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大型台風5号、沖縄から九州へ接近のおそれも。来週も夏空は安定せず?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風5号の雲の様子(ウェザーマップ)

沖縄から九州へ接近するコース取りも?

台風5号の予報円(ウェザーマップ)
台風5号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

台風5号は昨日の発生当初から強風域が広かったのですが、きょう午後3時に強風域の直径が1000キロ以上(1150キロ)となり、大型の台風となりました。

今後はやや発達しながら、木曜日から金曜日にかけて、石垣島など先島諸島付近を北上したあと、予報円の真ん中を進むと、週末から週明けにかけて、九州の西海上から朝鮮半島へ向かう予想となっています。

ただ日本の南に張り出している太平洋高気圧の勢力が弱まれば弱まるほど東寄りのコースを取る可能性もあり、その場合は、予報円の東側を進み、九州へかなり接近することになります。

また中心が離れて通る場合でも、台風が大型で広く暖湿流を伴っているため、西日本を中心に広範囲に大雨をもたらす心配があります。

金曜日は沖縄本島でも大荒れに

金曜日の雨や風の予想(ウェザーマップ)
金曜日の雨や風の予想(ウェザーマップ)

金曜日には台風の中心が東シナ海を北上しますが、台風5号の特徴はその東側で風が非常に強いため、上図のように最も風の強い領域が沖縄本島にかかる予想です。

沖縄本島でも金曜日は非常に強い風が吹くため、空の便などに大きな影響が出るかもしれません。

土曜日は九州や四国でも大荒れか

土曜日の雨や風の予想(ウェザーマップ)
土曜日の雨や風の予想(ウェザーマップ)

土曜日になると台風の中心は九州の西海上へ達する見込みです。

台風が大型のため、台風の中心が離れていても、九州や四国では南風が強まり、大荒れとなるおそれがあります。台風の中心が近づけば近づくほど荒天の度合いが大きくなるでしょう。

また日本付近に停滞する梅雨前線に向かい非常に湿った空気が流れ込むため、台風の雨雲がかかる九州や四国はもちろん、その他の西日本から東日本にかけても雨雲が発達し、大雨となる心配があります。

気象庁から台風5号に関する防災情報が出されています。

今後も最新の情報にご注意下さい。

台風5号の雨雲は週明けに北日本へ?

太平洋高気圧と雨の予想(ウェザーマップ)
太平洋高気圧と雨の予想(ウェザーマップ)

台風5号(あるいは台風から変わった低気圧)に伴う活発な雨雲は日曜日から来週の火曜日頃にかけて、日本海から北日本を指向する予想です。ただこれは一つのコンピュータの予想で、台風位相の位置や強度にはまだ大きなブレがありますが、週明けは北日本でも大雨に警戒が必要となるかもしれません。

来週も不順な天候、梅雨明けはまだ先?

太平洋高気圧と雨の予想(ウェザーマップ)
太平洋高気圧と雨の予想(ウェザーマップ)

台風位相が東へ抜けた後、日本付近に梅雨明けをもたらすはずの太平洋高気圧は再び勢力ダウンし、逆に北からの雨雲が南下しやすくなる計算となっています。

もしかしたら来週にかけても夏空はほとんど安定せずに、だらだらと梅雨明けの発表が遅れてしまう可能性もあり得る状況です。

もし、梅雨明けが発表されても、安定した夏空がおとずれる気配は来週いっぱいほぼなさそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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