【韓国の新型コロナ】危機再来で政府が緊急会見。行動制限緩和から23日目の再制限で“半歩逆戻り”に。
ここ1週間、再び新型コロナウィルス感染者が増加している韓国で「再度引き締め処置」が発表になった。5月6日の行動制限緩和から23日目にして「半歩逆戻り」となったかたちだ。
16時より政府の「中央災難安全他対策本部」が緊急会見を開催。感染者が増すソウル首都圏限定で以下の処置が取られることとなった。
【6月14日まで、首都圏限定で取られる主な処置】
・ソウル首都圏の全大衆施設の一時的営業中断を行政命令
・研修センター、美術館、博物館、公園などの再閉鎖。
・学生の多いネットカフェなど営業自制勧告
・2週間の外出・集会・行事自制勧告
・首都圏の企業、事業所に在宅勤務、時間差出勤勧告
・特に宗教施設では防疫原則遵守の勧告
・老人ホーム、医療機関の面会制限勧告
・首都圏の企業や宗教団体への移動制限努力の要請
5月25日にソウル郊外富川市で集団感染が発覚。27日には69人増、28日には一日で82人の感染者増となったことを受けてのこと。これは4月5日の「81人増」以来の水準だ。
会見に臨んだパク・ヌンフ保健福祉庁長官は、「この1~2週間がウイルス再拡散へのヤマ」とした。また度々27日、28日に始まった小中高校の一部学校再開について言及。「子どもたちの元気な姿を守りたい」とし、これを順調に続けていきたい姿勢を見せた。
緩和から23日めの「再制限」
会見時にはまた、今回の「制限発表」に関して2つの点を伝えるべく、苦心している様子が見えた。
・今回の処置が5月6日に発覚した「梨泰院クラブ集団感染」のみが直接的な理由ではないこと。この関連感染は累計で261人となっているが、昨日は2人増の状況に政府側は「いったんは落ち着いている」と判断。むしろそれ以外(富川市物流センターなど)で複数の集団感染が起きている点を考慮。
・5月6日から政府が宣言した「生活のなかの距離確保(行動制限第1段階)」を解き、「社会的距離確保(第2段階)」へと戻るものではない。
会見の質疑応答では「首都圏限定で第2段階へ戻るという意味ではないのか」「何が違うのか」という質問が複数飛んだ。
なぜなら、「第1段階」の基準は「一日の新規感染者が50人以下」と定められているからだ。28日0時時点の「79人増」はその基準を超えている。
パク長官は「あくまで第1段階と第2段階の中間の処置。この1~2週間でまた感染が広がるようであれば、再び第2段階に戻る」とした。
5月6日に制限を緩和して以来、23日めにしての「再制限」となった。5月26日からはバス、タクシーなどでマスクを着けていない乗客に対し、運転手が乗車拒否できるルールも定めるなど、「緩和と新たな規制」をセットにしてきたにもかかわらずだ。
韓国の新型コロナ対策が重要局面を迎えたこと、そしてこのウイルスの感染力の強さを実感させる事態となっている。