【神戸市中央区】戦前に作られた「ガリバートンネル」はもう見納めか?
JR三ノ宮駅前にある地下への出入り口が駅ビル開発に伴いなくなってしまうかもしれないと話題になっています。じつはこの出入口は戦前に作られた歴史的な価値があるもの。それだけにこれからの動向が注目されています。
昭和8年頃作られた地下道からのA14番出口
今回話題になっている地下道への出口はA14番出口。ただ横から見た形状がドラえもんに出てくるひみつ道具のひとつの「ガリバートンネル」に似ていることから愛称として「ガリバートンネル」と呼ばれているようです。
先月発表になったJR 三ノ 宮新駅ビル開発の準備工事着手の詳細によるとこの出口を含めた範囲が開発準備エリアに該当しています。この開発によりこの「ガリバートンネル」もなくなってしまうのではないかと危惧されています。
この「ガリバートンネル」は調べてみると神戸そごうや阪神三宮駅ができた昭和8年(1933年)頃にできたものと言われています。ちなみに昭和8年の出来事をひもといてみると地下鉄御堂筋線の梅田-心斎橋間の開通や日本が国際連盟脱退をした年です。
昭和8年からこの階段をそれぞれの時代を背景に様々な人々が行き来してきました。ここは単なる地下へのの出入り口ではなく、戦前から存在しているという歴史が人々に深い想像を湧きたたせてくれる場所にもなりうるわけです。
住みやすい街の開発は必要です。使い勝手のよい街づくりはすべての人に住みやすさを提供できるでしょう。しかし歴史を培ってきた建造物は後世の人たちに計り知れない財産になるものであるということも事実です。
計画によればこのA14番出口が入るエリアの工事は2023年11月頃からの着手とのことです。今後この出口の扱いがどうなるかはわかりませんが、まずは今見られるうちにこの「ガリバートンネル」を見ておきたいものです。
JR三ノ宮駅 三宮周辺地下案内図(PDF)
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