2016年ソーシャル・バブル崩壊がやってくる!…米大統領選イヤーだから
KNNポール神田です!
2016年、米大統領選の結果が誰にも予測できない状況になってきた。泡沫と思われていた4度も破産した不動産王のドナルド・トランプを大々的にメディアが取り上げる為、「3.2億人総ジ・アプレンティス(見習い生)」現象となっているようだ。そんな米大統領選とからむ話が、ITバブル崩壊のストーリーだ。
1996年ダイヤルアップバブル
1995年阪神大震災の翌年、1996年世界中でインターネットの商業利用が広がった。インターネットダイヤルアップバブルの狂乱がスタートした。Windows95のヒットに、ネットスケープブラウザ、Yahoo!(1996) amazon(1997)と続々とネットベンチャーのIPOが続く。ダイヤルアップバブルだ。赤字だろうが、売上が小さかろうが、ネットの革命が世界を変えると盲信されていた。
2000年ネットバブルの崩壊
2000年1月AOLがタイム・ワーナーを吸収合併し、世紀のコングロマリット企業、AOLタイム・ワーナーが誕生する。ビル・クリントン大統領就任最後の年である。2000年3月10日にはNASDAQは最高値を5048ドルにまで上げたがネットバブルがはじけた…。ソフトバンクの株価は1/100になった…。1,000万円が10万円になったのだ。米レッドヘリング誌などは、何度も株価の異常値に警鐘を鳴らし続けていたにもかかわらず…。
2004年GoogleのIPO
ネットビジネスの期待値だけではなく実業としてのGoogleの検索広告ビジネスを、GoogleマップやYouTube、そしてAndroidといったメディアやツールやOSの上にも広告という発想へと広げていった。積極的なAPIの公開と共に、Googleのサービスが無料で使えながら、なおかつ嫌われない広告手法を開発してきた。1996年のダイヤルアップバブルから8年後だ。
2008年リーマン・ショック
ネット業界、IT業界に限らず、投資銀行リーマンブラザースがサブプライムローン問題で、2008年9月15日に破綻したことにより世界でのバブルがはじけた。2000年のバブルから8年目にあたる。ジョージ・ブッシュ大統領最後の年である。
2012年ソーシャルバブルの勃興
2002年FriendsterにインスパイアされたITベンチャーらが、こぞって2004年にサービスインしたのがSNS。GREE,facebook,mixi,らがSNSとして登場。メディアではなく個人と個人がメディアとして繋がるSNSのブームが誕生する。日本ではソーシャルゲームが流行し、2012年2月20日パズル&ドラゴンズがリリースされる。そして、2012年5月18日にFacebookがIPOを果たす。GoogleのIPOから8年目のバブルが勃興した。
そして2016年ソーシャルバブルの崩壊の年
2016年3月18日(金)現在、ソーシャルバブルの兆候は、まだ見えてはいない…。
ソーシャルメディアは4年毎に乗り換えられるという法則性を筆者は感じているが、
mixi(2004年)→ブレイク年2004年
twitter(2006年)→ブレイク年2008年
facebook(2004年)→ブレイク年2012年
instagram(2010年)→ブレイク年2016年
…という兆候が見えている。
しかし、2008年のリーマンショックから8年経過、バラク・オバマ大統領最後の年に当たる。
不動産王トランプが米国大統領となる可能性を否定することが難しくなってもいる。
アメリカそのもの、いや世界が影響を受けるリスクとして、認知しておくことは重要だ。
バブル崩壊のルールは、実はとても単純だ。期待値が下がり、誰かが一斉に株を売り始め、その流れを止めるほどの期待値が上回らないとバブルは簡単にはじけてしまう。そこに理由はない。一旦下がり始めた株を買い戻そうとすることは大富豪も政府にも不可能なのだ。何よりもバブルの瞬間に大株主は売り逃げてしまうことがバブルの最大の原因だ。
そして、何よりも、怖いのが、17世紀、1637年に起こった世界最初のバブル経済破綻事件の「チューリップバブル」以降、常にバブルは、定期的にサイクルを描いて訪れる傾向があることだ。
ネットバブルは1996年の誕生から、たかだか20年しか立っていない。しかし、この4年周期のサイクル、8年ごとのバブル崩壊は、単なる偶然の一致とは思えないのだ。2016年のソーシャルバブル崩壊は、「予期することが可能なバブル」なのである。