【京都市西京区】西山山麓の古刹で梅園の梅が満開 近くに来たら寄りたい紫式部の氏神さん境内の10割蕎麦
NHK大河ドラマ「光る君へ」は、しばし京の都から越前国に舞台が移るようです。「ここにかく 日野の杉むら埋(うづ)む雪 小塩(をしお)の松に 今日(きやう)やまがへる」と越前国の国司に任じられた父藤原為時に伴われて越前国の国府にやってきた紫式部が京の小塩山を懐かしんで詠んだ歌として知られています。
その小塩山山麓周辺に広がる大原野の広大な田畑のあちこちでは、春の訪れを告げる菜の花が咲き誇っていました。そして、その小塩山山麓で紫式部の氏神様として知られる大原野神社の向かいに位置するのが正法寺です。
春の桜や秋の紅葉の名所として知られていますが、2024年2月28日に訪れてみると、梅園の梅がまもなく満開を迎えようとして咲き誇っていました。京都盆地や東山連峰の雄大な眺めを借景とした梅園に白梅や紅梅の花が咲きます。この梅園は先代住職が竹やぶだった場所を切り開いたのだそう。
正法寺に参拝したら、ぜひ立ち寄ってほしいのが、大原野神社境内の手打ち蕎麦屋「そば切り こごろ」です。6年前にオープンされ、くさ餅などで知られる「春日乃茶屋」のおかあさんの御子息、店主の久井悟さん夫婦で経営されています。
店内には、真ん中にゆったりと座れるヒノキの一枚板のテーブルが置かれています。他には4人掛けのテーブルが2つほど。店内全体の木を基調とした造りは、店主さん夫婦が自ら改装に携わったのだそう。
辛味大根蕎麦や自家製にしん蕎麦など、いずれも蕎麦の実を自家製粉した単品で魅力的なメニューもあるのですが、ひるそばセットの一部メニュー変更をして、鶏とかぶらのそば、炙りサーモン寿司、そばがきを注文しました。
最初に出されたそば茶からして美味しい。ついつい飲み干してしまい、何回もお替りを継いでもらうことに。そばは、細すぎるほど細いのにしっかりとこしのある美味しいそばです。ラグビーボール状に切られたこりっとした食感のかぶらとプリっとした鶏肉が乗っかっていい仕事をしています。
そばがきは、そば粉を熱湯で堅くこねたもの。奥様によると、昔、そばを作る技術が無かったころのそば粉の食べ方なのだそう。そこからそば切りの名が生まれました。そば粉の風味はむしろそばがきの方がより強く感じられます。
細切りそば、粗挽きそば、そばがきは、時期によって仕入れるそば粉を変えているということで、この日は鳥取と広島から入荷されていました。西山山麓へお越しの際はぜひお立ち寄りください!
そば切りこごろ(外部リンク) 京都市西京区大原野南春日町1152 大原野神社境内 075-333-7311