「おい、イスラム国!」エジプト人イスラム教徒力士へのヤジと偏見差別とテロリズム
こんな行動こそが、むしろテロリストを生んでいるのだと、知って欲しいと思います。
■「おい、イスラム国!」“初のエジプト人力士”大砂嵐への心ない野次
初のエジプト人力士、大砂嵐。断食で昼間は食事をしなくても勝ってしまう大砂嵐。このイスラム教の習慣に関するニュースも、日本人には物珍しい習慣ですが、決して否定的なニュースではありませんでした。
日本人は、イスラム教の力士も歓迎しました。でも、「イスラム国」やイスラム過激派のニュースが流れる中、一部で差別的な言動が表れ始めています。
■人種、宗教への偏見、差別
偏見は、あるグループに所属しているだけで相手に対してもつ否定的イメージです。「イスラム国」の人はイスラム教ですが、大多数のイスラム教徒は平和的です。それなのに、イスラム教徒だからという理由だけで、心ないヤジを飛ばしたり、出て行けと言ったりするのは、偏見に基づく差別的行動です。
サッカーで、こんなことになったら、大騒ぎでしょう。
■イスラムとのつきあい方
テロリストは、疎外感から生まれます。自分たちの民族、宗教が、世界から尊敬されていないではないかという思いが、テロリズムを生みます。日本は、イスラム諸国とも上手につきあってきました。今回の人質殺害事件で、イスラムへの偏見差別が強くなれば、むしろそれは、テロリスト達の思うつぼです。
テロは、相手に恐怖心や萎縮や混乱や、過剰な復讐心をかき立てようとする「心の戦争」です。私達は、負けてはいけません。
「イスラム国」は、日本に対して敵対的な思いを持っているでしょう。でも、日本は世界のイスラム教徒に憎まれている訳ではありません。私達が、イスラム教徒を憎んではいけません。もちろん、多くの日本人はイスラム教徒を憎んだりしていないでしょう。
ごく一部の日本人がイスラムを嫌い侮辱し、またごく一部のイスラム教徒が日本を敵視する。それぞれごく一部なのですが、テロの悲劇が生まれるには十分です。
心の戦争に勝利しましょう。せっかく日本を愛し、日本に来てくれているイスラム教徒のみなさんと、今まで以上に良い関係を作りましょう。イスラム穏健派との友好関係こそ、イスラム過激派によるテロ防止につながります。
私はイスラム教徒ではありませんが、イスラム教徒とともに生きていけます。
「大砂嵐は大相撲への強い憧れから宗教の壁を乗り越えた人気力士だ。」「当初はどこの部屋にも断られたが唯一、大嶽部屋から「宗教は関係ない」と迎え入れられ、翌年に晴れて初土俵を踏んだ」(日刊サイゾー)。
みんなでテロに勝利しよう。