新型コロナに再感染しやすい人は?再感染すると1回目よりも重症化しやすいのか?
新型コロナの流行が2019年末から始まり、これまでに世界では7億6千万人の感染者が報告されています。
流行から時間が経つにつれ、再感染する人の割合も増えてきています。
どのような人が再感染しやすいのでしょうか。また再感染すると1回目よりも重症化はしにくいのでしょうか。
新型コロナに感染するとしばらくは感染しにくい
新型コロナに感染すると、免疫ができるため、一度新型コロナに感染すると、しばらくの間は感染しにくくなります。
しかし、一度感染した後は二度と感染しないというものではなく、特に過去の感染から時間が経つと予防効果は落ちてきますし、別の変異株には再び新型コロナに感染することがあります。
現在主流であるオミクロン株以前に広がっていた変異株(野生株、アルファ株、デルタ株など)に感染した人が持つ免疫は、すでに今のオミクロン株に対してはほとんど感染を防ぐ効果がなくなっています。
また、BA.1やBA.2などのオミクロン株に感染した人もBA.5に対しては感染から8ヶ月程度は再感染を防ぐ効果が高く維持されますが、現在日本でも広がろうとしているXBB系統に対しては過去のオミクロン株感染による免疫の有効性が低下していることが分かっています。
このように、過去の感染から時間が経過すると再感染するリスクが高くなってきます。
再感染はどれくらいの頻度で起こっているのか?
日本国内では、感染者が初感染なのか再感染なのかについて詳細にデータが取られていませんが、イギリスでは区別してデータが取られています。
イギリスでは新規感染者に占める再感染者の割合が徐々に増加しており、現在では約3割が再感染者となっています。
イギリスではすでに86%の人が過去に感染したことがあると考えられており、このような地域では再感染の人の割合が高くなります。
再感染すると重症化しやすいのか?
1回目よりも2回目の感染の方が重症化しにくくなるのでしょうか。
これについては、いくつかの結論の異なる研究結果が出ています。
カタールで行われた研究では、初感染の6095人と再感染の1300人の重症度が比較されていますが、再感染では重症化リスクが90%低くなり、死亡者は1人もいなかったという結果でした。
イギリスの研究では、386万人の初感染者と1万4千人の再感染者の重症度を比較し、再感染の方が死亡リスクが61%低かったという結果でした。
一方で、アメリカ退役軍人省の電子カルテのデータを解析した研究では、再感染した人の方が死亡リスクが2.17倍、入院リスクが3.32倍になる、という相反する結果となっています。
ただしこの研究については、退役軍人病院のデータであり高齢の白人男性が中心のデータですので単純に一般社会に外挿できるものではないかもしれません。
しかし、いずれにしても重症化リスクの高い人にとっては、再感染が危険であることは間違いがなさそうです。
アメリカの新型コロナ患者1600万人を含むコホート研究では、初感染が軽症だった人が再感染で重症化(入院、死亡)する頻度は5.0%だったのに対し、初感染で入院した人は再感染で重症化する頻度は31%という結果でした。
つまり、初回で重症化した人は再感染でも重症化しやすいということになります。
重症化リスクの高い人やこれまでに感染した際に重症化した人は再感染しないに越したことはありませんし、再感染時の重症化を防ぐためには感染後にワクチン接種をしておくことが重要です。