コロンと丸っこいフォルムのからあげ。食べやすく、お弁当に入れやすく、お皿にも盛り付けやすいですね。ときにはゴルフボールのように真ん丸く成形されたからあげに出会うこともあります。ていねいに丸く成形されたからあげは肉に均等に熱が入っていくため、とくにこだわっているお店もあります。

一方で最近は、平たいフォルムのからあげも増えています。厚みがないため、丸型のからあげよりも熱が入りやすく、サンドイッチやバーガーに利用されることもあるようです。

地下鉄都営大江戸線・西新宿五丁目駅から徒歩で10分ほどにある『東京唐揚げランド』。なにやらからあげのテーマパークのような店名でワクワクしてしまいますが、店内に入ればカウンター席のみのちょっとオシャレな居酒屋さんという雰囲気。こちらでは、平たいフォルムのからあげを味わうことができます。その名も「鶏もも1枚ざぶとん揚げ」（1枚・759円）。鶏のモモ一枚肉を開いて塩ベースの漬けダレに漬け込み、片栗粉・小麦粉・パン粉をブレンドした衣をまぶして揚げています。お酒のおつまみとしても、定食としても味わうことができますが、今回は「ごはんセット」（550円）とともに定食としていただきました。

「鶏もも1枚ざぶとん揚げ」は1枚からオーダーできます。何枚食べようか、悩みますね。念のため「1枚でどれくらいの大きさですか？」と店員さんに聞いてみると「280gほどです」との答え。そ、それはデカい…。かなりデカい…。重量だけで考えると、40g前後のからあげが5～6個盛り付けられた一般的なからあげ定食よりも少し多いかもしれません。

1枚じゃあ物足りないかもしれない…。お腹も空いているし、ここは思い切って3枚オーダーしました。

10分ほどでお目当ての「鶏もも1枚ざぶとん揚げ」がごはん、鶏スープ、小鉢、味変用ソースとともに登場です。「うわっ！」と小声ながらも思わず声が出てしまいます。お皿からはみ出しそうなからあげ3枚。たしかにこれは〈ざぶとん〉だ！本当にデカい！そのままトーストに挟んでもはみ出してしまいそうなサイズです。何も面白いことを言っていないのに「ざぶとん3枚！」とは何かの罰ゲームか…などと思ってしまいますが、オーダーしたのは自分。ひるんでいるわけにもいかず、責任を持って完食目指していざ実食です。

箸でつまんで持ち上げるのにもけっこうな力がいります。この想定外の重量感で、完食への自信がかなり揺らいでしまいます。ところが食べ進めるにしたがって、そんな不安が少しずつ和らいでいきました。旨いのですよ！衣が見事なまでにパリパリ！とくに皮の部分が香ばしくて美味。肉は弾力があって肉汁もしっかり出てきます。醤油ベースではなく塩ベースの味付けのためか、肉の旨みもしっかり感じます。あっさりした味わいが食べる速度を徐々に加速させていきます。

1枚目を平らげた時点で「よし！これなら大丈夫！」と完食への自信が確信に変わりました。ごはんや鶏スープに手を付けるのもすっかり忘れて、2枚目もペロリ。なんだかんだで10分ほどの間に3枚、総重量で約800g以上のからあげを完食できました。

この「鶏もも1枚ざぶとん揚げ」は、3分ほど揚げたあと5分ほどバットの上で休ませておき、余熱を肉の中まで浸透させていくそうです。その後仕上げの揚げで完成。しっかり2度揚げされたからあげです。

箸で持ち上げるは大変ですが、丸いからあげよりも口に入れるのは容易かもしれません。食べにくいと感じる人は、店員さんにお願いすれば食べやすいサイズにカットしてくれるそうですよ。

現在はディナータイムのみの営業ですが、今後はランチライムの営業も検討しているとのこと。お昼からこれだけのからあげをガッツリ食べることができれば午後の仕事も頑張れそうな気がしてきますね。

※本文中の価格はすべて税込