っています。
箱に入れたまま指定された時間、電子レンジで温めたのち、ソース、マヨネーズ、かつお節、アオサをかけた状態です。一からお好み焼きをつくるとなると準備が大変ですし、鉄板で焼くのも一苦労ですから、これはとても便利。そして味も申し分のない美味しさです。
こちらがうどんです。お好み焼き同様完成度が高いですね。
こちらがヒレカツどんです。玉子に関しては自分で用意する必要があります。辻野専務の話では卵も冷凍すると現状では味の再現ができず、美味しさが表現できないという話でした。
というわけでフローズンドアさんの開発秘話を伺い、実際に購入して食べてみました。辻野専務の熱い思い、海外への夢を語るのを聞きながら、富田林を本拠地とした元気のいい企業があることを嬉しく思いました。将来海外で見かけたら、その1号店が富田林にあったよと自慢できます。素敵な話ですね!
フローズンドア(FROZEN DOOR)(外部リンク)
住所:大阪府富田林市宮町2丁目8-20
営業時間:10:00~21:00
定休日:無休
アクセス:近鉄喜志駅から徒歩7分
instagram
※記事へのご感想等ございましたら、「奥河内から情報発信」ページのプロフィール欄にSNSへのリンクがありますので、そちらからお願いします。