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間も無くキックオフ! コパアメリカ決勝、ブラジル戦。メッシは代表でタイトルを獲れるか?

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:ロイター/アフロ)

 コロナ禍のなかで6月14日に開幕したコパアメリカも、ついに最終日となった。順当に決勝進出を決めたブラジルとアルゼンチンによるファイナルが、本日、午前9時(日本時間)にキックオフを迎える。

 本コーナーでお馴染みの元U20アルゼンチン代表、同ビーチサッカー代表で、現在は埼玉県のクラブチーム、トリコロールFCでジュニアユースを指導するセルヒオ・エスクデロに話を聞いた。

撮影:著者
撮影:著者

 準決勝、コロンビア戦のアルゼンチンは、前半の先制点が綺麗でした。中盤のジオバニ・ロ・チェルソが縦パスをメッシに送り、メッシが反転しながらラウタロ・マルティネスに落として、シュート。テンポのいいパス交換からのゴールでしたね。

写真:ロイター/アフロ

 でもメッシは終始激しくマークされ、何度もファールで倒されました。コロンビアにしてみれば、メッシを止めなければ勝てないですから。メッシをフリーにさせないのが、コロンビアの作戦でしたね。一方で左サイドを突破して徐々に流れを掴み、後半はコロンビアのペースになっていきました。

写真:ロイター/アフロ

 コロンビアに同点されたシーンは目を瞑りました。交代で入ったディ・マリアがフリーになってビッグチャンスを得たのに、ラウタロ・マルティネスが外してしまった……。あそこでフリーで決められないラウタロは、FWとしてはあり得ないです。

写真:ロイター/アフロ

 「走らない」「歩いてばかりだ」と批判されてきたメッシですが、今大会は攻撃だけでなく、献身的な守備も見せています。倒されても、倒されても、その度に起き上がってファイトしていますね。その姿がアルゼンチン国民を熱狂させています。

PKで3本を止めたエミリアーノ・マルティネス
PKで3本を止めたエミリアーノ・マルティネス写真:ロイター/アフロ

 結局、準決勝のコロンビア戦はPKでの勝利でした。3本ものPKを止めたエミリアーノ・マルティネスは大当たりでしたね。

 2人目のキッカーに対し、エミリアーノ・マルティネスは「お前を食べてやる」って2回言って、止めたんです。次のキッカーに対しては「この腰抜け野郎!」「お前、ビビってるな」なんていう言葉を吐きました。で、レフェリーに「それ以上言うとイエローカード出すぞ」と注意されています。

 昔、JリーグのチャンピオンシップでジーコがPKスポットに唾を吐いたことがあったでしょう。南米人はPKの時、言葉や態度でプレッシャーを掛け合うんですよ。駆け引きなんですね。あまり酷いと退場になってしまいますが、今回はエミリアーノ・マルティネスの作戦勝ちかな。3人目は「お前は右利きだから、こっちに蹴るんだろう!」って言い続けて止めました。

写真:ロイター/アフロ

 マルティネスは12~13歳でイングランドに渡り、キャリアを積んだんですよ。だから、アルゼンチン国内ではそれほど知られていない選手でした。が、準決勝でヒーローになって、一躍有名になりました。

 1990年のイタリアワールドカップで、正GKのネリー・プンピードがケガをしました。控えのGKだったセルヒオ・ゴイコチェアがチャンスを得て、大活躍しましたね。マルティネスは、ゴイコチェアの再来だ!と注目を集めています。正にシンデレラボーイです。

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 ペルーを1-0で下して決勝進出を果たしたブラジルも、準決勝は押し込まれる時間帯が多かったです。ネイマールの3人抜きアシストは見事でしたが、アルゼンチンとは五分五分でしょう。カゼミーロがメッシのマークにつくのかな? バルセロナvs.レアル・マドリード戦と同様ですね。

 メッシがタイトなプレッシャーを受けるなか、他の選手の働きがカギになるでしょう。僕は2-1でアルゼンチンが勝つと見ています。

写真:ロイター/アフロ

 メッシはあと1点で、コパアメリカ2021の得点王も狙えます。本人は「個人タイトルよりもチームの勝利が大事だ」と話していますが、1点は決めるんじゃないかな。アルゼンチンが優勝し、メッシが得点王にも輝くことを、僕は期待しています。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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