静岡県御前崎市 空っ風のめぐみ「いも切干し」
静岡県御前崎市の冬は空っ風が吹き付ける
御前崎市はこの時期、強い風(遠州の空っ風)が吹き、冬を感じさせます。冬の日本付近は、西高東低の冬型の気圧配置になることが多く、北寄りの風が吹きます。この風に乗ってやってきた風が日本海側に雪を降らせて、水分を落として乾いた風に変わります。それが高い山から吹き降りてきて強い乾いた風が太平洋側の御前崎市に吹きつけます。
御前崎市はいも切干し発祥の地
御前崎市は砂地で、お米を育てられる土壌ではありません。このため昔からサツマイモが育てられてきました。このサツマイモが腐らない方法がないかと編み出されたのが「いも切干し」(干し芋)です。遠州の空っ風のおかげで芋の水分が短い時間で抜けるため、良質ないも切干しを作ることができました。
空っ風は体感温度を下げて、風に向かって自転車を漕いだり歩くのが困難になるなど生活をするには大変ですが、このおかげでいも切干しがおいしくなるのです。
年始にかけて、いも切干しが乾きにくい?
今日出た一か月予報を見てみると、静岡県を含む東海地方は年始にかけて気温が高い予想となっています。
数値予報による地上気圧と上空1500m付近の温度の予測結果を見てみると、冬型の気圧配置にはなるものの、北日本が中心で東日本への寒気の流れ込みが強くはありません。静岡県の北側にある北陸地方の雪は少ない予想になっています。空っ風が平年よりも吹きにくくなりそうです。特に12月21日から27日にかけては雨の降る日が多くなるでしょう。
1月4日以降はこの時期らしい天気・気温が戻ってくるため、いも切干しにとって最高のコンディションとなりそうです。
ただし温度が高い日が続いている中での平年並みの寒さは人間にはつらく感じます。仕事始めの頃からは体調管理に気を付けてください。