師走台風21号 大型で非常に強い勢力に発達 小笠原諸島は大荒れに警戒を
大型で非常に強い勢力に
台風21号が海水温30度近い海面上で予想以上に顕著な発達を見せており、北緯20度を越え、日本の南を北上中です。
きょう3日(金)午前9時現在、中心気圧925hPa、最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートルの大型で非常に強い勢力となっており、時速35キロと速度を速めながら北東へ進んでいます。
今後予想される予報円の真ん中を進むと、今夜午後9時には、非常に強い勢力を維持しながら小笠原諸島の南海上に達し、あす4日(土)午前9時には、かなり衰弱するものの、それでも中心気圧975hPa、最大風速35メートル、最大瞬間風速50メートルの強い勢力で、父島の南東約300キロの海上に達する見込みです。
その後はさらに衰え、あさって5日(日)午前9時までには、小笠原諸島の東海上に離れつつ、熱帯低気圧に変わる見込みです。
小笠原諸島は、今夜からあすにかけて、海上は大しけとなり、暴風域に入る可能性は小さいものの、強風域に入るため、最大瞬間風速30メートル以上の強風が吹き荒れるおそれがあります。
また台風の北側には前線が停滞しているため、この前線に伴う大雨が降るおそれがあり、土砂災害などにも注意、警戒が必要です。
なお台風21号の中心が父島から300キロ以内に近づけば、日本への接近台風となりますが、もし接近台風となった場合は、師走としては2004年以来17年ぶりとなります。
師走としては5年ぶりの中心気圧を記録
台風21号は速報値ではありますが、中心気圧が925hPaと顕著に発達しています。
12月でも、フィリピンの東海上は30度近い海水温があるため、台風が発生すれば、顕著に発達することがありますが、925hPa(速報値)以下まで気圧が下がった台風は、2016年のクリスマスにフィリピンを直撃した台風26号以来、5年ぶりとなります。
日本では考えられませんが、フィリピンには師走でも上記のような危険きわまりない勢力の強い台風が度々上陸しています。
なお過去師走に本州付近に接近した台風は1個もありませんが、海水温が上昇すれば、師走に本州へ近づくような台風が出現してくるかもしれません。
参考:国立情報学研究所(デジタル台風)