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近未来の家電はこうなる?! (後編)

鴻池賢三オーディオ・ビジュアル&家電評論家
シャープ「新規事業分野の取り組みに関する説明会」にて。2014年6月5日筆者撮影

シャープ株式会社は、2014年6月5日、同社の研究拠点である天理工場にて、報道陣向けに「新規事業分野の取り組みに関する説明会」を開催。前編に引き続き、展示されていた新技術や展示品から、明日の家電、来年の家電、未来の家電を予想してみました。

たった3秒でお湯が出てくる「ホットウォーターサーバー」

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ありそうで無かった。あれば便利で、直ぐにでも登場しそうなのが、「ホットウォーターサーバー」。

ボタンを押すと、希望の温度で、希望の量のお湯が自動的に出てきます。

最近は電気ケトルが人気ですが、やはり数十秒は待たされますし、水を入れ過ぎて余ったお湯が無駄になったりすることも。

この「ホットウォーターサーバー」も、カップ一杯分のお湯が溜まるまでは十数秒かかりますが、操作から3秒程度で出始めるので、待たされる感がありません。何より無駄がない!筆者を含め、せっかちで倹約好きな関西系の方々にウケそうです。

なお、技術的には電熱ヒーターを用いているそうで、コーヒーメーカーと似た面もありますが、狙った温度に正確に調整できるのがミソだそう。コーヒーやお茶の旨みを引き出すのに重宝するのはもちろん、新たな用途も見つかりそうです。

侵入者を監視「ホームセキュリティーロボット」

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生き物風のユニークな外観で、報道陣の注目を集めていたのは、宅内や庭の見張りを行う「ホームセキュリティーロボット」。

不審者を発見するとュルーく追跡したり、写真を撮影して送ってくれます。

性能より外観の面白さで目立った感がありますが、操作は人との会話によるコミュニケーションで行う狙いがあるようで、平穏な生活とセキュリティーの共存には大切な要素かもしれません。宅内に武器を常備するのは物騒ですから・・・

まあ、せっかく庭に居るなら、見張りついでに、芝刈りとゴミ拾いもお願いできればありがたそうです。

今すぐ欲しい!「PM2.5モニター」

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明日にでも商品として登場しそうなのが「PM2.5モニター」。大気汚染が深刻な中国の需要を見込んだもので、大ヒットの予感。

名前は「PM2.5モニター」ですが、最近新たに話題になっているPM0.5も検知できるとのこと。

デモ機は手の平サイズのコンパクトさで、微粒子を噴霧してから反応までも素早く、実用性も充分に感じました。例えば、PM2.5を検出したら窓を閉める・・・ような使い方もできそうす。

微粒子は綿埃のように見えないので、こうした装置の需要は高そう。行く行くは、シャープが得意な空気清浄機などにも搭載されることでしょう。

スマホで農作物をチェック「食物品質チェッカー」

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スマホのカメラを利用して、植物の病気、果実の食べ頃、目に見えないキズが可視化できる・・・という技術展示。写真は、トマトのキズを実際に捉えてスマホ画面に表示している様子です。

熟練者でしか見分けられなかった違いが、スマホで簡単にチェックできると、若者の農業就労や効率化、趣味の畑など、強い味方になりそうです。

仕組みは秘密だそうですが、スマホのカメラに細工を加え、特殊な光を当てて撮影するとのこと。可視光以外の光(紫外線または赤外線)を利用しているのは間違いないようです。

スマホに搭載されれば、買い物時の品定めにも役立ちそう。八百屋さんには嫌がられそうですが・・・

家電なら、冷蔵庫に組み込んで、野菜や果物の食べ頃、傷み具合を教えてくれると便利そうです。

農業の味方「オゾン水生成器」

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水道水から、強い殺菌力を持ちつつ、残留しても体に悪影響のない安心な「オゾン水」を生成する装置。殺菌効果で植物の病気を抑えられ、農薬を減らせる効果もあるそうです。水遣りをオゾン水散布に切り替えるだけで良く、手間いらずの一石二鳥。

また、収穫後の作物を「オゾン水」で洗浄すると、鮮度維持やカビ防止にもなることが、実験結果で分かっているそうです。

オレンジ、グレープフルーツ、レモンなど、輸入柑橘類は防カビ剤の使用が気になるので、こららの代替にも期待が掛かります。

家電なら、やはり冷蔵庫に応用すると、鮮度維持やカビ防止効果はありがたそうです。そもそも、オゾン水で鮮度維持ができるなら、冷蔵庫で冷やす必要が無いのかも?! 野菜室に革命が起こるかもしれません。

さいごに

「家電の高機能化も行き着くところまで来た」、「もうこれ以上高機能は要らない」、などの声を聞きますが、今回の展示から、ちょっとした目の付け所や、基礎技術の新発明から、生活に役立ちそうな「革新家電」は無限に広がりそうに感じました。

既に、家電業界は、人々の健康に役立つ家電、寿命の延びによる高齢化を支える家電など、従来の生活を便利で楽しくにする家電とは違ったベクトルにも取り組んでいます。今後も、家電の進化から目が離せません!

オーディオ・ビジュアル&家電評論家

AV機器メーカーで商品企画職を務めた後、米シリコンバレーのマルチメディア向け半導体ベンチャー企業を経て独立。オーディオ・ビジュアル評論家として専門誌などで執筆活動を行うほか、エレクトロニクス 技術トレンドに精通し生活家電を含むホームエレクトロニクス、ネットワーク家電、スマート家電の評価、製品の選び方、賢い使い方、および未来予想をメディアを通じて発信中。NHKほかテレビ出演も多数。ビジュアルグランプリ(VGP)審査副委員長/米ISF認証ビデオエンジニア/米THX認証ホームシアターデザイナー/一般財団法人家電製品協会認定家電製品総合アドバイザー/甲種防火管理者

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