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【豊橋市】えっ!?「ぬるめ」がなくなった!

ぽぶ・ばしおライター(名古屋市)

豊橋鉄道渥美線が走る「大清水駅」には、飲み物の温度が「つめたい」「あたたかい」という標準設定の他に、「ぬるめ」設定のある自動販売機が設置されている、と言い伝えられてきた。

駅で電車を待つ間、自販機で購入した飲み物をすぐに飲み干せるように設定されたのが、「ぬるめ」の始まりだとか……。

実を言うと、この駅に実際に「ぬるめ」設定がある自販機の実在を確認しに来たのは初めてである。

あまりに多くの人たちのあいだで存在が当然のように語られていたので、私も「あるのが当然」と受け止めていた。

渥美鉄道「大清水駅」構内
渥美鉄道「大清水駅」構内

ところが、どこにも見当たらない。

「大清水駅」構内への入口裏
「大清水駅」構内への入口裏

駅の構内に備え付けられた自販機を確認するも、どこにもない。

しばらく駅の周囲を、当てもなくさまよう羽目に陥った。

「大清水駅」正面
「大清水駅」正面

駅の正面に戻り、「ぬるめ」設定の自販機の存在について、改札口の横にいた駅員に尋ねてみた。

なんと、返ってきた答えは、驚きの「もうありません」だった。

聞いたところによると、駅の入口に存在した紙コップ式自販機に、「ぬるめ」設定があったらしい。だが現在、紙コップで飲み物が提供される自販機は、すでになくなっている。インターネットの検索情報などでも確認してみたが、「ぬるめ」設定の自販機は、4、5年前までのものらしい。

「大清水駅」正面の自販機
「大清水駅」正面の自販機

多くの市民のあいだで語り継がれてきていた、大清水駅の「ぬるめ」が消えていた……。

ペットボトルに入った飲み物が自販機での主流のいま、購入時に飲み物を飲み干す前提の紙コップ式の自販機は少なくなりつつある。ペットボトルでの購入なら、飲み残しても取っておける。すぐに飲み干す必要はない。

工夫をこらし生み出されたアイデアが時代の流れにより風化して、年月と共に失われていくのは寂しい限りだ。

名称:豊橋鉄道渥美線「大清水駅」

住所:豊橋市大清水町大清水

いまや希少な、「ぬるめ」設定のある紙コップ式自販機
いまや希少な、「ぬるめ」設定のある紙コップ式自販機

余談になってしまうが、ライターの仕事と掛け持ちし、今年3月まで働いていた職場の食堂には、紙コップ式自販機が設置されていた。「あたたかい」設定ボタンの横には「ぬるめ」設定があり、私は何度となく「ぬるめ」を試したことがある。

実際には、「ぬるめ」は熱い。最大限に熱いはずの「あたたかい」と比べてみても、大差ない。いや、少々、違う気も……?

この希少な「ぬるめ」設定の自販機も、私が今年3月まで勤務していた職場が閉鎖となったことにより、今後に活躍する場を失った。

ライター(名古屋市)

5年住んだ豊橋市から帰ってきました。名古屋市には、まだまだココホレ的なモノがある! みなさんと名古屋をココホレしていきたいな。 【実績】 テレビ愛知 「工場へ行こう」「わが社の星」「歴史のバイプレイヤー」など特集ニュース制作。 織田有楽斎 https://news.tv-aichi.co.jp/single.php?id=2929  スタッキングチェア https://news.tv-aichi.co.jp/single.php?id=2277  クリエイティブリンクナゴヤ 「オイスターズ インタビュー」https://creative-link-nagoya.jp/column/1781/

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