【足立区】千住の路地裏で出会った『渡邊鞄 』 普段使いできて着物にも洋服にも似合う鞄が見つかる
千住の街には路地がたくさんあり、1本入るとそこには、まだ出会ったことのないお店がたくさんあります。
今回はそんなお店のひとつ『渡邊鞄 』をご紹介します。
木の看板向こうには1本の路地。その先にあったのは?
普段なら通り過ぎてしまいそうな、民家の並ぶ路地の手前に立っている味のある木製の看板が目に入りました。
『千住 渡邊鞄 二代目』とあります。
路地の奥を見渡しましたが、民家が並んでいます。鞄屋さんらしき入口は見当たりません。
気になったので、その路地を奥に入ってみました。
すると、すぐに鞄らしき形の看板を発見。
お店はここでしょうか?
表札にも『渡邊鞄』の文字があるので、間違いなく鞄屋さんの入口のようです。
工房のような感じなので、店内に入ってよいのか躊躇しましたが、素敵な雰囲気に引き込まれるように入ってみました。
工房とショールームが併設されています
こちらは、工房とショールームが併設されています。
陳列された鞄の側にはミシンなども置かれていて、もの作りの現場が垣間見られます。
工房内では2代目の渡邊さんが作業をしていましたが、手を止めて説明をしてくださいました。
工房には、有名な女優さんが鞄を肩に掛けている写真が。テレビドラマや映画の小道具にこちらの渡邊鞄さんの鞄が起用されているそうです。スタイリストさんが目を付けるほど、素敵な鞄屋さんなんですね。
他にも、多くのメディアに取り上げられています。
路地裏にひっそりと佇む『渡邊鞄』は、足立ブランドの認定企業でもあり、高い技術や独自性のある鞄屋さんです。
「のれんバッグ」は浴衣にも、普段使いにも。
ショールームを見せていただきました。
こちらは、「のれんバッグ」(3000円~6000円税別)
竹をハンドルに使った、のれんのようなバッグです。浴衣姿にとても似合いそう。
竹の端にある帯をスライドさせて開け閉めするのも、粋ですね!
普段使いにも、サブバッグとして持ち歩くことが出来、使わないときは小さく丸めて収納できます。洋服に合わせても素敵です。
少し細長い形の「のれんバッグ」もありました。こちらは、お酒やワインを入れて持ち歩けます。
ちょっとしたお出掛けが楽しくなりそうな、他にはないバッグです。
軽い!本物の鹿の角を使用?!
渡邊さんが、「持ってみてください。」と、勧めてくれたのはこちらの鹿皮キルティングバッグ。
手にしてみると、軽い!ものすごく軽いです。そして柔らかい。キルティングのデザインもお洒落。
革製のバッグは重いことも多いですが、こちらは想像以上の軽さでした。耐久性も兼ね備えているとのこと。
バッグの底の部分を見せてもらうと、底鋲に注目です。
底鋲は野生の日本鹿の角を使っているそうで、またまた驚きです。
独自性のある、他ではあまり見たことのない野生鹿皮のキルティングバッグです。
収納力抜群。自立する二つ折りペンケース
こちらは二つ折りペンケース。
開いて折り返すと、机の上に立てて置くことが出来ます。
自立するので、中からペンが転げ落ちる心配も要りませんね。
コンパクトですが、結構収納力があるのではさみや糊も入ります。こちらも軽くて柔らかい手触りです。
馬皮なので使うほど手に馴染みます。
クラッチバッグの様にも使える御朱印帳入れ
こちらの「御朱印帳入れ」は、色合いが鮮やかで目を引きます。
厚手のツイル地を使用しているので、高級感がありクラッチバッグとしても持ち歩けますね。ひとつひとつ丁寧に手作業で作られた形は全く同じものはなく、唯一無二の特別感あります。
日本の伝統柄をバッグにあしらえてみては?
薄茶色の市松模様のボディバッグです。こちらは最後の1点とのこと。
亀田紬の縞柄や、鹿の子柄など、日本の伝統柄があしらわれたポシェットです。
中央の和柄には、ご自宅のタンスの中にある、おじいちゃんやおばあちゃんが残してくれた帯を入れることもできるそう。
「日本には素敵な柄がたくさんあるので、普段使いをして若い人に知って欲しい。」と渡邊さんは話してくれました。
キルティングのポシェットの本体に使っている素材は「鬼ツイール」という生地です。厚くてしっかりしている生地で、丈夫で長持ちするそう。
こちらのステッチの模様は、江戸小紋のひとつ「紗綾形」(さやがた)です。さりげなく、日本の伝統的な柄があしらわれているのが粋です。
千住の地で作り続ける鞄
1929年創業の『渡邊鞄』が、現在の工房兼ショールームに引っ越してきて10年ほどが経つとのこと。
現在は、鞄の修理やリメイク、オーダーメイドの仕事で忙しくしているとのお話しです。
『渡邊鞄』の商品は、ホームページのオンラインショップからも購入可能です。在庫や価格などはそちらからチェックしてみてください。
この日は、たまたま通りかかってショールームをみせていただき、千住の地で作り続けられている鞄の数々に出会えました。
どれも丁寧に手作業され、こだわりや高い技術に溢れています。素晴らしいもの作りが、ここ千住から生まれていることを知り、足立区民として誇らしくなりました。
興味を持たれた方は、路地裏にある『渡邊鞄』のショールームをのぞいてみてはいかがでしょうか?
*帰りに再度見上げた、工房の外につるされた鞄型の看板の柄は、江戸小紋のひとつ「紗綾形」(さやがた)とのお話しでした。