捨てられない!モバイルバッテリー。どうする??
出先でもスマートフォンなどの充電ができるモバイルバッテリー。外出する機会も徐々に増え、多くの方が利用されていることでしょう。
しかし、ここで問題が。利用する機会増えれば、当然、寿命が尽きた製品を廃棄する頻度も高まるものの、気軽に「捨てられない」ことです。正確に言えば、一般的に公共のゴミ収集では、回収不可とされています。
理由は、危険なため。モバイルバッテリーの内部には、「リチウムイオン」や「リチウムポリマー」といった充放電可能な二次電池が入っています。こうした希少金属である「リチウム」を使用したバッテリーは、小さな容積でたくさんの電力を蓄えることができるので重宝な反面、エネルギーの塊とも言え、危険と隣り合わせ。正しく使えば安全で便利ですが、扱い方を誤ると発熱や火災に繋がるので注意が必要なのです。
NITE(ナイト/独立行政法人製品評価技術基盤機構)でも、バッテリーが通常ゴミとして捨てられると、ごみ収集車で火災事故に繋がる可能性を示し、各自治体の指示に従った安全な廃棄を呼び掛けています。
リンク: NITE モバイルバッテリー「2.ごみ収集車で発火・破裂」(検証映像あり)
■実質「捨てられない」のがルール
ここで悩ましいのが「各自治体の指示」です。各自治体のホームページなどで案内がありますが、せっかく該当のページにたどり着いても、自治体では収集を行わず、「電気器具店等の販売店又はリサイクル協力店にお問合せのうえ、設置されている回収箱へ入れるなど、リサイクルにご協力ください。」のような記載が多く見受けられます。
つまり、モバイルバッテリーの廃棄ルールは時間をかけて調べても明確な答えが出ず、「リサイクルに出す」方向で検討するのが合理的と言えるでしょう。
■JBRC加盟メーカー品は「小型充電式電池リサイクルBOX」へ
JBRCは、小型充電式電池のリサイクル活動を推進するため、製造メーカーが会員となって運営され、家電量販店や公共施設などに「小型充電式電池リサイクルBOX」を設置しています。
JBRCの会員企業および、「小型充電式電池リサイクルBOX」の設置場所については、JBRCサイトの「『協力店・協力自治体』検索」で確実に知ることができます。これなら安心ですね。
■JBRC加盟メーカー以外の製品はどうすれば良い?
悩ましいですが「各自治体の指示」を調べるほかありません。しかし、先述のように答えが出るかどうかは分かりません。
使用だけでなくルールに沿った廃棄(リサイクル)も考えれば、JBRC加盟メーカーの製品を購入するのが合理的と言えるでしょう。
■ノベルティなどで貰ったモバイルバッテリーは?
最近は、ノベルティや記念品としてモバイルバッテリーを貰うケースがあります。筆者も、Yahoo!ニュースのオーサーとして、写真のようなロゴ入りのモバイルバッテリーをお贈り頂きました。
製品の側面には、製造者名として「(株)トレードワークス」が明記されていたので、JBRCのサイトを検索すると、JBRCの会員企業であることが分かりました。これなら廃棄(リサイクル)も安心です。
企業がノベルティとして調達する際も、個人間でプレゼントとして贈る際も、モバイルバッテリーに関しては、JBRC会員企業の製品であるか否かを確認するようにしたいものです。
■安全にリサイクルに出す
「小型充電式電池リサイクルBOX」の利用を前提としても、家庭で保管している間、また、回収ボックス内での発熱や火災事故を予防するため、可能であれば、バッテリーを使い切った状態にしておきましょう。内部に蓄えられている電気エネルギーが小さいと、危険性も低減します。また、給電端子部にテープなどを貼って異物が入らないようにしておくと、ショートの可能性も低減することができ、より安心です。
■さいごに
モバイルバッテリーはエネルギーの塊とも言える危険物と考え、普段からの扱いや廃棄時はくれぐれもご注意を。充電池を内蔵したスマートフォン、パソコン、イヤホンなども同様です。廃棄方法が分からないからと、ゴミとして捨てたり置き去りにしたりすると、他の人に危険や迷惑が及ぶ可能性があることに留意したいものです。
モバイルバッテリーに限らず、充電池は今やモバイル生活に欠かせないモノ。正しく活用して、安心かつ快適で豊かな生活を送りたいものです。