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都市型洪水に備える。豪雨の日には風呂の水を流さない

橋本淳司水ジャーナリスト。アクアスフィア・水教育研究所代表
筆者作成

 気象庁によると、6月17日から18日かけて、広い範囲で大雨が降る予想です。

 自然のなかでは、雨水は地面に吸い込まれたり、地表面を流れたりしながら、川にたどりつきます。

 都市では、コンクリートやアスファルトで地面が覆われているので、雨水は地面に吸い込まれません。雨は排水溝に入り、下水道を通って川に流れていきます。しかし、短時間に大量の雨が降ると、排水することができなくなります。

 こうした都市型の水害は、まわりと比べて標高が低い場所、水の集まりやすい鉢の底のような場所、護岸がコンクリートで固められた中小河川がまわりにある場所で発生しやすいという特徴があります。

 また、都市には地下街、地下鉄、地下駐車場、アンダーパス(道路や線路などをくぐり抜ける地下道路)などが多いため逃げ遅れると命を落とす危険もあります。

 また、高層マンションで電気施設が水没してしまい、エレベーターが停止するなど、電気が使えなくなることもあります。都市で水害が発生すると、経済的に大きな打撃を受けるばかりでなく、ごみの発生や病原菌の拡散など衛生面の問題につながることもあります。

 都市型の水害で注意することをまとめます。

・人は浸水20cmで歩くことが困難になる。

・浸水によって建物に閉じ込められることもある。浸水40cmになると成人男性でも建物内の扉が開けられなくなる。

・天気予報で、豪雨が予想される場合、なるべく地下街へ行かないこと。避難する時間がない場合は、頑丈な建物の高い階に避難する。

・自動車での移動も動きがとれなくなる。水圧でドアが開かなくなることがある。

豪雨時に風呂の水を流さない。下水道に流れる水の量を増やすことになります。下水道の負担を減らすためにも、風呂の水は雨が降ってからしばらくたってから流しましょう。そのほかにも豪雨時にあまり水を使わないことを心がけましょう。

水ジャーナリスト。アクアスフィア・水教育研究所代表

水問題やその解決方法を調査し、情報発信を行う。また、学校、自治体、企業などと連携し、水をテーマにした探究的な学びを行う。社会課題の解決に貢献した書き手として「Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2019」受賞。現在、武蔵野大学客員教授、東京財団政策研究所「未来の水ビジョン」プログラム研究主幹、NPO法人地域水道支援センター理事。著書に『水辺のワンダー〜世界を歩いて未来を考えた』(文研出版)、『水道民営化で水はどうなる』(岩波書店)、『67億人の水』(日本経済新聞出版社)、『日本の地下水が危ない』(幻冬舎新書)、『100年後の水を守る〜水ジャーナリストの20年』(文研出版)などがある。

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