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バイデン勝利をハリウッドが祝福。「アメリカが正気に戻れる」

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 米大統領選で、ジョー・バイデンの勝利が決定した。これはまた、アメリカ史上初めて女性の副大統領が誕生したことも意味する。この朗報を受けて、ツイッターやインスタグラムには、ハリウッドのセレブリティから感動のメッセージが多数寄せられている。

 シャーリーズ・セロンは、「女性として、母親として、今日のニュースをとても誇りに思いました。ようやく私はわが子に、私たちは、嫌悪でなく、人間性で選ぶ国に住んでいるのよと言うことができるのです」とツイートした。やはり子供をもつエヴァ・ロンゴリアも、「子供たちは、この国がどうなるのかを見守っていました。私たちがどう決めるのかを。ヘイトを選ぶのか、力を合わせることを選ぶのか。私たちは正しい決断をしました。愛は嫌悪に打ち勝つのです。力を合わせて、アメリカを癒しましょう」と書いている。リース・ウィザスプーンも「この国の歴史にとってすばらしい瞬間。新大統領ジョー・バイデン、そして初の女性副大統領カマラ・ハリス、おめでとうございます」とツイート。ジョシュ・ギャッドは「涙が出る」「1日中飲み始めるにはまだ早い?」と祝杯をあげることを示唆した。ロン・パールマンは「ジョー・バイデン、カマラ・ハリス、おめでとうございます。何より、アメリカが正気に戻れることを祝福します」と述べている。

 バーニー・サンダースの熱狂的支持者で、サンダースが降りた後バイデン支持に転じたマーク・ラファロは、「今日、とても幸せ」というシンプルなメッセージのほかに、開票作業をしてくれた人々に「危険な状況で一生懸命仕事をしてくださってありがとうございます。どちら側を支持するかに関係なく、民主主義の価値を貫いてくださったことに感謝します」という言葉を送った(接戦だったアリゾナでは、開票作業場に、銃を持ったトランプ支持者が押し寄せている)。選挙の前夜、ペンシルバニアでのバイデンの集会で演奏したレディ・ガガは、「ジョー・バイデン、カマラ・ハリス、そしてアメリカ国民のみなさん。あなたたちは、世界に、優しい心と勇気、ヒューマニティを証明してみせました。新たなリーダーと初の女性副大統領に愛を送ります。それに、ペンシルバニア、ありがとう」とメッセージを送っている。決め手となったペンシルバニアの人たちに対しては、セス・マクファーレンも、「みんな、ペンシルバニアに何かすごく良いものをあげないとね」という投稿をリツイートしている。

 マクファーレンはまた、普通の候補者のように品位をもって負けを認めないトランプに対して、「次に起こることこそトランプの人間性を露呈するもの。一般投票では勝っていて、票の数え直しまでやったのに、潔かったアル・ゴアのように引き下がるか?ゴアは自分のエゴでなく、国の安定を重視したのだ。トランプにその勇気はあるか?希望は薄いけれども、どうなるか見てみよう」とも述べた。クリス・エヴァンスは、「私はこの選挙で大勝した」とほざくトランプのツイートに「いいえ、していません。あなたは負けました」、ジョージ・タケイは、トランプがリアリティ番組に出ていた時のキャッチフレーズだった「You’re Fired」という垂れ幕の写真に、「そのとおり」というキャプションをつけたツイートをしている。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「シュプール」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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