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2014年7月18日「黒子のバスケ」脅迫犯からのネット向け声明文 

篠田博之月刊『創』編集長

最後に掲載するのは「黒子のバスケ」脅迫犯・渡邊被告が、最終意見陳述を全文公開するにあたって書いたメッセージだ。意見陳述に出てくる精神科医の本など具体的にどの本を指しているのか問い合わせが入ることを想定して、この間、彼が獄中で読んだ主な本の一覧も付けられている。末尾の「PS」はEXOファン以外は意味不明だろうが、本人はぜひこれを載せたいという。本当はここが彼の発信したいメッセージなのかもしれない。 

(月刊『創』編集長・篠田博之)

「黒子のバスケ」脅迫事件 2014年7月18日 ネット向け声明文

自分の被害妄想におつきあい頂き誠にありがとうございました。

お読み頂いた方々に誤解を招きそうですが、自分は原発の再稼働に賛成です。こんな国はもう原発で滅んでしまえばいいと思っているからです。同様に集団的自衛権の行使解禁による日米同盟の深化wwwwにも賛成です。自衛隊がアメリカの戦争に大々的におつきあいするようになれば、日本は中東から敵と認定されてしまうことは充分にありえます。こうして日本がイスラム原理主義組織のテロに狙われる国になれば、日本人の大多数が抱く「中韓以外はみーんな親日」という世界観が崩れるからです。またTPPにも賛成です。もし日本人の大多数が経済的社会的な不利益を被る破目になった時に経済マスコミが流布するであろう「こうなったのはTPP反対派が交渉参加を遅らせたせい」という論理を日本人が受容する様子を見て大爆笑したいからです。

「渡邊になぜ上智の件で殺人未遂罪が適用されなかったのかが分からない」という疑問を持つ人は多いと思います。自分もそう思いましたので取り調べの際に検事に聞いてみました。その時の回答をここに記したいと思います。

自分は硫化水素を発生させた蓋をした容器を上智大学の体育館の入り口に放置しました。警察の鑑識による鑑定で「反応が鈍い薬品を使っていたので硫化水素は実際には大した量は発生しない。また部屋が広くて拡散するので、死傷者の発生はありえない」という結論が出ました。つまり自分がやらかしたことで、人が死にようがないのです。ですから仮に自分に殺意があったとしても殺人未遂は適用できないとのことでした。検事は「仮に犯人が殺意を持って相手に毒薬を飲ませたとしよう。ところがその毒薬は塩だったとしたらどうだ?仮に犯人が殺意を持っていたとしても、塩を飲ませたという行為に殺人未遂は適用できない。それと同じだ」との例え話を自分にしました。

以下に今回の最終意見陳述の参考図書の一覧を公表します。マスコミの方々も何も分かっていない識者wwwwの頓痴気なコメントを取りに行く暇があるなら、この一覧の本の著者に話を聞きに行った方がいいかと思います。

〈参考図書一覧〉

加藤智大「解」批評社 2012

佐藤優「国家の罠」(文庫版)新潮社 2007

杉山登志郎「子ども虐待という第四の発達障害」 学研教育出版 2007

高橋和巳「消えたい」筑摩書房 2014

西澤哲「子ども虐待」講談社 2010

三浦展「下流社会」光文社 2005

安田浩一「ネットと愛国」講談社 2012

山田冒弘「希望格差社会」(文庫版)筑摩書房 2007

山本譲司「累犯障害者」新潮社 2006

2014年7月17日 威力業務妨害事件被告人 渡邊博史

P.S. しゃおるの皆様へ。しゃいにも無関係ではありませんよ。自分が一番好きだったカップリングはカイテムでした。

月刊『創』編集長

月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。

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