【京都市北区】えっ?どこどこ?御所へ運ぶ氷を貯蔵したとされる「氷室(ひむろ)」の跡を訪れるも…
「暑い…!暑すぎる!!」最高気温が35度を超える猛暑日が続く京都市内。外出中、あまりの暑さにコンビニに立ち寄り、キンキンに冷えた飲料水やアイスを買ってしまうという人も多いのではないでしょうか。
現代では手軽に口にすることのできる氷ですが、冷凍庫がない時代に氷を食べられるのはごく一部の限られた人たちだけでした。(「ガリガリ君」がある時代に生まれて良かった!)
京都市北区にある集落・氷室には、平安時代に宮中へ運ぶための氷を貯蔵していた「氷室跡(栗栖野氷室)」があります。
冬の間にこの地でつくられ、保存された氷は夏になると取り出され、宮中へ運ばれていたのです。
「氷室跡」とはいったいどんな場所なのでしょうか。
「氷室」とは
製氷機や冷凍庫がない時代には、冬の間にできた天然の氷を保存する必要がありました。この氷を貯蔵しておく場所が「氷室」です。
山間部の地面に穴を掘り、板や茅などで氷を覆うことで、夏まで保管することができたようです。夏になると氷室から氷が取り出され、宮中へと運ばれ高貴な人たちだけが氷を口にすることができたそう。
京都にもいくつかの氷室があったようで、そのうちのひとつが京都市北区西賀茂氷室町に残されています。
「氷室跡(栗栖野氷室)」の行き方
京都市北区西賀茂氷室町に残されている氷室は、「栗栖野氷室」と伝えられているもの。
鷹峯から京見峠を越え、1.5kmほど歩いたところにあるエリアが氷室の集落(西賀茂氷室町)です。「京都一周トレイル・北山西部コース」からも立ち寄れる場所にあります。
氷室跡は、氷室神社の北西にあり、大々的ではありませんが、道順を示す看板も設置されています。
田んぼ沿いを道なりに西へ進みます。看板を目印にするとわかりやすいです。
しばらく歩くと、斜面の方向を指す「氷室跡」と書かれた看板が見えて来ます。
「氷室跡」と書かれた石碑もありますが、ここまでたどり着いても、“想像する氷室らしきもの”は見当たりません。
いったいどれが氷室なのか…
氷室跡(栗栖野氷室)
斜面を少し上がったところに、「氷室跡 窪んだ所3カ所です」と書かれた看板があります。
たしかに、看板のまわりには周囲に比べて窪んでいるように見える場所が3カ所ありました。
こちらは、そのうちのひとつです。
「えっ?どこどこ?これが氷室跡??なんか思ってたのと違ーーーう!!」と思わず声に出してしまいそうなほどわかりにくいですが、これが氷室跡。(残りふたつも同じような窪みです)
冬にできた天然の氷を保存しておける場所と聞くと、洞窟のような場所をイメージをしていましたが、わたしにはふつうの斜面にしか見えませんでした。
むしろこの場所で氷を保存できる技術がすごいとも言えそうですが、本当にここで氷を保存できるのでしょうか…
氷室跡へは「京都一周トレイル」からの寄り道がおすすめ
鷹峯から京見峠を越えるルートはなかなか険しいので、氷室跡を訪れることだけを目的にするには、正直なところ割りに合いません。
氷室跡を訪れるなら、「京都一周トレイル・北山西部コース」からの寄り道がおすすめ。
トレッキングを楽しみながら、氷室跡にも興味がある人はぜひ立ち寄ってみてください。