【横須賀市】防衛大学校開校祭・4年生は最初で最後!圧巻の観閲式に感無量、棒倒しは1分38秒で勝利
横須賀の情報を発信!うみちゃんです。
能登半島地震発生から約2週間が経ちます。被災地の能登半島は地形的な特徴から交通アクセスが限られた災害対応が困難な地域ですが、発生直後から陸・海・空の自衛隊が現地入りしました。
過酷な状況での被災者支援に深く感謝いたします。
「国防」のために任務する自衛隊の皆さんに思いを馳せる時、第71回防衛大学校開校記念祭の圧巻の光景を思い出します。
この日は朝から冷たい雨が降り、11月にも関わらず気温は10度前後と寒い1日でした。
ピンと張り詰めた緊張感の中、風の音と正装をした学生の「ざっざっ」という足音だけが聞こえます。指揮刀、旗、銃を持つ手は微動だにしません。歩調と手の振りの高さまで揃っており、ただただ圧巻です。
第71回防衛大学校開校記念祭
防衛大学校(横須賀市走水)は「将来陸上・海上・航空各自衛隊の幹部自衛官となるべき者の教育訓練をつかさどるとともにそれらに必要な研究を行う防衛省の施設等機関」です。
昭和27年8月1日に保安庁の附属機関として保安大学校(現在の防衛大学校)が設置されました。
4年ぶりの一般公開
2023 年 11 月 11(土)、12(日)に第 71 回防衛大学校開校記念祭が開催されました。
コロナ感染拡大の影響で68回は記念行事に変更、69回は制約を受けながらの実施、70回は一部制約下の実施、今年は制限なしの開校記念祭が実現しました。第71回は「Reborn~新時代創世と継承~」がテーマです。
見どころが多くありますが、特に印象に残った3つをご紹介します。
観閲行進
儀仗隊(ドリル演技)
棒倒し
圧巻の観閲行進
午前中には止むという予報の雨は降り止まず、さらに冷たい風が吹き続けています。
観閲式の時間が近づいてきました。学生は隊列を組んで集合しています。
陸上競技場には多くの来場者が集まっています。
観閲式・記念行事は次の流れで行われました。
音楽隊入場
入場開始
観閲隊紹介
観閲隊指揮官入場
観閲隊指揮官に敬礼
来賓入場
来賓紹介
観閲官入場
観閲官に対し栄誉礼
国旗入場
国旗に敬礼
国歌吹奏
巡閲
観閲官式辞
観閲行進準備
祝賀飛行 CH-47、 P-1 ( F-15は悪天候のため、見えませんでした)
観閲行進
音楽隊の楽器の音色が広い競技場に響き渡ります。力強い演奏に多くの来場者が、「雨よ上がってくれ。雲が去り、太陽よ差してくれ」と願ったことでしょう。
「静」と「動」の美しさ
第1大隊から順番に入場してきます。乱れることなく、入場する姿が美しくて感動します。
総勢約1500名の学生が号令に合わせて瞬時に動きます。観閲式が終了するまで約1時間、しっかりと大地を踏み前を向いて、直立不動の姿勢を維持しています。
最後の観閲行進では学生隊本部を先頭に第1大隊、第2大隊、第3大隊、第4大隊の順に進んでいきます。
凛々しい学生の姿と統制の取れた行進に圧巻です。
関係者の方に伺うと、行進は大隊ごとに週に1回、全体で月1回、練習を行うとのこと。日頃の厳しい練習の賜物です。
最初で最後の行進
ご家族も多く来場しており、双眼鏡で隊列にいるお子さんを探している方もいらっしゃいました。
この日のために、地方から泊まりがけで横須賀に来られたというお母様は「息子が4年生です。最後の開校祭を見に来ることができてよかった。正装をして、行進している姿を見て涙が出ました。」と話していました。
儀仗隊によるドリル演技
ドリル演技とは銃を使った軍事教練(ドリル)を美しいフォーメーションを組み合わせて披露する「見せる演技」のことです。
軽快なドラムに合わせて、機敏に銃を下ろすときの「カチャ」という音が揃い、パフォーマンスに彩りを添えます。
持っている銃は約4.3kgもあるとのこと。まるでバトンのように軽々と回転させたり、上に投げてキャッチするなど、見るものの心を魅了します。
手を止めることなく、リズムを叩き続けているドラム担当者の技術にも感激しました。
勝負は2分間!棒倒し
防衛大学校と言えば「棒倒し」と思われる方も多いことでしょう。
棒倒しは旧海軍兵学校の伝統を受け継ぎ、防衛大学校創設以来、行われてきた伝統ある競技会です。攻撃・防御合わせて150名の対抗戦。
前日の予選を勝ち抜いた第2大隊(ブルーのユニフォーム)と第4大隊(オレンジのユニフォーム)の戦いです。
こちらは第4大隊のホーム側です。棒の先端に一人が登り、その周りその周りを取り囲んで守りを固めています。
合図と同時に相手チームが猛突進してきました。守っている人に飛びつき、棒から引き離そうとしています。
「わー」という歓声と各大隊の応援の声で一層盛り上がります。
白いユニフォームが見えなくなるくらいに、第2大隊の選手が覆い被さっています。他の選手を踏み台にして上がり、先端の選手を落とそうとしています。
みるみるうちに、棒が倒されました。棒周りの攻防だけでなく、守りから引き離された後に守りに戻ろうとする選手やそれを阻止しようとする選手など、白熱した試合に手に汗を握ります。
1分38秒の戦いでした。攻撃力の高さと気合に圧倒されました。
あるOBの方は「棒倒しの練習があり、柔道部の人に投げられて痛かった経験があります」と話していました。
日々の研鑽
生徒の皆さんは4年間の教育訓練を経て、将来は自衛隊の幹部自衛官になります。
ある学生さんは「九州出身です。国を守りたいので防衛大学校に入学しました。昔から自衛隊に憧れていました」と目を輝かせて話していました。
電車内や市内で防衛大学校の制服を見かけると「この学生さんも観閲行進の中にいらっしゃったのかな、お疲れ様でした」と心の中でエールを送っています。
全ては日々の研鑽の賜物。
防衛大学校の皆様、これからも応援しております。
当日の様子は公式YouTubeから見ることができます。
防衛大学校 広報チャンネル
YouTube(外部リンク)
令和5年度(第71回)開校記念祭 【記念式典・観閲式】LIVE配信
令和5年度(第71回)開校記念祭 【棒倒し競技会(決勝)】
※取材・記事作成にあたり、防衛大学校広報係にご協力をいただきました。心よりお礼を申し上げます。
防衛大学校
神奈川県横須賀市走水1丁目10番20号
TEL:046-841-3810(代表)
公式HP(外部リンク)
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防衛大学校儀仗隊
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