【ダイソン掃除機の選び方】吸引力と価格だけにあらず!場所とタイプ別で導き出す本当に必要なモデルとは
家電ライターをしていて、知人からよく聞かれる質問ベスト3に「ダイソンのコードレスクリーナー買いたいんだけど、どれが一番いい?」があります。あと2つはまたおいおい。
普段掃除機を選ぶ指標となっているのはなんだろう?
ダイソンの代名詞ともいえる「吸引力」?
現行機種はどれを買っても、通常掃除に耐えうる吸引力は備わっていて、数字はあくまで他機種との比較に過ぎない。
「清掃時間最大60分!」とか書いてあるが、キミは1時間掃除機をぶっ通しでかけ続けたことがあるか?私はない。
というわけで、私の掃除機の判断基準は「自分の家に合っているか?」と「掃除のモチベーションがアガるか?」(←毎日しないズボラに毎日掃除させる)です。
どんなハイスペックでも自分の家にそぐわなくては宝の持ち腐れだし、デザイン、持ちやすさ、ボタンの位置・・・自分の心とカラダに合ったモデルでなくては、相棒は務まりません。
ダイソンの機種には、数字を冠した「Vシリーズ」と、特長が名前になっている(ダイソン最軽量の「Micro1.5kg」や全方向駆動ヘッドの「Omni-glide」など)モデルがありますが、今回は掃除の重点ポイント別におすすめの機種や付属ツールをご紹介します。
今後出てくる機種や他のメーカーから選定する場合にも、似たような機能があれば参考にしてみてください。
ペットの毛や長髪の抜け毛をキレイに取りたい
ペットや人間の抜け毛は掃除しても次の瞬間には湧いて出て、掃除機のブラシにも絡んでストレスMAX。
V12、V15に付属している「毛絡み防止スクリューツール」は、特徴的な円錐型のブラシで、美容室のカット級の大量の毛髪を吸い込んでも、斜めのスクリューにより滑って絡みにくく、そのままクリアビン(ゴミを貯めるボックス)に運ばれます。
床のゴミが見えやすいレーザーで注目されるV12やV15は、ラグの部屋が多いウチでは、フローリング用のレーザーを最大限活用できず選択肢から除外していましたが、このスクリューツールは魅力的!
悔しいので、せめてショートヘアにして抜け毛を少なくしたってやりましたわ(笑)
階段やトイレ、車内など狭小スペースの効率をあげたい
ダイソンクリーナーはピストルのようなハンドルがシンボル的ですが、狭い所の清掃になると、手の角度が難しくて指がつりそうになることもしばしば。
ベッドや棚の下などを掃除する際にハンドルが邪魔で、90度寝かせたりしないとあまり低くは傾けられません。
狭小スペースで掃除しやすいのは、クリアビンがコンパクトで本体と持ち手がまっすぐのスティック状になっている「Dyson Omni-glide」(以下Omni-glide)。
Omni-glideは360度全方向にヘッドが動き、幅もフラッグシップモデルの半分程度(V15と比較)とコンパクトで小回りが異常に効くのが魅力。
その自由度はさながら電動フローリングワイパーです。浮かんでいるようにクルクル床を回るのを見ると、がぜん掃除が楽しくなります。
(※360度稼働の「Omnidirectional Fluffy クリーナーヘッド」はフローリング専用なので、他の床材にはミニモーターヘッドを使用推奨。)
階段では、ヘッド幅が踏面ぴったりで、箒のように両手でスティックを持ちながら横にスライドできるのが、びっくりするほど体勢が楽。
狭いトイレでも便座の複雑なカーブに沿わせて一筆書きのようにヘッドが動きます。
布団掃除でごっそりゴミを取りたいならモーター駆動ヘッド付き
ダイソンの布団掃除と言えば、白い粉がごっそり取れるのが恐怖と快感です。
布団やシーツの繊維か?と思いきや、実体は人間の古い角質やダニの死骸など。
私も初めてやった時には目を疑いました。恥ずかしながら、自宅の「Dyson Digital Slim Fluffy」で掃除した時の、驚愕の白い粉写真をお見せしましょう。
実はマクロレンズで撮影した別写真には、ダニの卵なども映ってしまい(!)、また涙。
目に見えないとはいえ、こんな中で平気で寝ていたとは・・・・。
布団掃除は衛生上、床用ヘッドとは別のツールでやる方がいいでしょう。
特に「ミニモーターヘッド」や「ダイレクトドライブモーターヘッド」など、モーター駆動のツールがついている機種を選ぶと、根こそぎゴミが取れます。
ちなみに「ふとんツール」というモーター無しのへら状ツールは、強力に吸引してほしくない繊細な寝具や柔らかなクッションを優しく掃除する時に使用します。
とにかくダイソンクリーナーは付属ツールが多い!
機種によってラインナップが微妙に異なり、同機種でも直販モデルと市販モデルでまた違うので、本当に必要なツールがついているかどうか十分チェックしましょう。
一人暮らしや両親へのプレゼントならボタン式と軽快ボディ
引いた時だけ稼働するトリガー式スイッチを続けてきたダイソンですが、最近では使い勝手を考え、ボタン式モデルも増えてきました。トリガー式は電気節約でいいいけど、握力弱いと手が疲れるんですよね。
ダイソンクリーナー史上最軽量(※2022年8月現在)の「Micro 1.5kg」はボディの軽さも相まって、高い場所や遠い場所を掃除する際に腕への負担がかなり軽減されます。
よく広告で「高い場所もラクラク!」とかいうけど、重たいボディでトリガー引きながらだとかなりの無理ゲーだからね、あれ!
物であふれた部屋をかきわけながら進むときは、両手の役割が目まぐるしく変わり、瞬時に持ち手を変えられるのもボタン式ならでは。
Micro 1.5kg はただ軽いだけでなく、ホースの細さや長さも、細かい間取りで暮らす日本人の生活に合わせた取り回しやすさを追求したモデルなので、一人暮らしや両親だけとなった世帯のメイン機に、プレゼントしても喜ばれるモデルです。
長く使い続けるにはバッテリー単体で充電できるモデルを
どれがいいかなぁと迷ううち、すぐに新商品が出てしまう家電業界。
スペックや細かい機能が劇的に変わらないなら、新機種にこだわらず、長く使い続けようと思っても、なぜか壊れるのが「バッテリー」なんですよね。スマホと同じ・・・。
寿命を長くするには、バッテリーが単体で充電できる「着脱式バッテリー」(ドライバーが必要なネジ固定じゃないやつ)がついた機種をおすすめします。
予備用バッテリーを購入時に一つ買っておき、あらかじめ充電しておけば、清掃時間最大20分のモデルでも、交換してさらに連続使用時間がのびるし、本体同梱のバッテリーと定期的に交換しながら使えば、バッテリーの寿命も長くなります。
交換用バッテリーは後から直販サイトで購入可能ですが、バッテリーと充電器セットでしか買えません。2個目の充電器はいらない人は、ボディを買う時に、量販店より多少高くても、予備バッテリーがつく直販サイト限定セット(有無は機種による)の方がコスパ的にはお得です。
ダイソンに関わらず、単純に値段やスペックの向上だけに固執して買うと、使い勝手が悪かったら即使わなくなるというのが自分にとっても家電にとっても悲しい結末。
ダイソン史上最高の掃除機というより、自分史上最高のダイソンを選びましょう。