【独自調査】全国の最新人気マンションが判明。第1位はあの場所で“瞬間蒸発”した
2022年7月から9月に販売されたマンションで、全国トップクラスの人気となった物件は都心立地で、価格に割安感が感じられるものが目立った。
人気度で全国1位となったのはザ・パークハウス広尾。東京都渋谷区内で、東京メトロ日比谷線広尾駅から徒歩4分。有名な広尾ガーデンヒルズに近く、広尾商店街から1歩入った場所という便利さも備えるマンションだ。
その価格設定は、約43平米の1LDKから約122平米の3LDKで9200万円台から3億9000万円台。この場所としては価格が妥当と考えられたのだろう、後述する「人気指数」で驚くべき数値を出し、全22戸が極めて短期間に完売した。
驚異的な売れ行きを表す言葉として、2013年以降、私が使っている“瞬間蒸発”状態だった。
第2位は、パークホームズ本郷三丁目(東京都文京区)。こちらもJR山手線内側に位置し、バリバリの都心物件。といっても、価格には納得感がある。
パークホームズ本郷三丁目は43平米台の1LDKが6495万円からの設定で、71平米台の3LDKで1億2698万円。山手線内側としては妥当な価格水準で、それが高人気の理由だと考えられる。
続く第3位は、東京・大阪ではなく、北海道札幌市の物件。ブランズ円山裏参道テラスだ。札幌では、今年初めから札幌駅や狸小路に近く、地下街に直結した超高層マンションの注目度が高まっている。が、ブランズ円山裏参道テラスは、札幌中心地であっても、喧噪から一歩離れた住宅地域のマンション。以前から札幌の高級住宅ゾーンと認められていた円山エリア、それも高級な飲食店が集まる裏参道のマンションである。
その価格は、75平米台の3LDKが6580万円から……これも、「裏参道で、この価格なら」と納得できる設定である。
いずれも、立地のよさ、希少性の高さが共通する特徴。だから、世界情勢や経済の動きに不安を感じる人が多いなかでも注目を集めたと考えられる。
全国で195物件を「人気マンション」と認定
人気マンションは、11月21日、私のオフィシャルサイトで発表した全国新築マンション人気指数第3回で明らかになったものだ。
「マンション人気指数」は、全国の新築分譲マンションを対象に、2011年7月から調査を開始。毎年3〜4回公表し続けている私の独自調査データである。
今回調査では、今年7月から9月までの販売中マンションを対象に、資料請求数と販売センターへの来場者数を調べ、分譲戸数から「人気指数」を算出。指数「1」以上を「人気マンション」と認定している。その計算方法はオフィシャルサイトの記事中で説明させていただいたので、参照いただきたい。
マンション人気指数は、これまで経済誌や経済系サイトで発表してきた。調査開始から10年が経過した2021年から、そのリストを定期的に私のオフィシャルサイトで発表。今回調査では、販売中マンションで全国195物件が人気マンションとして認定された。
オフィシャルサイトでは全データを公開しているが、データ量が多いため、ここでは人気指数の高さで全国ベスト10の物件名・人気指数を以下の表にまとめた。
これまでの調査実績から、「人気指数」が5を超えると短期間に完売する可能性が高いと分かっている。実際、1位のザ・パークハウス広尾のほか、4位のザ・パークハウス自由が丘フロントが集計後に全戸完売となってしまった。
販売前のマンション人気が分かる指数も
それほど人気が高いマンションならば完売する前に知っておきたかった、という声に応えるため、2015年からは販売センターを開く前、サイト上の告知しかない時点のマンションを対象に「事前(販売開始前)人気指数」も公表している。
事前人気指数は資料請求数と販売戸数で算出するもので、指数「2」以上が人気物件の目安となる。
調査の結果、今回は全国で23物件が事前の高人気マンションと認定され、その表もオフィシャルサイトで公開している。
事前人気指数で最高値となったのはパークホームズ西小山(東京都品川区)で、事前人気指数は驚異的な「48.3」。第2位は、パークホームズ文京本駒込(東京都文京区)で、事前人気指数「32.7」。第3位は、パークタワー東中野グランドエア(東京都中野区)で、事前人気指数「17.6」となった。
首都圏以外では、大阪市内のローレルコート上本町五丁目(事前人気指数12.9)やプレミスト北谷アラハビーチThe TERRACE(同6.9)などが注目物件となる。
沖縄のプレミスト北谷アラハビーチThe TERRACEは、昨年北谷で販売されたプレミスト北谷 アラハビーチレジデンスの近くに建設され、事業主も同じ大和ハウス工業。北谷アラハビーチエリアのプレミスト物件第2弾と位置づけられる。
じつは昨年販売されたプレミスト北谷 アラハビーチレジデンスは、びっくりするくらい高額だった。北谷(ちゃたん)は那覇から車で1時間近くかかるのに、その販売価格は平均坪単価が300万円に達した。最高額住戸は約130平米で1億7000万円超!にもかかわらず短期間で完売したため、沖縄県民を驚かせたものである。
購入者は主に県外の富裕層。北谷には大型のヨットハーバーがあり、船で沖縄を訪れる全国の富裕層が競ってアラハビーチ近くのマンションを購入したのである。その第2弾も、価格が分かる前から注目度が高くなっていたわけだ。
ちなみに、11月19日から開始された第1期1次販売で明らかになった価格は、約50平米の2LDKが3398万円から。ビーチフロントではないため、プレミスト北谷アラハビーチThe TERRACEの価格は前回より抑えられている。抽選は間違いないだろう。
そんなミクロな物件事情も、マンション人気指数のデータから垣間見えてくるのである。