日経平均4万円台回復の背景
15日の東京株式市場では日経平均株価は7月19日以来およそ3か月ぶりに4万円台を回復した。
この背景にあったのは国内要因というよりは海外要因によるものといえる。
東京市場が休みとなっていた14日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均は連日の最高値更新となっており、これが東京株式市場に波及した格好に。
米株の上昇の背景には、最近発表された米国の経済指標が米景気の底堅さやインフレの鈍化を示し、米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの見方が強まったことがある。
4日に発表された9月の米雇用統計は非農業雇用者数が前月比25万4000人増と市場予想の15万人増程度を大きく上回り、過去2か月分の増加幅はそれぞれ上方修正。失業率は4.1%と8月の4.2%から低下し、平均時給の伸びも市場予想を上回った。
10日に発表された9月の米消費者物価指数は前年比2.4%上昇と市場予想を上回ったものの、約3年半ぶりの小幅な伸びにとどまった。
11月のFOMCでの大幅な利下げ期待は後退したものの、景気そのものの良さが株価に反映されてきた。
これまで米国株式市場を牽引してきた米半導体大手エヌビディアの株価が14日に約4か月ぶりに最高値を更新するなどしたことも好感された。
米国株の上昇に加え、FRBによる大幅な利下げ観測の後退などから、米長期金利が上昇し再び4%台を回復したことで、ドル円が150円に接近した。
東京株式市場ではこの円安も好感しての日経平均の4万台回復といえる。
また今日、衆院選が公示されたが、衆院選時は株高といったアノマリーも多少なり意識されたのかもしれない。