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即戦力新人、ソフトバンク津森宥紀の力の源は「お婆ちゃんの自家製梅干し」

田尻耕太郎スポーツライター
お婆ちゃん自家製梅干しを頬張るソフトバンクの津森(筆者撮影)

ホークスのルーキーが続々入寮

 新たな年を迎えてプロ野球はオフモードから一転。各地から自主トレの報せが飛び込んでくるようになった。

 そして昨年ドラフトで指名されたルーキーたちは、夢だったプロ野球選手としての人生がいよいよ現実のものとなる。福岡ソフトバンクホークスの新たな一員となった若鷹12名も7日と8日にかけて、福岡県筑後市の若鷹寮に入寮。プロ野球人生をスタートさせている。

 ドラフト3位で東北福祉大から入団した津森宥紀投手は8日午後に若鷹寮に到着した。「ちょっとドキドキしています」。新生活を前に素直な気持ちを口にした。年末年始は故郷の和歌山でゆっくり過ごしたというが、「開幕一軍を目指している。どんどんアピールしていきたい」と鼻息荒く話す右腕はしっかり練習も積んできた。

「年末年始も走ったり体幹トレをしたりしていましたし、ピッチングもやってきました」

 年明けも捕手を座らせて投球練習を行ったことを明かした。11日から始まる新人合同自主トレでも「すぐに投げられる。初日からブルペンに入ってもいい」とにやりと笑った。

1年目から60試合登板が目標

 津森は右横手の変則フォームから最速149キロの剛速球を投げ込むリリーフタイプ。大学3年時の大学選手権ではストッパーとして全試合に登板し、19回を投げて自責0と活躍してチームを14年ぶりの大学日本一に導き、MVPを受賞した。「自分のセールスポイントは右打者の内角を突いていく強気のピッチングだと思います。目標は1年目から60試合登板。ホークスの中継ぎ陣の層は厚いですが、入って行きたい。ライオンズの強力打線のクリーンナップを抑えたい」と気持ちも強く、球団は期待を込めて背番号11を用意した。

 ところで、新人選手の入寮時に報道陣が必ず質問するのが「何を持ってきたの?」だ。津森は照れ笑いを浮かべ、「やっぱ地元が和歌山なんで」と切り出した。

「お婆ちゃんが作ってくれた梅干しを持ってきました。大学時代も送ってもらっていて、寮の冷蔵庫に欠かすことはなかったです。基本的に毎日1つは食べていました。おかげで健康でいられる。風邪もほとんど引かない」

 その後、報道陣のリクエストに応えて母方の祖母の自家製梅干しを頬張った。「酸っぱいけど、美味しいです。お婆ちゃんの気持ちがこもっている」。

 梅干しは疲労回復や熱中症予防などスポーツを行ううえでも効果があるともいわれている。大好きなお婆ちゃんの思いの詰まった一粒が、津森の大きな力の源になる。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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