いまのアメリカが提示した“ジャズ・ヴォーカル”の基準点
●Listen to the 50 Greatest Jazz Vocals of All Time | Jazz24
アメリカの公共ラジオ「NPR」、オンラインラジオ「Jazz24.org 」、シアトルのFM「KPLU」の3局がそれぞれのユーザーを対象に「最も偉大なジャズ・ボーカル曲」を調査した結果をサイトで発表しました。
右は「Jazz24.org」のサイト。
ジャズを生み育てたと言われているアメリカでは現在、その中心的な存在だったジャズ・ヴォーカルがどのようなイメージで受け取られているのかを知る格好のデータではないかと思い、取り上げてみることにしました。
サイトには、50位までのリストがアップされていますが、ざっと眺めたところ、「ものすごーく、コンサバだなぁ」というのが正直な感想。
競技会にたとえてみると、ビリー・ホリデイが金と銅のメダルをゲットし、男性ヴォーカリストのジョニー・ハートマンが健闘して銀メダル、といった感じでしょうか。
ジョニー・ハートマンがナット・キング・コールやフランク・シナトラよりも上位というのは意外でしたが、きっと後者のようなヴォーカリストは“ジャズ・ヴォーカル”というカテゴライズではなく、“ポピュラー・ソング・シンガー”というイメージのほうが強かったという結果なのだと思います。
それにしても、アメリカのジャズ・ファンは、グラミー賞などに見向きもせずにオールド・ファッションのジャズ・ヴォーカルを愛しているということが、結果として伝わってきますね。良し悪しは別にして……。