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今更聞けないあの言葉、話題の「ウマ娘」って何?:盛り上がりの中に見逃せないアニメの存在

小新井涼アニメウォッチャー
(写真:アフロ)

アプリゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」が、大きな盛り上がりをみせています。

今年2月のリリース以降、周りの人が次々と話題にし始めたり、新展開の折には必ず関連ワードがトレンド入りするなどで、全く知らなかったという人も、そのタイトルを目にしたことはあるのではないでしょうか。

とはいえ、それが一体どんな作品なのか、どうしてこれほどまでに熱狂的な盛り上がりをみせているのか、まだイマイチ分からない人もいるかと思います。

「ウマ娘」とは一体どんな作品で、何がその盛り上がりを後押ししているのでしょうか。

■「ウマ娘 プリティーダービー」とは

本作は、新人トレーナーとなったプレイヤーが、実在する競走馬の名前を冠した“ウマ娘”と呼ばれるキャラクター達を育成し、絆を深め共に成長しながらレースの勝利などの目標達成を目指していくゲームです。

ゲーム内では実際の競馬さながらのレースや、本作のオリジナル要素であるウィニングランならぬ“ウイニングライブ”(レースの勝者がセンターを務めるライブステージ)などが楽しめます。

他にも、詳しくない人でも聞いたことがあるであろう、名前の元となった有名競走馬達の特徴や逸話が絶妙に織り交ぜられたウマ娘達のキャラクター性や、あくまで“別世界”の物語だからこそ描ける、夢に見た勝利などの熱い“イフ”もみられる世界観など、その魅力は盛り沢山。

結果本作は作品ファンのみならず、競馬好きの人々からも高い評価を得ることになりました。

とはいえ、これだけ聞いた限りでは、まだまだ知らない人が気軽に始めるにはハードルが高そうに思えるかもしれません。

そんな人がゲームの前に作品に触れてみるための入り口として、そしてアプリから本作を知った人がより深く作品世界にハマるきっかけとして、現在までの盛り上がりを後押ししたもののひとつに、本作のテレビアニメがあります。

■”予想外”からの大反響

本作はアプリゲームの配信に先行して、これまでにテレビアニメが2シーズン放送されています。※

第1期が放送されたのは今から3年前。まだアプリもリリースされていない中、“競走馬の名を冠した女の子たちの物語”と言われても全く想像がつかず、アニメファンも少しネタ的にみていたり、いわゆる“萌え”に特化した作品なのかなという印象を抱いていました。

ところが蓋を開けてみると、そこで描かれていたのは夢を追うウマ娘達の鍛錬や成長、挫折や復活など、極めて真摯に史実や本作の世界観と向き合った、当初の予想をいい意味で裏切る“燃え”のドラマ。

細かすぎる小ネタやイフと再現を絶妙に織り交ぜた展開など、競馬好きの人がみても楽しめる作品であるだけでなく、競馬を全く知らない人でさえ、彼女たちの懸命な姿に惹きこまれ、レース結果に一喜一憂し、時には涙してしまうとんでもなく熱い作品だったのです。

そうしたこともあって、現在ほどではないものの、実は1期放送当時からアニメファンや競馬ファンの間でも“予想以上に熱かった!”と話題となっていた本作のテレビアニメ。

それが現在の人気をきっかけに改めてより多くの人々に視聴され始めたことで、その熱いドラマが再び評価されて、アプリから「ウマ娘」を知った人を作品世界に益々夢中にさせる一因にもなっていたようです。

※アプリリリース時に放送されていたテレビアニメ第2期PV

他にも本作には、史実の出来事との比較や解説をみることで名前の元となった競走馬の歴史を知りウマ娘達への愛着を更に深めたり、アニメ1期放送当時から稼働していた公式YouTubeチャンネルやコミカライズといった様々な展開をチェックしていくことで、より作品世界の深みにハマったりと、アプリ外からも作品の盛り上がりを後押しする要因が多数あります。

しかしそんな中でも、作品を知らない人も楽しめて、知ってからみるとより思い入れが増す、広く深く作品人気を拡大させる熱いアニメがあったことは、かなり大きかったのではないでしょうか。

益々勢いを増す本作のムーブメントですが、アプリの魅力はもちろん、その盛り上がりの中に、作品への入り口を広げたり、アプリをきっかけに生まれた熱気を受け止め更に加熱させるアニメの存在があったことも見逃せないと思います。

アニメウォッチャー

北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程在籍。 KDエンタテインメント所属。 毎週約100本以上(再放送、配信含む)の全アニメを視聴し、全番組の感想をブログに掲載する活動を約5年前から継続しつつ、学術的な観点からアニメについて考察、研究している。 まんたんウェブやアニメ誌などでコラム連載や番組コメンテーターとして出演する傍ら、アニメ情報の監修で番組制作にも参加し、アニメビジネスのプランナーとしても活動中。

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