円安トレンドが修正される可能性、いまさらながら感じる神田砲(為替介入)の凄まじさ
ドル円は7月3日に161円94銭まで戻した。しかし、162円近くでピークアウトした。
8月5日にドル円は一時、141円70銭を付けたが、これは日経平均が過去最大の下げ幅となるなどしたこともあり、一時的なものとなった。
その後、ドル円は150円近くまで戻したものの、米長期金利の低下とともにドル円も再び下落し、一時141円台を付けてきたのである。
ドル円は9月6日のニューヨーク市場で141円78銭を付け、8月5日につけた141円70銭が視野に入ってきた。
もしこの水準まで再び下落するとなるとチャート上からは、大きなトレンドが修正される可能性が出てきた。
今度はドル円の日足ではなく月足をみてみると、2021年1月の102円台から上昇基調となっている。それが7月3日に161円94銭を付けてピークアウトしたかたちとなった。
再び141円台を付けてきたこともあり、2021年からのドル円の上昇相場が終焉を迎える可能性がチャート上、出てきたのである。
ここには政府・日銀による為替介入による影響もあった。再度、7月以降のドル円の動きを確認してみたい。
7月11日のニューヨーク外国為替市場で、6月の米消費者物価指数の発表直後に急速に円安調整が起きて、ドル円は一時157円台半ばまで下落した。
7月12日にも一気にドル安・円高に振れる場面があり、2日続けての為替介入が行われた可能性が高い。
ここに米長期金利低下も重なっての円安修正の動きが強まった結果、大きなトレンドそのものが終了する可能性も出てきたのである。
私は為替介入で相場の向きを変えることは難しい、特に逆張りでの介入に効果はないと主張し続けてきた。しかし、今回はうまく米長期金利の低下に合わせる格好で介入を行った結果、トレンド修正まで促すような結果になったともいえるかもしれない。
いまさらながら、神田前財務官の介入、神田砲の凄まじさを感じた次第である。