働く女性の4人に1人は流産を経験。私を励ましてくれたレインボーベビーのお話
全国労働組合総連合(全労連)が2016年に発表したアンケート調査結果では、「働く女性の4人に1人は流産を経験している」という。働いている、いないに関わらず、一般的に妊娠の15%前後が自然流産するとのデータもある。
全労連の発表では、回答者が何歳で流産を経験したのか、明らかにされていない。流産率は年齢別にみると35歳を過ぎる頃から増加し、35〜39歳では20%、40歳以上になると40%以上の妊娠が流産に終わるとされる(参考:日本産科婦人学会 日産婦誌52巻9号)。
特に妊娠初期の流産は、「染色体異常で起きるから防ぎようがない」と医師より説明を受けるケースがほとんどだ。
一概に働く女性に流産率が高いとは言えなさそうだが、「マタハラ」などの問題も根深くあり、働きながら妊娠する女性の労働環境がいいとは決して言えない。忙しい職場環境のなかで流産すれば、「仕事をしていたからではないか」と自分を責めてしまうことがある。
私も流産で自分を責めた経験のある一人だ。
私は35歳で結婚。その歳の半年間に2度の初期流産を経験した。2回とも稽留(けいりゅう)流産という、胎児が死亡しているのに子宮の中にとどまってしまう状態だった。自然と出血が始まり胎児が外に出てくると、進行流産という。
子宮の中にとどまってしまうため掻爬(そうは)手術である子宮内容除去術が必要になる。他のママさんたちが出産し、赤ちゃんの産声が聞こえる同じ病棟に入院し、何の生産性もない内容物を掻き出すだけの手術を受けるのは、精神的に辛かった。入院するこの期間が、罪悪感と喪失感と無力感をめいいっぱい感じさせる時間となった。
そんな時、友人から「産まれて来なかった赤ちゃんは、次の赤ちゃんのためにお腹のなかをいい環境にしてくれる役割をするから、決して意味のないことではない」と励まされたことがあった。もちろん、医学的根拠など何もない言葉だが、「意味のないことではない」と言ってもらえたことで、気持ちが救われた。
その後、欧米では「Rainbow baby」という言葉があることを知った。
流産や死産、または新生児や乳児のうちに亡くなってしまった赤ちゃんの後に生まれた赤ちゃんのことを「レインボーベビー」と呼ぶそう。
雨の後にかかる虹。小さい時に赤ちゃんを亡くしてしまったママ達の悲しみが雨に例えられ、そして希望や幸せを象徴する虹が、その後に授かった赤ちゃんという意味のよう。
レインボーベビーを授かったママへの詩を以下に紹介したい。
レインボーベビーのママへ
新しい命、おめでとう。
私は今あなたの気持ちがよく分かるわ。
新しく始まる生活を喜びたい気持ちと、短い人生を歩んだあなたの赤ちゃんのことを想い、どうしようもなく申し訳なくなる気持ちを持ち合わせているのよね。
大丈夫。恐れても。
大丈夫。一日一日、ゆっくりでも。
大丈夫。もし仮に、あなたがこれからの人生をまだ楽しめそうになくても。
あなたは、大切な赤ちゃんを亡くして、この世には“絶対がない”って学んだのよね。
でも、願ったり、計画を立てることをしてもいいのよ。
今あなたのお腹の中にいる赤ちゃんはそれを望んでいるはず。そして本当は、あなた自身も。
赤ちゃんを亡くした後って本当に怖いことだらけになるのよね。
流産した後の妊娠ほど、怖くて心が痛むことはないし、赤ちゃんを亡くした後ほど、普通にくしゃみをすることさえ申し訳ない気持ちになることなんてないわ。
ねぇ、だからあなた自身に、優しくしてあげて。
周りにいる人たちは、新しい命を授かったことで、当たり前のようにあなたの気持ちが晴れると思っているの。
あなたがまだ悲しみの気持ちも持ち合わせていることを理解できないのよ。
だからそんな人たちが言っていることは、無視していいわ。
娘が生まれた日は私の人生の中で、最も素晴らしい一日だったわ。
そして、娘を病院から家に連れて帰った日は、人生の中で一番忙しい日だった。
出産後のホルモンバランスの変化で私の感情はもうどうしようもなく不安定だったし、前の赤ちゃんのことを考えて全然出産後の準備が出来ていなかった家は、赤ちゃんを育てるには、もう不備だらけだったの。
娘が生まれてから6年半。
人生はいいものだって(より良くなりさえする)って学んだわ、たとえ大切なものを失ったとしても。
毎日少しずつ、深く呼吸ができるようになる。
毎日少しずつ、亡くした赤ちゃんと今お腹の中にいる赤ちゃん両方を、より深く愛せるようになる。
愛が悲しみをどこかに連れて行ってくれる日がくるまで…。
改めて、あなたの美しいレインボーベビーにおめでとう。
Dear Rainbow Mom,
Congratulations on your baby!
I know how hard it was to announce this baby, the complicated mix of jubilation and guilt.
You want to be excited about this new life, but you want to be respectful toward the life who is no longer here.
It’s okay to be afraid.
It’s okay to take it day-to-day.
It’s even okay if you’re not excited.
You’ve learned, in the worst possible way, that nothing in life is guaranteed.
But it’s also okay to have hope, and make plans.
Yes, the baby deserves that, but so do you.
(中略)
A baby after loss is scary.
There’s no such thing as a normal pregnancy pain after you’ve miscarried, no such thing as a normal sneeze after your baby has died.
Be kind to yourself.
(中略)
There will, of course, be people who assume that with the arrival of a new baby, you are “better.”
They won’t get why you’re “still sad.”
Ignore them.
The day Annabel was born was one of the best days of my life.
The day we brought her home was one of the hardest. My emotions, fueled by postpartum hormones, were all over the place, and I was completely unprepared.
(中略)
In the last six-and-a-half years, I’ve learned that life can still be good (even great) after unthinkable loss.
There was a time when I would have been horrified to even type that sentence but now I can write it knowing it’s true, although I’m still working through the associated guilt.
Every day, you will be able to breathe a little bit deeper.
Every day, you’ll love your babies all of them just a little bit more, until one day, that love overtakes the pain.
Congratulations on your beautiful rainbow.
出典: