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初当選後、小池知事に「約束破られ音信不通になった」 「満員電車ゼロ」の政策ブレーンが激白!

鉄道乗蔵鉄道ライター
「満員電車がなくなる日」推薦文(画像:阿部等氏提供)

 東京都知事選挙が7月7日に迫っている。テレビや新聞報道による当初の予想では、現職の小池氏と蓮舫氏の戦いが軸になると報じられていたが、最新の情勢調査によると石丸氏の急伸が報じられている。

 ネット記事やYouTubeでは、小池氏の学歴詐称疑惑などさまざまな疑惑が報じられている一方で、新聞やテレビではこうした疑惑については報じられないことから有権者の間では小池氏に対する不満がたまっていることも背景にあるようだ。さらに、小池氏の街頭演説では激しいヤジが飛ぶなど異常事態となっている。

2016年は都民の大きな熱気に支えられ当選

 こうした中で、2016年の小池知事の初当選時に「満員電車ゼロ」の政策ブレーンとメディアで報道されていた交通コンサルタントの阿部等氏は、「小池知事は、政策実現をする気はなかったようで、初当選後、音信不通になってしまった」と激白する。

 阿部氏と小池氏は、阿部氏の会社がある池袋の地元つながりで20年近く前に知り合い、その縁で16年前に出版した阿部氏の著書「満員電車がなくなる日」に小池氏が写真付きの推薦文を寄せてくれたという。

 2016年に舛添前知事は、公用車による神奈川県湯河原町への温泉通いなどの問題が表面化し、テレビのワイドショーで大きく取り上げられ辞職に追い込まれた。その直後に阿部氏は、地元の会合で小池氏と面会し「今回こそは万年候補者候補でなく候補者になってください。そして、当選されたら満員電車の解消に取組んでください」とお願いをしたという。そして、その2日後に小池氏は出馬表明。選挙公約に「満員電車ゼロ」が入ることになり、阿部氏の著書「満員電車がなくなる日」の改訂版にも小池氏からの写真付きの推薦文が寄せられた。

 2016年の都知事選で小池氏は、選挙戦の初日の最初も最終日の最後も阿部氏の会社から徒歩1分の池袋駅西口で街頭演説し、阿部氏はそのどちらにも参加し「全力応援をした」と話す。その時の様子は「初日は200~300人くらいの集まりで高揚感があり、最終日は数千人から万単位の集まりで大変な熱気だった」。「多くの都民が小池さんは世の中を良くしてくれると期待」して、自民党推薦候補に圧勝した。

当選直後に音信不通に

 阿部氏は、小池氏の初当選後「満員電車ゼロ」の公約実現に向けて、「小池都知事に直接、あるいは小池都知事の周りの方を通じて連絡を取った」というが、「何を連絡しても応答ゼロ」で音信不通となった。「満員電車ゼロ」については、メディアで大きく報じられた2階建て電車による取り組みではなく、著書「満員電車がなくなる日」で書かれている信号システムの改修などによる輸送力増強策を提案していたが、「こうした提案には取り組まず、『時差ビズ』と称する時差通勤の呼びかけのみに取り組み成果はゼロだった」と悔しさをにじませる。

 こうした小池氏からの仕打ちに対して阿部氏は「多くの方々から彼女は嘘をつくことや約束を破ることに良心の呵責を何ら感じないと言われ、まさにその通りであることを実体験した」と激白する。

 阿部氏は、これらについては「8年間振回された個人的な恨みで発言しているのではない。『満員電車ゼロ』のみならず、当初『築地を守る、豊洲を活かす』という約束も反故にされ、小池知事は築地の人たちも裏切っている」と力説する。7月7日の選挙戦に向けて「現代社会の日本に生れた1人として、東京都のトップにそれに相応しくない人が就くことによる社会全体の不幸を憂い、そうならないことを願っている」と締めくくった。

阿部等(あべひとし)●1961年生。東京都出身。東京大学工学部都市工学科大学院修士修了。JR東日本(第1期生)に17年間勤務。鉄道事業の多分野の実務と研究開発に従事。その後、交通問題の解決をミッションに(株)ライトレール(www.LRT.co.jp)を起業。

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。ステッカーやTシャツなど鉄道乗蔵グッズを作りました。

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