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2万人を指導してきた美顔ボイストレーナー・鳥山真翔が、今、全てをさらけ出した理由

中西正男芸能記者
これまでのべ2万人以上を指導してきたボイストレーナーの鳥山真翔

 有名女優や歌手、アナウンサーなど、のべ2万人以上を指導してきたボイストレーナーの鳥山真翔さん(31)。独自のメソッドに基づく美顔ボイストレーニングで、日本テレビ「スッキリ!」など情報番組からも引っ張りだこの存在になりましたが、今回、これまでのノウハウをすべて詰め込んだ初DVD「美顔ボイトレ~声を出すたび美しく~」を9月16日にリリースしました。ある意味、自らの“飯のタネ”をさらけ出す形にもなりますが、その根っこにある思いを明かしました。

歌だけが苦手

 父がミュージシャンでトランペットをやってまして、その影響で、小さい頃から音楽全般、ピアノとかもずっとやってきました。自分で言うのも本当にアレなんですけど…、結構、天才肌で何でもできたんです(笑)。

 ただ、歌だけは本当にできなくて。ノドがすぐに壊れてしまって、学校にも常にのど飴を持って行くような感じでした。よく「大きく口を開けて声を出せ」とか「腹から声を出せ」とか言われますけど、どうもそれでは出ない。出ないどころか、マイナスを感じる。じゃ、どうしたらいいのか。ノドも強くないし、歌も苦手だったからこそ、自分で模索して行きついたのがこのメソッドだったんです。

 僕がボイストレーナーを始めたのが17歳の時で、自分の経験から一番の目的は“ノドを傷めない”ということ。そのために、すごく簡単に言うと、鼻の空洞部分を使ったりして、ノド以外にも響かせることで声を出しましょうと。そして、そのために求められることが顔の表情筋を使うということだったんです。

美顔の意味

 その方法論を使って、歌手の方や女優さんの指導をさせてもらっていたんですけど、そこで気づいたことがありまして。「このボイストレーニングをしていると、顔が小さくなっているんじゃないか」と。実際、ビフォーアフターじゃないですけど、写真を撮って、見比べていくと、確実に小さくなっていた。だったら、この部分を打ち出していこうと思ったんです。

 もちろん、美顔というのはキャッチーな言葉ですし、そこで多くの人に知ってもらえたらという思いもあります。でももっと大きな意味というか、世界中ほぼ全ての人がしゃべるんだから、僕はもっと、もっと多くの人がボイストレーニングをやるべきだと思っていまして。ボイストレーニングをやることで、日々の生活が楽になったり、楽しくなったりするはずなんです。しゃべることは毎日のことですから。

 でも、なかなかボイストレーニングがなじまないのは、結果が見えにくいんです。声が変わったというのを自分では認識しづらいというか。例えば、ダイエットなら体重という分かりやすい指標があるので「こんなに痩せた!」がすぐに分かるんですけど、自分の声は、それを捉える聴覚のセンスも関わってきますし、なかなか体感しにくい部分がある。

 ただ、顔の変化は見れば分かるので、声プラスそこの変化が乗っかってくると、トレーニングの成果を感じてもらいやすくなる。だから“美顔”というワードを打ち出したんです。成果の指標として。それが今から5年ほど前のことでした。

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全てを出す

 そこから書籍を出させてもらったり「スッキリ!」とか「おはよう朝日です」(ABCテレビ)などの情報番組に出していただいたりして、これまでにのべ2万人以上にレッスンをしてきました。

 本当にありがたいことに興味を持ってくださる方がどんどん増えてきて、去年は約6000人に教えました。ただ、1回2時間半のレッスンを1日3回ほどやらせてもらう毎日だったので、物理的にすごくハードにはなりまして。自分の中で「もう限界!」という感じで、パンクしちゃうような感じにもなってたんです。

 そんな中、新型コロナウイルスが出てきて、対面でのボイストレーニングは難しくなった。その流れを受けて、今年4月頃に「だったら、もうこのメソッドを全て詰め込んだDVDを作って、それを見てもらえば事足りるというものを出そう」と思ったんです。

 本当に、本当に、今までの全部をこの中に入れましたんで、僕の手の内をさらけ出すこともなってるんですけど(笑)、またここからさらに進化させたいとも思っていますし、何よりこのメソッドには自信を持っているので、まずは多くの人に知ってもらいたい。これから先もレッスンに来てもらうということを考えると正解なのかどうか分かりませんけど(笑)、とにかく知ってもらいたい。それが何にも勝る思いなんです。

 それと、これは意外な需要というか、コロナ禍で実はまた興味を持っていただいた方が増えたんです。というのは、リモートワークになって、Zoomとかを使って画面に映る自分の顔をまじまじと見た時に「私って、こんなに老けてたんだ」とか「こんなに顔のたるみがあったなんて」と思った方が多かったみたいで。こんな時だからこそ出し惜しみせず、自分が一番強いと思っているカードを切るというか、それで一人でも多くの方に喜んでもらえたら、何よりだなと。

 よくレッスンでも言うんですけど「いい声が出てる人で、目が死んでる人はいない」。やっぱり、声と顔の表情は連動するんです。だから、少しでも晴れやかな顔の人が今こそ増えてくれたらいいなと。ちょっと、いいこと言いすぎましたかね(笑)?でも、本当に心底そうなればいいなと思っているんです。

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(撮影・中西正男)

■鳥山真翔(とりやま・まなと)

1989年9月5日生まれ。東京都出身。歌手、ボイストレーナー。アワーソングス所属。父はジャズトランペッターで、幼少期よりトランペットやピアノを学ぶ。2010年、ボーカルスクール「Switch Of Voice 」を設立。17年には「株式会社スイッチオブボイス」を設立し代表取締社長となる。これまで指導してきた生徒数は2万人を超える。独自の理論に基づいた「美顔ボイトレ」で注目され、フジテレビ「ノンストップ!」、ABCテレビ「おはよう朝日です」などに出演。これまでのメソッドを詰め込んだDVD「美顔ボイトレ〜声を出すたび美しく〜」が9月16日に発売される。自身のYouTubeチャンネルでも、様々なトレーニング動画をアップしている。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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