夏の暑さに水冷服!使って分かった良い所、悪い所
季節は夏。まだまだ暑い日が続きます。日中は強い直射日光と高温多湿の気候で外出を控える人も多いのではないでしょうか。
今年は特に暑さが厳しい中、外が現場の方は熱中症を避けるために日の出前から作業をする方もいるという話も聞きます。
今回はそういった外作業時の冷却道具として注目され始めている水冷服(水冷ジャケット)を使っていきたいと思います。
使ったのは山善の水冷服「ダイレクトクール」
■主な仕様
本体サイズ:ヨコ36cm×タテ42cm
重量:600g
適用サイズ:フリー (S-5L相当)
水冷服(水冷ジャケット)というジャンルですが見た目はリュックです。
水冷服をひっくり返すと黒いチューブが通っています。このチューブに冷水を流して体を冷やしていきます。
主に背中・肩・胸周りを冷やします。
水冷服の中にはタンクが内蔵されています。使用する際にはキャップを外してタンクの中に水と凍ったペットボトルを入れます。そしてその冷水を水冷服の内蔵された電動ポンプを使って循環させることで体を冷やす仕組みになっています。
このタンクにはペットボトル650mlまで対応しています。
収納はショルダーハーネス部分の左右に一つずつついています。ただし、片方は専用バッテリー用の収納となるので実質1つとなります。
収納のサイズ感としてはスマートフォンが一つ入ります。なのでさほど収納としては小さいです。
ポンプを動かすのは専用バッテリーになります。モバイルバッテリーとしても使用は可能です。バッテリーとしての機能と、ポンプを動かすコントローラーとしての役割を持っています。
■バッテリーの仕様
電池電圧:3.6V 電池容量:3350mAh
寸法:95×65×25mm
重量:約88g
●タイマーモード搭載(3種類)
・連続
・20秒作動/45秒停止
・20秒作動/1分30秒停止
バッテリーに関しては3350mAhです。ポンプを動かす分には十分な容量です。
連続モードで使用した際には約7時間ぐらい使えるので1日作業をする分には何とかなりそうです。
ちなみに充電用端子はmicroUSBとなっています。
実際に使ってみる
それでは使っていきます。使用するのは「凍ったペットボトル:500ml」と「冷水150ml」です。タンクの中にこの二つを入れます。
凍ったペットボトルはもちろんですが水は常温では無く、冷水がおススメです。
結局凍ったペットボトルで水を冷やすので水自体冷えていた方が最終的な冷却時間も長くなります。
ちなみに凍ったペットボトルだと冷却時間の目安は約2時間~3.5時間です。その時の気温だったり水の温度、自分の体温などに左右されるので目安程度に思ってください。
準備が出来たら背負います。冷えたチューブに接していないといけないのでバックルのベルトを調整して体に密着させるのがポイントです。
ちなみに装着時と外した直後の体の温度です。
チューブが通っていた肩・胸のあたりだけ青く24度まで冷えているのが分かります(写真右)
背中も似たような模様になっておりチューブが通っている面が青くなっています。
ベランダにて使用してみましたがチューブの通っている背中・肩・胸周りは冷たい感触があります。ポンプも動いているので温まることもなく常に冷たい感覚でいれるのがこの季節、うれしい所です。
使ってみて良かった所、悪かった所
ここから実際に使ってみて個人的に良かったなと感じた所とあともう少し。という2点について紹介します。
ピンポイントな製品なので良い・悪いがはっきりしているので参考にしてください。
良かった所
・扇風機には無い冷たい感覚
→冷水で直接体を冷やすので気温にも左右されず水が冷たい間は冷却効果が持続します。
・ファン付きウェアとは違う使い方
→水冷服は膨らまないしファンも無いので音はほとんど無い
特に冷却性能は非常に高く、暑い時でも体を冷やすことが出来るのでこの時期嬉しいです。
あともう少し(悪い所)
・凍ったペットボトルが必要
→準備が面倒、長時間作業で取り替えする際には数本用意する必要がある
・専用バッテリーで汎用性があまりない
→ポンプ稼働用としては良いがモバイルバッテリーとしては出力がUSB-Aのみで容量も3350mAhは少な目に感じる。充電口がmicroUSBというのもマイナス(USB-Cが理想)
・服がぬれる
→冷水をチューブに流し込むので外が暑い時にある程度の時間使うと結露して服が濡れる(そもそも汗で服が濡れているかもしれないが)
・長期で使わない時は乾燥させる
→水を扱う製品なので間が空く場合は乾燥させないといけないがちょっと面倒
・収納は少ない
そもそも外作業で使うような製品なので服が濡れているという前提かもしれませんが、上記の写真のように暑い時に冷たい水を流すと結露して服が濡れます。
細かい短所が色々とありますが長所を含めると目をつぶれるのかつぶれないのかで買うべきかどうかが判断できそうですね。
感想
今回ダイレクトクールを使ってみて良くも悪くも特化型なので万人受けの製品では無いかなと感じた半面、必要な人にとってはとてもうれしい製品かなと感じました。
特に合いそうなのは外である程度の時間作業をする人で、合わなさそうなのは通勤・通学時のチョイ使い(服が濡れるので)かなと感じました。
冷却性能はあるのですが、体の一部で私も36度の環境で使って冷たさは感じましたが汗は完全には止まりませんでした。過信も危険なので暑い時には適宜休憩など取って頂くのは従来通りかなと思いました。
まだ歴史の浅い製品なので今後もアップデートをし続けていく製品だと思いますが今の状態でも必要な人にとっては革新的な製品だと思いますのでもし近くで触る機会などあれば色々と確認して頂ければと思います。