お盆の帰省で気づく【認知症のサイン3選】介護福祉士が漫画でわかりやすく解説
こんにちは。認知症のケアサポーター『夢 はるか』です。わたしは介護現場で15年以上働く介護福祉士です。
介護の仕事のかたわら、子どもの頃から好きだった漫画を描くことを通して、認知症や介護のことを、一人でも多くの人に知っていただけたらと思い、Yahoo!ニュースへの寄稿を続けています。
お盆の帰省の時期が近づいてきましたね。
久しぶりに、実家の両親に会う人も多いかもしれませんね。
1年ぶり、または数年ぶりに会う両親の姿に
「あれ!なんか変だぞ」
と感じることもあるでしょう。
それが、誰にでもある正常な老化現象なのか、あるいは認知症の初期症状なのか気になるところです。
今日は、帰省で気づく代表的な認知症の初期症状を、いつものようにイラストを交えながらご紹介します。
1.身の回りの管理できない
こんなことはないでしょうか?
・捨てられない不用品(ゴミ)が増えている
・薬の飲み残しが多い
・財布が小銭でパンパン
・料理の味付けがうまくできない
認知症による記憶力や判断力の低下によって、さまざまな身の回りの管理が難しくなってきます。
ゴミ収集の日を忘れてしまい、ゴミがたまっていきます。
薬を飲んだかどうか覚えられず、飲み残しがどんどん増えていきます。
買い物は全てお札を出すので、小銭が貯まるばかりです。
そして、慣れた料理もうまくできなくなってきたら、認知症の可能性を考えたほうがよいかもしれません。
2.分からないことが増えた
こんなことはありませんか?
・今日が何月何日か分からない
・夏でも曇りの日には冬だという
・大事なものをどこにしまったか分からず、探し回ることが多い
・嫁や孫のことが、誰だかわからないようだ
認知症の症状に、見当識障害があります。
見当識障害では最初に、今の時間や、今日の日付、季節など、時間の感覚がなくなります。
次に、今どこにいるのかなど、場所の感覚がなくなります。
最後に、目の前にいるのが誰なのかなど、人の感覚がなくなっていきます。
これらに思い当たることがあれば、認知症の可能性があるかもしれません。
3.気持ちが不安定
・ちょっとしたことで怒る
・その場にそぐわない幸せそうな表情
・自分の大切なものを誰かに盗られたと言う
・実際にはないものが見えたり、いない人がいると言う
こんな場面を見て驚いたことはありませんか?
このような性格の変化も、認知症によく見られる症状です。
前頭葉機能の低下によって感情の抑制ができず、怒りっぽくなります。
多幸感といわれる、その場にそぐわない幸せな表情をしていることがあります。
自分で片付けたことを忘れて、人に盗られたと言い続ける、ものとられ妄想が現れます。
実際にはない物や人が、ありありと見える幻視が起こります。
あくまで病気の症状だと理解して
それまで普通にできていたことが、できなくなった親の姿を見ると、つい
「怠けているんじゃないか」
「たまにしか来ない、自分たちへの当てつけか」
などと、ネガティブな感情が湧いてきます。
しかし、今日ご紹介したことは、全て認知症という病気の症状であるという理解が必要です。
決して、年老いた両親が、誰かを困らせようとしているわけではないのです。
冷静に、いま起こっていることを客観的に記録してみましょう。
医療機関や介護サービスと連携することで、認知症高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けることができる時代です。
親の介護について、真剣になりすぎて思い詰めるのは賢明ではありません。
「自分がやらなくても、誰かがやってくれる」
それぐらいの心の余裕を持つほうが、結局は、親とのよい関係を続けることができると思います。