【富士宮市】田んぼの真ん中にある“気になる木”は“県指定天然記念物のヤマザクラ”だった!
柚野方面から県道75号清水富士宮線を北上すると右手の田んぼの真ん中に、こんもりと茂る小さな森のようなものが見えます。
稲の茂っている時期には気が付きませんでしたが、稲が刈り取られた時期になると小さな森の正体は大木のようで、手前には看板が立っていました。
随分と前から気になっていた場所でしたが、看板が立てられているという事は見学しても良い場所のようなので、今回はこの“気になる木”に近付いてみようと思います。
付近までは狭いですが舗装された農道があり、その脇にはとても澄んだ綺麗な水が流れる水路が沿って流れています。
道路から見るよりは近づけましたが、やはりここからでは看板を読むこともできません。
今の時期は田んぼに水も張っておらず、作物を荒らしてしまう心配もなさそうなので、あぜ道を通らせてもらいます。
辿り着いた先の看板には『上条のサクラ』と書かれていましたが北側からこの木を眺める限りでは、葉が茂っていて桜の木とは思えません。
説明文を読むと『ヤマザクラの老樹で、ウラジロガシ、イヌツゲが宿木状に着生し、樹肌にはマメツダ、ノキシノブ、ヒサカキ等が着生している』そうです。読む限りでも、6種類の樹木が共存しているんですね。
樹の幹は浸食されているようにも、命を分け与えているようにも見え、生命力あふれる姿に圧巻されます。
横から見ると一度は倒れたのでしょうか、かなり斜めになっている太い幹から、空を目指していろいろな種類の枝が勢い良く伸びています。
ヤマザクラの木自体は死んでしまっているようにも見えますが、南側には桜の枝が伸び、沢山のつぼみを持っていました。
このヤマザクラは樹齢推定300年以上で、昭和43年に県指定天然記念物になっているそうです。
例年4月中旬あたりに見頃を迎えるという『上条のサクラ』。
県道75号清水富士宮線側からだと着生しているウラジロガシやイヌツゲで桜が隠れてしまい見にくいと思いますが、県道184号白糸富士宮線からでしたら道路沿いから眺めることができるかもしれません。
近くを通ったときには、県指定天然記念物のヤマザクラ『上条のサクラ』を眺めてみてくださいね。
上条のサクラ:県道75号清水富士宮線、諏訪部時計店さん付近