DMM.プラネッツのインスタレーションに行ってみた!
KNNポール神田です!
北野武さんとTEAM LABの猪子寿之さんの出演するDMM.comのCMをこの夏、観たことがある人は多いと思う。
しかし、北野武さんの「なんでこれDMMがやったの?」のとおり、その理由は行ってみても、実は、よくわからなかった。さらに、DMM.comにいっても何の情報もない。あるのは、TEAM LAB側のDMM.プラネッツ Art by teamLabのリンクだけ。
DMM.プラネッツ Art by teamLab
残りわずかの夏の『インスタレーション』
残すところあと数日となったこのインスタレーション。「インスタレーション」とは、現代美術における表現手法のことではあるが、広義の場合、体験型のアトラクションと呼ぶこともできる。むしろ、芸術を鑑賞するというよりも、不思議な非日常な世界を「経験する」ということがこの「DMM.プラネッツ Art by teamLab」の楽しみ方だろう。ネタバレ注意というわけでもないが、真っ暗な世界を擬似体感できる「dialog in the dark(東京・外苑前)」と同様、体験してみないことにはなにもわからないという要素でいっぱいだ。
最初の部屋は、ふわふわのクッションのぬかるみの部屋
まず、この「DMM.プラネッツ」を愉しむためには、できるだけ軽装でいくことをオススメしたい。また、できれば、海水パンツ着用でずぶ濡れになってもいいいでたちのほうが楽しめる。もちろん、靴もロッカーに入れて裸足で体感する世界だ。最初の廊下で水で脚を洗い、ふいた後に登場するのが、このふわふわ空間だ。
なぜならば、こんなオトナでさえ埋もれるような空間があるからだ。子供はよくショッピングセンターでふわふわ感覚があるかもしれないがオトナこそ脚が取られてうまく動けない。子供にはさらに脅威の空間となるだろう。明るい太陽光ではなく、閉ざされた黒い空間に、ここではないどこか的なサウンドに包まれているからだ…。その部屋を抜け出し、また廊下で裸足の感覚で歩く。そう、都心で裸足で体感できるアトラクションなんて考えてみたら皆無だ。
まるで、『燃えよドラゴン』のハンの鏡の部屋のLED版!
表現が昭和すぎるが…、『燃えよドラゴン』のハンの鏡の部屋を想い出した。映画の公開時は小学校6年生だったので、当時の想いに戻れる…。そう、このインスタレーションは、できるだけ小学生の子供に体験させるべきだと感じた。子供の時に触れた非日常な体験は、死ぬまでその人の体験の引き出しの中に残る。今でも、小学校4年生の時に経験した大阪万博の太陽の塔「生命の樹」の人類の進化は脳裏に焼き付いている。スマートフォンでアプリを操作するとそれがLEDの滝に反映するのだ。鏡の効果でどこまでも光の滝は果てしなく続く…。順路さえわからなくなるほどの非日常感覚に遊泳するきらびやかな瞬間だ。
映画「アバター」の世界にダイブする冥土の世界?
モデルはITジャーナリストのAyanoさん
最大のポイントは、ヒザ下にまでひんやりする水面を感じながら進んでいった先にあるこの世界。まるで映画「アバター」のワンシーンを彷彿させるような色調だ。足元には、魚らしきものが泳いでいるようにみえる。LEDやプロジェクションマッピングやスモークなど、テクノロジーを駆使しながらも、それを感じさせない不思議な世界になっている。まるで、ここは、現世ではなく、死んだ後にめされる冥土や浄土の世界のようにも感じる。ある種の「悟り」に近く、今までの外界での出来事を懐かしく思えたりもする不思議な感覚となる。これは、子どもと一緒にくると、同じ「体験」でも人生の「経験値」によって表現は大きく変わると思う。
https://www.youtube.com/watch?v=EQ7V6zdCBDg
テクノロジーと夢の世界の融合 猪子寿之の世界観…
いまやメディアの寵児でもある、TEAM LABの猪子寿之氏。日本だけでなく世界で彼が率いるTEAM LABのアートが評価されている。シンガポールの常設からシリコンバレーにいたるまで。テクノロジーのアートといえばオーストリア、リンツ市の「アルスエレクトロニカ」が有名だ。何度か参加したことがあるが、街中がこのイベントにコミットメントしており、アーティスト、参加者、メディアが、このリンツ市のアートとテクノロジーの融合の期間を楽しんでいる。おそらく、DMM.comがやりたかったのが、この新しいアートを受け入れる感性育成のパトロネージュなんだと思う。なぜならば、とても入場料で採算がとれるような造りでないからだ。また、「猪子寿之」というクリエイティブとテクノロジーの双方に造詣が深いクリエイティブ・ディレクターを押しているという企業のユニークさも、リンツ市のめざしているアルスとも相通じるものがある。すでに評価されたアートと、参加する人によって評価が変わる「インスタレーション」アートというのも経験できる機会に急いでほしいと思う。特に、小学生のお子さんと共に…スマホでは体感できない夏をプレゼントしてあげてほしい。