小規模保育園のメリット4つを現役保育士が力説「毎日が異年齢交流」「3歳で転園しなくてもOKに」
現役の保育士(幼保英検1級)です。
新入園・進級の時期を迎えると、保護者の方から非常に良く言われるのが「認可落ちちゃってとりあえず小規模保育園なんです」という言葉。
現役の保育士の立場から見ると「いやいや、それは誤解です。小規模保育園、めちゃくちゃ良いですよ」と思うのです。
今回は、小規模保育園に対する誤解について解説します。
園児が少ないので社会性が身につかないのでは
保育士と園児の関わり
小規模保育園における保育士の配置基準は、「中・大規模保育園の配置基準+1名」です。
参考:小規模保育事業等職員配置基準/福岡市
「1人1人と丁寧に関わるためにあと一人保育士がいたら」というのが中・大規模保育園に勤務する多くの保育士たちのジレンマです。
小規模保育園の場合は、中・大規模保育園と比較して保育士が1名多く配置されるため、園児1人に割ける時間が増えます。
園児同士の関わり
中・大規模保育園でも異年齢交流を行っていますが、限度があります。
異年齢の子どもたちを1つの保育室に集めて交流を促したいと思っても、園児数が多いので危険過ぎるのです。
園児数が少ない時間帯に限って、同室で異年齢の合同保育ができているのが現状です。
小規模保育園では全体の園児数は少ないながらも、常時異年齢交流できますね。
園庭がないので外遊びできないのでは
駅近など便利な場所にある一方、園庭がないという小規模保育園も多いですね。
一方、保育所設置基準では屋外遊戯場の設置が義務付けられており、小規模保育園も例外ではありません。
ただし、屋外遊戯場は公園や専用敷地などで代用可能となっています。
このため、小規模保育園の近くには公園など園庭に代わる場所があるはずです。
散歩しようとすると大掛かりな準備が必要になるため、園庭がある中・大規模保育園では、「外遊びはとりあえず園庭で」となる場合も多いです。
小規模保育園の場合は、少人数でコンパクトに散歩がしやすいですね。
公園に行く目的で散歩に行くことで長い距離を歩行する機会が得られます。
行事が盛り上がらないのでは
中・大規模保育園の運動会や発表会、大人数でにぎやかに大盛り上がりです。
保護者の方々も「楽しかった」「感動した」と感想を漏らしてくださいます。
一方、0歳・1歳児クラスの場合、本番は大人数を前にびっくりしている子も多いです。
保護者は喜んでくださる一方、小さなクラスの子のことを考えたら大規模な行事は不要かと思うことがあります。
小規模保育園の場合は、3歳児以上において友達と協働して発表を作り上げるという経験は積みにくく、保護者参加型の行事も少ないです。
一方、各行事をアットホームな雰囲気の中で行えるでしょう。
3歳で転園する必要がある?
現行の制度では、小規模保育園の場合、例外を除いて3歳児になると卒園となります。
「また保活をしなくてはいけない」「転園で環境が変わってしまう」などの不安がありますね。
一方、制度は変わりつつあります。
こども家庭庁は、市区町村に対し、小規模保育園でも満3歳以上の幼児を受け入れられるように通達。
小規模保育園では、3歳で転園しなくてはならないというデメリットはなくなる日も近そうです。
まとめ
小規模保育園に対する誤解について解説してきました。
3歳で転園しなくてはならないというデメリットはなくなりつつあり、今後、小規模保育園をあえて選ぶという方も増えそうですね。