【琵琶湖は凄い】水位1センチメートル分は、なんと約68億リットル!独自の水位B.S.Lとは
関西人で琵琶湖を知らない方は、乳幼児を除けば「ほぼゼロ」といってよいでしょう。
なにせ琵琶湖が存在する滋賀県を含めて京都府・大阪府・兵庫県の2府2県で利用され、近畿地方に住む1,450万人の貴重な「水がめ」なのですから。
そのため琵琶湖の水位はとても重要であり「水がめ」として単に水を貯めればよいのではなく、洪水への対策もしっかり行われているのです。
琵琶湖の1センチメートル分は約68億リットル
琵琶湖の水位1センチメートル分は約68億リットルにも相当するため、数十センチ単位で変動すると大変です。
多くなるとダムからの放流で対応できますが、水位が少なくなると生活用水や工業用水、漁業への影響も深刻になります。
実際に2023年1月に起きた渇水では、水位がマイナス78センチメートルに達し、滋賀県は18年ぶりとなる渇水対策本部を設置しています。
マイナス78センチメートルとは約5,304億リットルとなり、オリンピックサイズプール(2,500,000リットル)の、約21万2,160杯分の水量です!
もう、イメージすらできないので「大変だぁ!」としか言いようがありませんね。
つまり、琵琶湖の水位は1センチメートル単位で、想像を絶する水量が変動していることが分かります。
琵琶湖の水位は季節によって調整されている
これは「独立行政法人水資源機構」が公開している令和5年度における、琵琶湖の水位を現したグラフですが、見て頂きたいのは水色の「B.S.L」の数値です。
実は琵琶湖の水位は台風シーズンが含まれる夏から秋にかけては、大雨による洪水に備えて基準水位よりマイナス20~30センチメートルに調整され、約1,360億リットル~2,040億リットルが減らされる計算になります。
琵琶湖自体の面積が670.4平方キロメートルありますし、琵琶湖に直接流れ込む一級河川は117本もあり、大雨が連続すると約2,000億リットルもの雨水が貯まるのは容易なのかもしれません。
一方で雨が少なくなる10月以降(非洪水期)では、プラス30センチメートルを上限に調整管理されています。
琵琶湖独自の水位「B.S.L」とは
ここまでで「琵琶湖の水位」と何度も言っていますが、水位のプラスマイナスはどうやって決めているのでしょう。
実は琵琶湖には独自の水面基準「B.S.L(Biwako Surface Level)」が設定されています。
これは琵琶湖にある次の5個所の水位観測所の水位の平均値を使用しているそうです。
- 片山
- 彦根
- 大溝
- 堅田
- 三保ヶ崎
B.S.L=0メートルは大阪城の天守閣と同じ高さ
B.S.L=0メートル地点は鳥居川水位観測所の零点高T.P(東京湾の平均海面)+84.371メートルであり、これは大阪城の天守閣の高さとほぼ同じ高さになるそうです。
関西の3か月予報(6~8月)降水量は平年並みか多い
昨日5月21日に大阪管区気象台から発表された関西の3か月予報(6~8月)では、降雨量は平年並みか多い予想です。
しかし、梅雨期は大雨に注意となっているため琵琶湖の水位調整は大変でしょう。
ただし、梅雨明けからは猛暑を警戒するよう呼びかけられているため、せっかく貯まった水も多く蒸発してしまいます。
猛暑に加えて琵琶湖が渇水してしまうと、1,450万人の生活に大きな影響が出てしまいます。
AIが進化している時代でも天気だけはコントロールできないため、何もないことを祈るしかありませんね。