「人を焼いた臭い」がする魚?その正体と持ち帰って食べた結果
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魚といえば古くから日本で一般的に食べられてきた食材ですが、中には焼くと「人を焼いた臭いがする」と言われている魚がいることをご存知でしょうか?
そこで今回は、そんな不気味な魚の正体やその理由、実際に持ち帰って食べた感想を紹介します。
「人を焼いた臭いのする魚」の正体は…?
まずは人を焼いた臭いがすると言われている魚を調達します。
なんとも不気味な評判の魚ということで、おぞましい姿をしているのかと想像している方もいらっしゃるかもしれませんが、その正体は
上の画像のコノシロという魚です。
ご存知でない方もいらっしゃるかもしれませんが、実はコノシロは釣りをしない方にとっても身近な魚で、寿司屋では小型のコノシロがコハダという名前で並んでいます。
姿や名前を知らなくても、寿司屋でコハダを食べたことのある方ならいらっしゃるのではないでしょうか?
ちなみにコノシロは焼くと臭いがキツいことは昔から知られているようで、調べてみると以下のような伝承が見つかりました。
上の文中でツナシと呼ばれているのがコノシロのことなのですが、娘が病死したことにするために「子の代(このしろ)」として使用したというのは何とも興味深い話ですね。
実際にコノシロを持ち帰ってみた
それでは実際にコノシロを持ち帰って食べてみることにしました。
コノシロの調達方法についてですが、実はコノシロは釣り人にとってはごく身近にいる魚で、群れに遭遇すると簡単に釣れます。
今回は船釣りをしている時に群れに遭遇したので、簡単に調達することができました。
今回持ち帰ったコノシロを、実際に調理をして食べてみたいと思います。
まずは疑惑の塩焼きに…
まずはコノシロが「人を焼いた臭いがする」という噂の真偽を確かめるために、塩焼きにしてみることに。
鱗や内臓、ぬめり等の下処理を一通り終えた後に、グリルに入れて焼いていきます。
人を焼いた臭いがするということで、恐る恐る焼き上げてみると
確かに焼き魚の香りはするのですが、その他に今まで魚から感じたことのない独特な臭いが。
例えるなら、何か腐ったものを焼いたようなクセのある臭いといったところでしょうか。
普通の焼き魚とは違う臭いだったせいか、家にいた妻が「何をしてるの?」と聞いてきたくらいだったので、恐らくかなり異質な臭いだったのかと思います。
コノシロの塩焼きを食べてみた
完成したコノシロの塩焼きがこちら。
見た目はかなり美味しそうなのですが、やはり先ほどの独特な臭いが気になるところ。
ではいざ、箸で身をつまんで口に入れてみると
「あれ、意外と美味しい…?」
独特の臭いはあるものの脂の乗りは良く、またニシンの仲間というだけあって旨味はしっかりしています。
お皿の上にも黄色っぽい脂が落ちるほどで、脂の乗りは抜群です。
焼いた臭いからは想像できない美味しさを持つコノシロだったのですが、食べている時に大きな課題を見つけました。
それは、とにかく小骨が多いこと。
身を箸でつまんだだけでもこれだけの小骨が口の中に入るので、口の中にはどうしても不快感が残ります。
それでも背中側の身は無視できないほどではないのですが、腹側の身は骨もしっかりしている割に身も少ないので、サイズの割に可食部が少ないと感じました。
最後まで食べきったのですが、独特な臭いと小骨の多さから嫌厭する方は多そうですね。
コノシロを美味しく食べるには
小骨が多く独特の臭みがあるコノシロですが、実は美味しく食べる方法があります。
それはコノシロを酢漬けにすること。
お酢で漬けることによってコノシロの小骨が柔らかくなって食べやすくなりますし、焼かないことで独特の臭みの発生を抑えることができます。
実際に出来上がったコノシロの酢漬けを食べてみたところ
焼いた時の臭みがないことに加え、小骨も柔らかくなってかなり食べやすくなっていました。
もともと旨味はしっかりした魚なので、脂の甘みがしっかりと感じられ、これならぜひ持ち帰って食べたいと思えるほど。
コノシロの欠点を抑えつつ、良さを前面に引き出せる素晴らしい調理法でした。
今回は「焼いた人の臭いがする」と言われている魚、コノシロについて紹介しました。
独特な臭いや小骨の多さから、あまり釣れても持ち帰ることの少ないコノシロですが、調理法によっては美味しく食べることができるので、ぜひコノシロが釣れた時や寿司屋に行った時などに食べてみてはいかがでしょうか?