1軍のエキシビションマッチ出場へアピールが続く鳴尾浜《阪神ファーム》
オールスターゲームが終わったプロ野球は今、東京オリンピック開催による公式戦中断期間となっています。1軍の後半戦開始は8月13日で、その間は“エキシビションマッチ”として非公式戦が組まれました。阪神はロッテと西武を甲子園に迎えて計6試合、そのあと京セラドームでオリックスと3試合、最後は仙台へ遠征して楽天と3試合を行います。
なおファームは20日からウエスタン、イースタンとも既に公式戦を再開していて、阪神は23日から中日3連戦が鳴尾浜で予定されています。24日と25日は香川県丸亀市でのナイターだったのですが、2試合とも鳴尾浜に変更。この丸亀の前にあった倉敷でのソフトバンク戦も、9月の高知県安芸市での広島戦も昨年同様すべて鳴尾浜に変わり、8月の新潟県三条市でのヤクルト戦も2年続けて中止となりました。
ウエスタン打撃部門で好成績の阪神勢
ここまで各チームが70試合前後を消化したウエスタン・リーグ。ファームの場合は中止になった分を再び組むことはありませんので、それぞれ残り40数試合ということになるでしょうか。
そんな中、ソフトバンクは6月3日から首位に座り続けています。7月22日現在で中日が2ゲーム差の2位、中日から3.5ゲーム差で阪神、さらに12ゲーム開いてオリックス、1.5ゲーム差で広島という順位です。阪神は6月に7連勝、7月にかけても6連勝しましたが、それでも浮上するのはなかなか難しいですね。
でもチーム成績を見ると、阪神は打率(.257)、安打数(616本)、打点(283点)、盗塁(77個)など打撃部門でリーグトップの数字が並びます。一方、チーム防御率は3.71でリーグ4位。ちなみにトップのソフトバンクが2.79と、リーグ唯一の2点台でした。
個人成績でも、打撃部門で阪神の選手が上位にいますね。打率は島田海吏選手の.337がリーグ1位、続いて小幡竜平選手の.303で、3位は小野寺暖選手の.298と、阪神の3人が並びました!島田選手は盗塁(17個)も、長打率(.475)も、出塁率(.410)もリーグトップ。なお長打率は小野寺選手も.438で2位につけていて、阪神の2人だけが4点台です。
ホームランはソフトバンク・リチャード選手の8本につぎ、阪神のロハス選手が7本で2位タイ、井上選手は6本で5位タイ、陽川尚将選手と小野寺選手が5本で8位タイ。打点はソフトバンク・リチャード選手(40点)がトップで、小野寺選手(36点)が2位、井上広大選手(30点)が3位となっています。※以上の成績はすべて7月22日時点での数字で、きょう23日の分は入っていません。
来週27日から始まるエキシビションマッチには、ファームの選手たちを起用して今後の戦力を見極める“選考会”、という矢野監督のコメントが出ていました。投手陣では、きょう23日の1軍練習(甲子園)に小林慶祐投手、エドワーズ投手、伊藤和雄投手、石井将希投手、湯浅京己投手が参加。
また鳴尾浜で行われているウエスタン・中日戦もしかりですね。きょうは板山祐太郎選手が同点の3号ソロとタイムリー二塁打で2安打2打点、山本泰寛選手も2安打とアピール!試合も4対1で勝ちました。チーム内のアピール合戦にも注目です。
鳴尾浜で3か月ぶりの練習試合
さて、阪神のファームは今週前半、鳴尾浜で練習試合を行いました。久々だなと思ったので確認してみたら、6月は公式戦で埋まっていたため練習試合がなく、5月は19日に予定されていたマツゲン箕島硬式野球部戦が雨天中止。よって4月の4試合(10日・大阪ガス、11日・大和高田クラブ、24日・Honda鈴鹿、25日・カナフレックス)以来、なんと3か月ぶりだったんですね。
今回の2試合は、20日がルートインBCリーグ・石川ミリオンスターズと富山GRNサンダーバーズの連合チーム、21日が大和高田クラブとの対戦でした。取材人数制限がある鳴尾浜へは行けませんので、単なる結果と試合経過のみになってしまいますが…参考までに紹介させていただきます。
ルートインBCリーグとの試合は昨年8月にも組まれていました。8月4日に金沢で石川と、翌5日は高岡で富山と戦う予定だったのですが、7月末に同じBCリーグの滋賀ユナイテッド(現オセアン滋賀ブラックス)で新型コロナ感染者が出たため、急きょ中止に。なので2019年5月21日の石川と22日の福井(当時はミラクルエレファンツ、現ワイルドラプターズ)と金沢、福井で2試合を行い、そのあと7月24日に福井・富山連合チームを鳴尾浜に迎えて以来、1年ぶりの対戦です。
8投手による完封リレー
この日は西純矢投手が先発して2イニング、以降は1イニングずつ7投手が投げました。計8投手で7安打完封リレーです。ちなみに阪神打線はそれより少ない5安打で、11四球をもらいながら14残塁で3得点のみ(特別ルールによる9回裏も含む)。三振はともに9個ずつでした。
阪神- BCL石川・富山連合〈20日〉
石富 000 000 000 = 0
阪神 010 000 101 = 3
※特別ルールにより9回裏まで
◆バッテリー
【石・富】高田(3回)-村上(1回)-藤田(1回)-ヒース(1回)-タバーレス(1回)-渡辺(2回) / 植-小見山(4回~)-坂本(6回~) ※投手は前の3人が石川、そのあと3人が富山。捕手は前2人が石川、坂本が富山
【阪神】西純‐エドワーズ-伊藤和-石井将-加治屋-小林-守屋-小野 / 榮枝
◆三塁打 石・富:小見山(石川) 神:高寺
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失)
1]一:小幡 (1-1-1 / 0-1 / 1 / 0)
〃一:片山 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
2]ニ遊ニ:遠藤 (3-0-0 / 0-2 / 2 / 0)
3]三:板山 (1-0-0 / 0-1 / 1 / 0)
〃三:藤谷 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0)
4]左指:井上 (4-0-0 / 2-1 / 0 / 0)
5]右:高山 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
〃右:島田 (2-1-1 / 1-1 / 0 / 0)
6]指:長坂 (1-0-0 / 0-1 / 0 / 0)
〃左:小野寺 (2-0-0 / 1-1 / 0 / 0)
7]捕:榮枝 (4-1-0 / 1-1 / 1 / 0)
8]中:奥山 (4-0-0 / 3-1 / 0 / 0)
9]遊ニ遊:高寺 (3-2-0 / 0-1 / 0 / 0)
◆投手 (安-振-球/失-自)
西純 2回 7人 20球 (1-3-0 / 0-0)
エドワ 1回 4人 15球 (1-1-0 / 0-0)
伊藤和 1回 4人 13球 (1-1-0 / 0-0)
石井将 1回 3人 15球 (0-1-0 / 0-0)
加治屋 1回 4人 5球 (1-0-0 / 0-0)
小林 1回 4人 18球 (0-0-1 / 0-0)
守屋 1回 5人 24球 (2-1-0 / 0-0)
小野 1回 4人 13球 (1-2-0 / 0-0)
《試合経過》※敬称略
まず投手。西純は1回、2死から左前打と暴投で二塁に走者を置くも無失点。2回は2三振を奪って三者凡退です。3回のエドワーズは先頭に初球を三塁打されますが後続を断ち、4回の伊藤和は2死後にヒットを許しただけ。5回の石井将は下位打線ながら三者凡退に切って取りました。
6回の加治屋は2死からの1安打のみ、わずか5球で0点に抑えています。7回は小林が登板して1四球だけ。8回の守屋は先頭から、この試合両チーム唯一の連打を浴びたものの後続をピシャリ。9回は小野が連続三振のあとで内野安打されましたが、最後は二ゴロで無失点です。
打線は1回、小幡が四球を選んで二盗成功。遠藤の遊ゴロで1死三塁と先制のチャンスだったけれど、板山の投ゴロで挟まれタッチアウト。しかし2回、榮枝の中前打と盗塁、高寺の四球などで2死一、二塁として小幡が中前タイムリー!3回も2四球と板山の盗塁で2死一、二塁としますが追加点なし。4回は三者凡退でした。
5回は相手エラーと遠藤の盗塁、島田の四球でまた2死一、二塁としたものの0点。6回は2死から高寺の左越え三塁打が飛び出したのですが得点ならず。ところが、7回に遠藤が四球を選んで板山は遊ゴロエラーで無死一、三塁のチャンス!井上の三ゴロ併殺打で、ようやく1点を追加しました。8回は2死から奥山の四球と高寺の左前打で一、二塁と攻めながら無得点。
そして特別ルールでの9回裏、先頭の遠藤が四球を選び、二盗成功。2死後に島田の左前打で生還しました。そのあと連続四球があって2死満塁とチャンスは続いたものの、最後は奥山が三振に倒れて試合終了です。
遠藤&小野寺が3度の連打!
21日は社会人クラブチームの大和高田クラブと対戦しました。大和高田クラブとは4月11日にも練習試合をしているので、今季2度目。前回は2対2の引き分けだったんですね。先制された直後の4回に相手エラーで追いつき、5回に3連打(小幡選手のタイムリー)で勝ち越しながら、6回に登板した佐藤蓮投手が先頭から3四球で満塁…押し出し死球で同点となったもの。
今回の大和高田は前と同じ松林勇志投手の先発で、阪神は村上頌樹投手です。村上投手と、5人目の岩田将貴投手が2イニング、他の5投手は1イニングずつ投げています。この試合は完封ではありませんが、1点を失った岩田将投手も自責点は0。また野手では遠藤成選手が4安打、小野寺選手が3安打、高寺望夢選手も2試合連続の2安打と気を吐きました。
阪神- 大和高田クラブ〈21日〉
大高 000 000 100 = 1
阪神 102 001 010 = 5
※特別ルールにより9回裏まで
◆バッテリー
【大高】松林(3回)-山本竜(4回)-金村(2/3回)-濱田(0/3回)-楠本(1/3回)-西(1回) / 深尾-安岡(6回~)
【阪神】村上‐尾仲-鈴木-石井将-岩田将-望月-浜地 / 藤田-片山(8回~)
◆二塁打 神:藤田
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失)
1]指:島田 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
〃打指:小幡 (1-1-0 / 0-0 / 1 / 0)
〃打指:榮枝 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0)
〃一:小幡※ (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
2]遊:遠藤 (5-4-1 / 0-0 / 1 / 2)
3]中右:小野寺 (4-3-1 / 0-1 / 0 / 0)
4]左:井上 (4-0-1 / 2-0 / 0 / 0)
5]一捕:片山 (4-1-0 / 0-1 / 0 / 0)
6]捕指:藤田 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
7]ニ:高寺 (4-2-1 / 1-0 / 0 / 0)
8]三:藤谷 (3-0-0 / 2-1 / 0 / 0)
9]右中:奥山 (3-0-0 / 2-1 / 0 / 0)
※特別ルールで再出場
◆投手 (安-振-球/失-自)
村上 2回 8人 32球 (2-2-0 / 0-0)
尾仲 1回 3人 14球 (0-1-0 / 0-0)
鈴木 1回 3人 6球 (0-1-0 / 0-0)
石井将 1回 3人 9球 (0-1-1 / 0-0)
岩田将 2回 10人 42球 (2-2-1 / 1-0)
望月 1回 3人 12球 (0-0-0 / 0-0)
浜地 1回 3人 12球 (0-0-1 / 0-0)
《試合経過》※敬称略
村上は1回1死からヒットを許しますが併殺で片付け、2回は先頭のヒットと犠打失策、犠打などで招いた1死三塁のピンチに二ゴロを打たせてホームタッチアウト!最後は三振で締め、2イニングを投げて無失点でした。3回の尾仲、4回の鈴木はともに三者凡退。5回は石井将が三振のあと四球を与えますが、次を遊ゴロ併殺打に仕留め3人で終了です。
6回は岩田将が登板。先頭にヒットを打たれ2死後に四球を与えたものの得点は与えず。しかし2イニング目の7回、味方のエラーなどで2死三塁となり、8番の小原に三塁へのタイムリー内野安打を浴びて1点を失います(自責は0)。8回の望月は三者凡退。9回は浜地が1死から四球を与えながらも最後は遊ゴロ併殺打で無失点でした。
一方の攻撃は、1回1死から遠藤が右前打して盗塁を決め、続く小野寺の中前打で生還!3回には、四球を選んだ先頭の奥山が代打・小幡の右前打で三塁へ進み、小幡も二盗成功で無死二、三塁のチャンス!まず遠藤の二ゴロで1点、小野寺は四球で1死一、三塁となって井上が中犠飛。この回2点を追加します。
6回は1死から藤田がレフトへの二塁打を放ち、相手投手のエラーで三塁へ。次の高寺が中前タイムリー!そして8回、先頭の井上が振り逃げ(三振と暴投)で出塁するも、二盗失敗。片山は四球を選んで2死後に高寺が右前打、さらに藤谷の四球で満塁となり、続く奥山への初球が暴投。これで片山が還って5点目が入りました。
特別ルールによる9回裏は、1死から遠藤と小野寺がともに左前打したものの後続を断たれて試合終了です。なお2番・遠藤と3番・小野寺は計3度の連打を記録。この9回と、1回の先制時以外に、3回の攻撃でも遠藤のショート内野安打に続いて小野寺が左前打を放っています。
<掲載写真は筆者撮影>