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【河内長野市】奥河内のクラフトビール「金剛山ビール」が完成1周年!河内長野との深いかかわりを再確認

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

1994(平成6)年4月、日本でビールの小規模醸造が解禁され、地ビールブームが起きました。一時的に下火にはなりましたが、そこからクラフトビールとして、愛好家の支持を受けながらよみがえります。

今では、全国各地で大手メーカーとは一線を画したオリジナルビールが醸造されています。

黄色いラベルが新製品の村みかんで、その隣が従来の金剛山ビール
黄色いラベルが新製品の村みかんで、その隣が従来の金剛山ビール

そんなクラフトビールですが、奥河内地域でも1年前から醸造され販売されています。それは金剛山ビール(外部リンク)。ビール自体は千早赤阪村にある「道の駅ちはやあかさか」でプロデュースされたものなので、河内長野とは無関係に思うかもしれません。

しかしビールの醸造と販売には、河内長野市に住む複数の人たちが深くかかわったとのこと。そのあたりの事情をレポートします。

2022年7月に、ちょうど金剛山ビールの販売開始1周年を記念して、「金剛山ビール村みかん」の先行販売が始まりました。このタイミングで金剛山ビールのことと河内長野とのかかわりについて、企画担当にお話を伺いました。

道の駅ちはやあかさかは、楠公誕生地に隣接した場所にあります。企画担当のお話によれば、道の駅は一時廃止の方向で話が進んでいたそうですが、存続してほしいという地元農家の要望もあり、その際に企画担当が管理者になったそうです。

こうして道の駅ちはやあかさかは、彼女たちの手によってインテリアなど手作り感のある新しい道の駅として生まれ変わりました。

ただ手作りしただけでなく、そこにおしゃれさやかっこよさが加わったことで、千早赤阪村だけでなく、遠方からもこの小さな道の駅を目指して若い人たちが集まるようになりました。

「一冊の絵本のような村」をキャッチフレーズにしている千早赤阪村には、現在若い人たちの移住が増え、それに伴っていろんな分野のお店が開業してきていますが、そういう事象にも道の駅ちはやあかさかが大きな影響力を持っています。

さて、そんな道の駅ちはやあかさかでクラフトビールを製造販売しようとなった理由ですが、道の駅の活性化のために、名物となりうるものがないかを探していたそうです。そんななかでクラフトビールが候補として挙がりました。

とはいえ、クラフトビールを作って販売するためにはいろんな難関があり、それをクリアする必要がありました。

しかし、企画担当はそれを見事にクリアしていきます。ではどうやってクリアしていったのか、そこにはひとりのビール醸造者の出会いと、隣の自治体である河内長野にいる人たちのバックアップアップがありました。

南彰三さん
南彰三さん

ひとりの醸造者とは、南彰三さんとのこと。南さんについては以前、富田林の寺内町にある万里春酒造がクラフトビールブルワリーとして復活するという記事で詳しく紹介しています。

将来的に富田林のブルワリーで働くことになったということが、企画担当との出会いとなり、金剛山ビールを作る話につながりました。そのため、現在、彼が所属する上方ビールで醸造されています。

南さんによれば、「村みかん」のビアスタイルは、ウィートビールをベースにしたオリジナルのものです。原料比率は英国産大麦麦芽75%に加え、ドイツ産の小麦麦芽を15%、千早赤阪村でとれた棚田米10%、それに千早産柑橘類を5%を加えました。

金剛山の源流の水を大阪市内にある上方ビールまで運ぶので、特に雑菌などの汚染が起こらないことを気にかけているそうです。また金剛山の登山帰りにスッキリ飲みやすいことをテーマに、苦みを抑えたビールを目指したとのこと。

さらに今後の希望として南さんは次のことを言ってました。

今後も継続して製造販売し、一過性のものではなく文化として定着して欲しいと思っています。またクラフトビール文化がまだあまり浸透していない地域だと思うので、クラフトビールに触れるきっかけのなってもらえたら嬉しいです。

大阪源流水の杜さんのところにある石見川源流の水
大阪源流水の杜さんのところにある石見川源流の水

金剛山ビールは材料にもこだわりがあります。そしてもっとも大切な水、これは名前の通り金剛山の湧水を使いたいとなったのですが、河内長野市内の石見川地区にあって石見川源流を管理している、大阪源流水の杜さんの水を使っているというのです。

石見川
石見川

「なぜ千早赤阪ではなく河内長野の水を?」と思ったのですが、ひとつは保健所の検査を受けて飲用として適している水が、千早赤阪村になかったということ。もうひとつは水の杜さんの「水を守る活動」に感銘を受けたからだそうです。

天野酒のある酒蔵通り
天野酒のある酒蔵通り

さて、その水で醸造するために、タンクで運んで大阪市内にある上方ビールさんまで運んでいるわけですが、そのタンクについては、河内長野駅前にある天野酒さんの物をお借りして使ったとのこと。

どうすればと悩む南さんに天野酒さんが快く貸してくださったそうで、このエピソードも河内長野の心意気を感じますね。

こうして河内長野にいる人たちの協力があってこそ、金剛山ビールが完成しました。河内長野と千早赤阪を合わせたものを一般的に奥河内と呼ぶようですが、そう考えると奥河内のクラフトビールといっても差し支えありませんね。

さて、そんな金剛山ビール、道の駅ちはやあかさかのほか村内で先行販売していたので、さっそく買ってきて味わってみました。青みかんの香りがほのかに香るフレッシュな味わいでした。

もちろん河内長野でも金剛山ビールさんの販売店があります。それは上田町にあるL'espace地球屋(レスパスちきゅうや)さんです。地球屋さんも金剛山ビールの販売に欠かせないひとりだそうで、いろいろと協力してくださったそうです。

というわけで、金剛山ビールを河内長野市内で販売している地球屋さんに行ってみました。

地球屋さんは上田バス停のすぐ前にあるので、公共交通派である私も非常に行きやすいです。

地球屋さんはワインの品ぞろえも豊富ですが、クラフトビールにも精通されています。

特に金剛山ビールについては、非常に協力的にかかわられたこともあり、このたび新製品を販売するまでになったといっても過言ではありません。

もちろん他のクラフトビールや豊富なワインの品ぞろえも魅力的な地球屋さん。いろいろ好みを伝えると最適なワインやクラフトビールを用意してくれます。

地球屋さんでは9月以降に金剛山ビール「村みかん」が販売されるとのこと。入荷状況については地球屋さんにご確認ください。

通常飲む大手メーカーのビールや有名でリッチなクラフトビールも良いですが、たまには地元奥河内発のビールで、河内長野の人が多く携わっている金剛山ビールを選んでもよさそうです。

L'espace地球屋(外部リンク)
住所:大阪府河内長野市上田町16-1
電話番号:0721-62-2514
アクセス:上田バス停からすぐ 南海三日市町駅から徒歩10分
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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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