551の豚まん 究極の電子レンジ温め術
関西ではソウルフードの一つとして長年にわたり圧倒的な支持を得てきた「551 HORAI」の「豚饅」。(通称: ホーライの豚まん)
最近では大阪土産として全国に知られるようになりました。しかし、通常は持ち帰りで、関西人でも「できたてのホヤホヤ」が食べられるチャンスは少ないもの。さらに土産となると冷めきってしまうのは不可避です。温かくて美味しい豚まんが食べたい!
そこで今回は、大阪在住55年で幼少期から日常的に「豚まんのある日!」を送り、電子レンジの原理も知り尽くした家電の専門家である筆者が、試行錯誤を繰り返して辿り着いた究極とも言える「電子レンジ温め術」をご紹介します。
電子レンジの原理から見た「豚まんチン」の難易度
「豚まんの温め方」をネットで検索すると、たくさんの情報が出てきます。電子レンジでの加熱が難しく、また、より美味しく食べたいと願っている方は多いようです。なぜ豚まんはご飯のように無難に温めができないのか? それは豚まん特有の構造に因ります。
まずは電子レンジが食品を温める原理について簡単におさらいしておきましょう。電子レンジはマイクロウェーブ(電磁波)を用い、食材に含まれる水分を振動させ、その摩擦で発熱します。オーブンや蒸し器のように外側から加熱するのではなく、食材の中の水分が発熱するのがポイントです。豚まんの場合、外側のかわ(白い部分)の水分量と中の具材の水分量が異なるため、電子レンジで加熱すると温度ムラが生じがちという訳です。
特に「551蓬莱」の豚まんの場合、かわ(白い部分)がフカフカではなく、少しモチっとしていて表面も硬めのため、中の具材とかわの表面が温まり易く、かわの部分をいい感じに温めるのが難しいものです。
筆者が辿り着いた究極の「温め方」
結論から言うと、豚まんをしっかりと水に潜らせ、軽く水を切ったあと、深めの茶碗にひっくり返した状態にし、ラップをかける。加熱時間は600Wの場合で約1分。
ポイントですが、水に潜らせることで表面に水分が付き、乾燥を防ぎつつ電子レンジ加熱の助けにもなります。ひっくり返すのは、ラップが豚まんの表面に触れないようにするため。ラップの耐熱温度は140度程度と水の沸騰温度に対しては余裕がありますが、油分を含んだ食品を電子レンジ加熱すると耐熱温度を超えてしまう可能性があるので、安心を考えての事です。また、豚まん全体をラップで包むより、茶碗の口にラップを張る方が、ラップの使用量が少なくて済むはずです。
フカフカさを最優先するならば、蒸し器(電子レンジ用も有り)の利用も一案ですが、「家に有るモノ」で「簡単に素早く」という観点を加えて辿り着いたのが、今回ご紹介した方法という訳です。
電子レンジに応じた「ムラ対策」でさらに上を目指そう!
電子レンジは進化していますが、ハイエンドモデルでも温めムラは少なからず生じます。対策としては、加熱中に一時中断し、食材を置く位置や向きを変えるのが有効です。
ほか、電子レンジの特性として、電磁波を吸収する食材の量が増えると、加熱時間も長くする必要があります。「551蓬莱」の豚まんの場合「1コ/600W/1分」が目安とされていますので、2個同時に温める場合は1.5分~2分弱を目安に。実際には、製品や庫内のムラが影響しますので、一概に計算できませんが、鍋釜で蒸す時とは異なるということが理解できていれば、より良い加熱、美味しい仕上がりに繋がるでしょう。
ほか、電子レンジ内でマイクロウェーブを発生するマグネトロンは徐々に劣化し、温めパワーも下がります。加熱時間は、お使いの電子レンジの状態と、好みに合わせて調整し、上手くできたらメモしておくと良いでしょう。(くれぐれも温め過ぎにはご注意を。食材が変質したり発火に繋がることもあります。また、外側よりも中身の具材が熱いなど、思わぬヤケドにもご注意を!)
さいごに
「551 HORAI」の公式サイトでは「おいしい食べ方」として、電子レンジによる温め方が紹介されています。また、「豚饅」は人気商品だけに、各所から様々な「美味しい温め方」に関する情報が出ていますので、併せてご参考に。この記事もその一環としてご参考になれば幸いです。
次回は、同じく大阪のデパ地下グルメ定番「御座候」(回転焼)の温め方をご紹介したいと思いますので、お楽しみに!