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【河内長野市】秘境・石見川地区で古民家体験!草庵・蕨さんで、囲炉裏での食事と宿泊をしてきました。

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

大阪市や堺市といった政令指定都市のような都会から見ると、山の近くにあるのんびりした町の印象のある河内長野ですが、実際に市内に住んでいると日常のことなので、あまり気にすることはありません。

しかし、同じ河内長野市内でも南東にある石見川地区に行くと事情が異なります。バス路線が廃止になってしまい、ますます山深い秘境ともいえる場所。ここに来れば、住宅地に住む河内長野市民が普段感じられないような自然を存分に体験できます。

そんな石見川には、古民家を丸々借り切って宿泊できる、草庵・蕨(わらび)さんがあります。さて、どんなところなのか実際に泊まってみることにしました。

長野商店街の平尾商店さん
長野商店街の平尾商店さん

蕨さんは民泊なので、事前にいくつか用意するものがあります。パジャマなどの寝巻や洗面道具、それから宿泊時に食べるものを持参する必要があります。

場所の石見川地区は行者湧水直売所以外、商店がないので、車で行くとしても事前に食料を調達しておかなければなりません。

蕨さんでは、囲炉裏での鍋や焼物、外のテラス席でBBQができます。今回はせっかくなので囲炉裏を使った料理ということで、魚を調達することに。

河内長野駅前長野商店街にある平尾商店さんで相談し、旬のお魚、焼き用のアユや鍋用のコチ(鯒)などの魚や、初物なのに格安だった松茸などを買いました。もちろん平尾商店さんは、料理に合わせてお魚の下処理もしてくださいました。

公共交通派の私は河内長野駅前から金剛山ロープウェイ行きのバスに乗り、小深バス停で降ります。そこから石見川まで、1時間くらいかけて歩いて登ります。今年の3月まではバス路線が石見川までありましたが、廃線になった以上仕方がありませんね。

小深バス停の時点で、下界(河内長野駅前)と比べて5度前後、気温が低いです。それでもこの日、昼間は摂氏30度はありました。

ここからは奈良県の五條市につながる国道310号線を石見川目指して歩きます。

小深から石見川までの、ほぼ3分の2くらいの場所にある行者湧水直売所です。あまり歩いて石見川を目指す人も珍しいのかもしれませんが、ここは途中で休憩するのにちょうどよい場所。いつもハンドドリップで淹れてくれるコーヒー(180円)をいただきます。

この日は暑いのでアイスコーヒーをいただきました。また、夜に食べるための野菜も、いくつか購入しました。

やがて石見川の集落が見えてきました。

蕨さんの看板が見えてきました。ここから左手の上がる道に入ります。ちなみにまっすぐ国道沿いに歩くと、大阪源流水の杜さんがすぐ目の前です。

道を曲がったところには動物の形をした車と、トーマスらしい機関車が置いてあるので、良い目印になっています。ただ後で蕨の宿主さんに聞いたところ、持ち主の方が別にいて、そのまま置いている物なのだそうです。

舗装された道を少し登って行くと左手に細い道があり、蕨さんへの道しるべの看板があります。

ちなみに舗装された道をまっすぐ行くと、蕨さんの駐車場があります。宿主さんによれば3台は余裕で停められるとのこと。

左手の細い道を歩きます。宿主さんによれば、この道は国道ができるまで、五條と河内長野方面を結んでいた街道だったそうです。

さて蕨さんの建物が見えてきました。

こちらが入り口です。木の引き戸を開けると、玄関で宿主さんが待っていてくれました。

草庵・蕨さんは民泊という位置づけです。

これは帰りに撮影したものです。黒い屋根の建物(古民家)で1泊します。蕨さんは古民家を借りるスタイルで、料金は次の通りです。

  • 1泊4名まで22,000円(5人目からはひとり5,500円)
  • 日帰り4名までは11,000円(5人目からはひとり2,200円)

グループで利用すれば非常にお得です。

草案・蕨の宿主さん
草案・蕨の宿主さん

宿主さんが温かく出迎えてくださいました。お話をお伺いすると、宿主さんとしては2代目なのだそうで、約20年ほど前に初代から譲り受けたそうです。

ドアを開けると古民家らしい空間が広がっています。

額に掲げられている書を眺めてみても歴史を感じます。宿主さんの話では大正時代に建てられた古民家で、築1世紀を超えているそうです。

奥には座布団や布団が置いてある部屋があります。合計3部屋を宿泊者が自由にできるとのこと。

3番目の部屋がこちら、ちゃぶ台が置いてありますね。

古民家の随所に、野の花や木の枝が美しく活けてありました。話しを聞くと、宿主さんは、自然の花や樹木を使うことをモットーとする吉野の生け花の先生のところまで、習いに通っていたそうです。

古民家にはエアコンが無く扇風機だけです。この猛暑の中、少し心配しましたが、まったく暑く無く、問題なく涼しく過ごすことができました。

3番目の部屋から厨房が見えます。手前にあるのが囲炉裏です。

こちらが囲炉裏の部屋。夜はここで食事をします。

宿主さんからウェルカムの冷たい麦茶とフルーツをいただきました。宿主さんは調理師の資格と経験をお持ちで、一時期はここで料理を提供することも検討していたそうです。

そのためか厨房が広く、しかも非常に使いやすいレイアウトになっています。

料理教室なども出来そうな、豊富な厨房道具と食器の数々。

分別用のごみ箱ですが、白い生ごみはそのまま庭の畑の肥料になります。

また大型の冷蔵庫もあります。当然宿泊となればお酒やジュースなども持ち込むと思いますが、そういうものはすべて冷蔵庫に入れて冷やしておけます。もちろん氷もたっぷり。

玄関とは反対側に洋室があります。ここは宿主さんの事務室です。

ちなみに宿主さんは福井県生まれで、大阪市内や奈良の五條市で働いた後、石見川の古民家の宿主として、草案・蕨を先代から引き継ぎました。

洋室の奥に浴室、トイレ、洗面所があります。

こちらが浴室です。追い炊き機能も付いているので、いつでも入れます。なおトイレについてはいわゆる汲み取り式ですが、驚いたことに嫌な臭いがまったくなく、インテリアにも凝っていて、とても使いやすいものでした。

こちらは先代の宿主さんが書いたという、蕨さん周辺の絵地図です。

日が暮れる前に、宿主さんに夏の水遊びができるおすすめスポットを案内してもらいました。最初のスポットは、林道の中を歩き、滝を目指します。

沢に降りる所は急で、ロープで上り下りする必要があります。宿主さんがロープを持って安全に降りれるように準備してくれます。

ということで沢まで降りてきました。本当はこの先の滝のところがいちばん良いのですが、そうなると川の中に入る必要があります。行かれる際には長靴を用意されるとよいでしょう。

宿主さんに撮影してもらった滝
宿主さんに撮影してもらった滝

というわけで私は滝の前までは行けなかったので、宿主さんに撮影してもらいました。

また、宿主さんが以前に撮影した動画もお借りしました。

石見川地区はどこの水も本当にきれいですが、この場所の水も本当に澄んでいました。

川の横には美しい花も咲いています。

もうひとつの水遊びポイントは、先ほどのスポットと比べて蕨さんに比較的近い場所にあります。

ここは石見川の本流です。沢から映し出される様子も綺麗ですね。

非常に浅い川なので、子供の水遊びもできそうですね。ただ少し先の下流側に行くと、急な段差のところがあったので注意しましょう。

また近くでは、近所の方が羊を飼われていました。

これについては確約できませんが、運が良ければ出会えるかもしれません。

今紹介した水遊びが楽しめる場所は、林道の奥などにあるので、単独では行かずに、必ず宿主さんに相談して案内してもらいましょう。

さて、蕨さんの敷地に戻りました。古民家の外は庭になっていますが、そこにBBQができる場所があります。

囲炉裏では肉汁の関係で肉を焼くことはできないので、肉を食べたいときはこちらでいただきましょう。

畑にはトマトなどが栽培されています。宿主さんに一言声をかければ、これらの野菜もいただけます。

こちらのトマト実際にいただきましたが、今年日本一になった富田林のASAOKAさんのトマトの味に近いと言えるくらい、とても美味しいものでした。

こちらはリーフレタスです。このほかにもネギやミョウガ、なすなど、いろいろな野菜がありました。

いろいろ案内していただくと、そろそろ夕暮れ時に。母屋の古民家に戻ります。

石見川から見る夕暮れは、同じ河内長野市内とは思えないほどファンタジック。国道が接しているのに、想像以上に静かな場所でもありました。

さて、夜ごはんです。平尾商店さんで買ってきた魚と、先ほど庭で採ったレタス、それから行者湧水直売所で販売していたシカクマメなどを使って鍋と焼物にしました。

宿主さんが火おこしをしてくれました。炭をこうやって点火するそうです。

こちらは鍋の材料です。コチ(鯒)は、骨が多く捌くのが大変と、平尾商店の人が言っておられました。

こちらは夏の魚、ハモ(鱧)を湯引きしたものです。

ハマグリ(蛤)とアユ(鮎)です。アユに下味をつけ、棒に刺して囲炉裏で焼きます。

囲炉裏に炭が入りました。

こうしてアユを串に刺して焼きます。まさしく囲炉裏の風景ですね。

ある程度火を通した鍋、こちらも囲炉裏にひっかけます。

鍋を上からつるして食べるというのもなかなか機会がありません。古民家での宿泊ならではですね。

ノバティながの地下にある酒蔵にしおかさんで購入した日本酒
ノバティながの地下にある酒蔵にしおかさんで購入した日本酒

本来なら、河内長野の天野酒さんなのですが、それはいつも飲んでいるので、今回は奈良のお酒に浮気しました。

気が付けばアユが焼きあがってきました。実際に味わいましたが、外はカリカリ中はサクサクで、遠赤外線効果による旨味が増幅したようです。内臓についてもまったく臭みが無く、気が付けば骨も含めてすべていただきました。

こちらは鍋です。あえてスープに味をつけず、いろいろ持ってきた調味料で自分で好きに味をつけました。特に野菜は採れたての地物が多いので、シンプルに塩でいただきました。

鍋が終わった後は第二弾として焼き物をいただきました。ハマグリのほか、格安で手に入れた松茸も焼いていきます。

ハマグリやナスもおいしかったのですが、焼き松茸は最高でした。

食事を終えてから庭に出ました。外でBBQをすると、こういう風景で食事をすることになります。

星空を期待しましたが、残念ながら雲ができててしまい、満天の星空とはいきません。それでもわずかに星が見られました。

というわけで、少し早目に眠ることにします。

翌日の朝、すがすがしい目覚めを迎えました。網戸があるので、虫はまったく気になりませんでした。

庭に出てみました。夏らしく風鈴の音がときおり風に反応して鳴っていました。

ちなみにこちらが朝食です。少しだけ白米も持ってきていたので、炊飯器で炊きました。横にある汁物は昨日の鍋の残りを使って、庭のトマトを入れた澄まし汁です。こういったシンプルな朝ごはん、古民家の朝にぴったりな気がして、とても美味しかったです。

鉄瓶で入れるお茶も、とてもさわやか。

ということで蕨さんで1泊しました。山に囲まれた田舎で過ごした一晩は、心地よく過ごすことができました。

また昨今は古民家で生活したいと考える人も増えてきましたが、古民家はDIYをはじめ取得してからの方が大変なことが多いようです。その場合、まずは蕨さんで実際に古民家の宿泊体験してみるのも一考かと思いました。

またコロナ渦でなかなか旅行にも行きにくい今、家族などの安心できるメンバーで古民家を借り切って楽しむのは、とても良い選択なのではないでしょうか。

草庵・蕨(わらび)(外部リンク)
住所:大阪府河内長野市石見川320
電話:0721-62-4648
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス 小深バス停から徒歩1時間弱
※河内長野の中心部から車で2・30分程度

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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