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ウクライナ軍、AI技術で敵軍を判別してリモートから発砲できる戦闘モジュールを開発・試験動画を公開

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

2023年10月にウクライナ軍が開発しているAI(人工知能)技術を搭載し、AI技術で敵軍を判別してリモートから発砲を行うことができる戦闘モジュールのフィールド試験動画が公開された。

公開された動画では戦闘モジュールを地面に置いたり、自動車の後部に設置して攻撃(発砲)を行っている。発砲はリモートから行っているので、自動車の後部に兵士が乗って銃を発砲する必要はないので、運転手だけで良い。またAI技術による敵軍の検知と判別を行っている様子も紹介されている。AI技術によって素早い敵軍の検知と精確な攻撃(発砲)が特徴の1つ。

今回、ウクライナ軍が開発した戦闘モジュールはAI技術が搭載されており、敵軍の検知はAI技術が行っているが攻撃(発砲)の判断は遠隔地にいる人間の兵士が行っているようだ。

AI技術を搭載した兵器で、人間の兵士でなくAIが判断して敵を認識したら攻撃を行う「キラーロボット」と称される自律型殺傷兵器(lethal Autonomous Weapons Systems:LAWS)が登場しようとしている。人間の判断を介さないで攻撃を行い敵軍の兵士を殺傷することが非倫理的、非道徳的であることからNGOや一部の国がLAWSの開発と使用には反対している。

だが人間の兵士が判断しても誤った判断を行ってしまうこともあるし、誤った攻撃を行ってしまうこともある。また人間の兵士の方が感情があるので敵軍に対する恨みや怒りが強いと戦場では残虐な行為を行うことが多い。

▼ウクライナ軍が開発したAI技術で敵軍を認識してリモートで攻撃ができる戦闘モジュールのフィールド試験の動画

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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