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【札幌市中央区&東区】旧苗穂駅を、覚えていますか?

ゆべーる地域クリエイター(札幌市)

タイトル写真は、2018/11までの、旧苗穂駅にあった駅名看板です。

2018/11に苗穂駅が移転してから、来月で早6年!

東14から東10/11へと、約450m西に移転しました。(公式記録では300mほどと言ってますが、駅舎間の距離は、実際にはもう少し広いかな?と思います)

バス停でちょうど1つ、歩いて6分の距離です。

移転の理由。

旧苗穂駅
旧苗穂駅

以前の位置だと苗穂運転所と工場、引込線の幅が広すぎて、北側に位置する東区から苗穂駅を利用するのが非常に困難だったことがあります。

唯一、今の苗穂駅の自由通路とほぼ同じところに跨線橋がありましたね。

★もともと現在の苗穂駅あたりにはJR貨物が有していた広いスペースがあり、この有効活用という理由もあります。これは現在の線路と運転所、工場の間の、かつては操車場として使われていたスペースですね。

★札幌市のコンパクトシティ構想もあり、苗穂駅を都心の東の駅として活用するために、少し札幌駅に寄せたという側面もあるでしょう。

★それらもまとめて、産業用の駅から始まった苗穂駅の、本格的な旅客駅への転身の完成と言えそうです。

産業集積地の駅。

よく苗穂工場と苗穂運転所を間違う人がいるのですが、この写真の更に左側に、過去の数多の神改造で有名な苗穂工場があります。

その南、つまりこの写真の正面が、苗穂運転所です。運転所については、またじっくりと書きます。

もともとの苗穂駅としてのメイン機能は、旅客ではなく、最初は近くに苗穂の湧水を期待してたくさんあった工場(ビール、味噌、醤油、製油、製粉、精糖、木材など)とリンクした産業集積地の駅でした。

この写真の奥にも、かつて引き込み線があったセメント工場がありますし、かつては現在の自衛隊基地まで繋がっていました。

貨物集積の駅。

旧苗穂駅は、現在の路線に加えて

現在のコンベンションセンターからイーアスの場所にあった東札幌駅から豊平駅以降伸びていた定山渓鉄道

東札幌駅から月寒駅、大谷地駅を経由していた千歳線の旧ルート

少し離れた野幌からは夕張方面に伸びていた夕鉄

などを経由して、石炭やたくさんの貨物が集まりました。

また改めてまとめますが、旧苗穂駅こそ札幌市内で数少ない産業用の駅、また東札幌駅と分担して、現在の札幌ターミナル駅の貨物集積の機能も持っていた鉄道拠点として、いわば札幌市内にある日本遺産【炭鉄港】の香りのする駅だったといましょう。

このあたりのことは、こちらの記事を是非ご参照ください。

またかつて、苗穂駅から旧東札幌駅の跡をトレースした記事を書いていますので、参考にしてください。東札幌駅に関しては、またまとめたいと思います。

元来、北海道のあちこちの駅は札幌都市圏を除いてほとんど何らかの産業上の必要がありつくられた駅でしょうが、その中でも苗穂は東札幌と共に際立っていたと思います。

新しい苗穂駅は、運転所や工場の線路が広がる西側に作ったので、中央区のみではなく東区の人も等しく利用できるようになり、2017年には1日4200人くらいだったのが、2023年には5300人くらいに利用者が増えました。

産業用の駅から完全に旅客用の駅に転化しましたが、一方苗穂工場や運転場は健在です。

2017の写真。

旧苗穂駅の古い駅舎は、歴史を感じさせるものでしたね。

かつて定山渓鉄道の発着していただろうホームの痕跡らしきものが、駅舎脇に見てとれます。

2018/12の写真。

また、新しい駅ができたばかり2018年末には、まだ旧駅のホームが100mくらいしか離れていないところに見えます。ガラスごしで見にくいですが、奥の方にあります。

今や、跡形もない旧苗穂駅の跡。

旧苗穂駅の痕跡がほとんどなくなったのは残念かもしれませんが、故に苗穂工場や運転所が旅客の流れに影響を受けないで、独立して原型に近い形で残るのなら、それもまた面白いと思います。

★苗穂駅★

駅舎と南口住所: 札幌市中央区北3東11

駅舎の一部は実質は東区北4東12にあるようですが、中のテナントも含めて北3東11と表記されています。

北口: 札幌市東区北4東11という表記と北5東11という表記があります。

地域クリエイター(札幌市)

通訳案内士(全国&札幌)、そしてライターや日本遺産炭鉄港、日本遺産候補小樽、サッポロコンシェルジュのガイドとして、いつも札幌市内の出来事やおすすめ情報を探しに歩いてます。最近、少し鉄気味。交通ネタや都市インフラに興味が行きつつあります。サイダー(シードル)大好き。ホルン(フランス式ピストン)とテナーホーン吹き。

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