北海道江別市、「大学生暴行死」事件 現場最寄りの「大麻駅」は、なぜ「大麻」と名付けられたのか?
北海道の札幌駅から岩見沢方面の普通列車で15分ほどの距離に位置する江別市の「大麻駅」。漢字のインパクトが強い駅名であるが、これは「大麻」と書いて「おおあさ」と読む。駅名は付近の地名が大麻であることから名付けられた。2024年11月26日に発生した北海道江別市で発生した大学生暴行死事件の被害者が大麻駅を利用していたこと、さらに現場がこの大麻駅近くの公園であったことから、江別市と大麻駅の名称が連日報道される事態となった。この江別市の「大麻」という地名であるが、いったいなぜこのような地名となったのか。
北海道江別市の大麻地区は、明治時代に北海道開拓が本格化するまでは、長らく太古の昔からの原生林が維持されていたが、その後、この地に入植した農民によって原生林は徐々に開拓され、畑作地帯となっていった。戦後の高度成長時代を迎えた1964年頃には道営大麻団地が建設されるとともに、札幌市のベッドタウンとして大規模な開発が始まり、1966年には国鉄(現JR)大麻駅も開業した。周辺には札幌学院大学や北翔大学、酪農学園大学も立地している。
江別市の大麻地区一帯は、明治時代に開拓民の入植が始まった当時は、「大曲」「麻畑」「樹林地」という3つの地名に分かれていた。その後、1935(昭和10)年に行われた字名改正でこれらの3つの地名が統合されることになるが、これら3つの名称を代表する地名をどうするのか議論が紛糾したことから、最終的に「大曲」と「麻畑」から1文字ずつ引用して「大麻(おおあさ)」と称するようになった。
現在、大麻駅を降りると周辺には閑静な住宅地が広がっており、駅前ロータリーが整備されている北口前にはスーパーマーケットが入居した大型マンションが立地しており、国道12号線に面した南口は各大学への最寄りの出口となっていることから大学生の利用も多い。連日報道されている大学生暴行死事件が発生した文京台南町公園は、大麻駅南口から徒歩10分ほどの場所に位置しており、現場には花束が添えられていた。
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