【英会話】外国人を困らせる意外な一言とは?
20年ほどNative English Speakerたちのマネージメントをしていますが、彼らの悩み事を聞くのも仕事のうちで、そんなところからわれわれNative Japanese Speakerが知っておいた方がいいコミュニケーションのコツを知ることもあります。
そんな彼らからのお悩み相談をちょっと脚色も加えつつ、ご披露します。今回は読むとNative English Speakerとスムーズに話せるようになるお得なエッセイです。
舌の根も乾かぬうちに
あるとき、初めて日本人と英会話レッスンをしたNative English SpeakerのDidoがこんなことを言ってきました。
「徳さん、日本人は気まぐれなのかね?」
とちょっとお悩みモード。
「どったの?」
仕事の手を休めて話を聞き始めると、Didoが状況を説明してくれる。
レッスンが終わったところで、Didoが次のレッスンの日程を決めようと、
“Are you available next Tuesday?”(次の木曜は大丈夫?)
と尋ねたそうなんです。そしたら、受講生はすぐさま、
"Yes."
と快諾。ああ、すんなり決まってよかったと、ホッとしていたらこれまたすぐに、
“It’s not convenient for me. How about next Friday?”(都合悪いんで、次の金曜はどう?)
と言ってきた。一体全体どういうこと? と頭を傾げてる。というか、ちょっとお怒り気味。 みなさん、この行き違いの原因、気づかれるでしょうか?
もちろん、この原因は、Yes にあります。DidoはこのYes を、木曜日でOK のYes ととっていて、受講生はこのYes を、あなたの言ってることを理解しました の はい の訳語として使っている。行き違いが起こるわけです。
DidoにはNative Japanese SpeakerのYes は理解してますの意味で、同意を意味しないんだと説明して、確認した方がいいよとアドヴァイスしましたが、あまり納得はいってなかったようでした。まぁ、当然ですね。英語のコミュニケーションでは、Yes は同意ですから。
まぁ、われわれNative Japanese SpeakerがYesの使い方を変えればいいという話なんですが、われわれとしては、はい とは言いたいもの。だって、わかってるよ、理解してるよって言うのは、相手への承認ですからね。和を以て貴しとなす の我々にとっては非常に重要。でも、英語では、Yes とは言えない。さて、困った、どうしようということになるんですが、実は、そんな我々Native Japanese Speakerの気持にそった所作が英語にはあるんです。
それはなにかというと、相手の目を見ること。
相手の質問に目を見てうなずけば、わかってるよのサインになるし、ちょっと眉を顰(ひそ)めたりすれば、どういう意味? のサインになります。
しかも、目を見て話さないという英語のコミュニケーションでは大変失礼なことも避けられる。目を見て話さないのは、相手の話を聞いていない、とか、相手を軽視している ということをあらわすので、Native English Speakerはかなり不愉快なんです。
ほんとうかな? と思われる方もいらっしゃると思いますが、一度騙されたと思って、彼らの目を見て話してください。かなり、スムーズに会話が成立しますよ。なにガン飛ばしとんじゃ!? なんて因縁つけられることは絶対ありませんから、ご安心を。
と、こんな感じで、Native English Speakerたちとの英語やカルチャーギャップのお話をご披露したいと思っております。
お気に召しましたら是非ともごひいき(フォロー)くださいますようお願い申し上げます。
イラスト 大橋啓子