遂にMLBと選手会が新労使協約に合意!通常の162試合制で開幕は4月7日に
【選手会が投票によりMLB最新案を承認】
12月2日にMLBがロックアウトを実施してから99日目となった3月10日、選手会がMLBから提示された最新案に同意し、遂に労使交渉が妥結されることになった。
米メディアが報じたところでは、選手会はMLB最新案を受け取った後に投票を行い、38人中26人の同意票を得て、MLB最新案を承認した(20票以上で可決)。
ちなみに投票は労使交渉に直接参加していた選手部会に所属する8選手と、各チームの代表者30選手で行われ、選手部会の8人は全員反対だったが、各チーム代表のうち26人が賛成に回ったようだ(米メディアによると、反対したのはヤンキース、メッツ、アストロズ、カージナルスの代表者)。
この選手会の回答を受けたMLBも最新案に同意したため、正式に新労使協約は承認されるとともに、ロックアウトが解除されることになった。有効期間は2026年の12月1日までとなる。
【開幕は4月7日で通常通り162試合制に】
MLBは前日に、4月13日までの全試合キャンセルを発表していたが、この日も選手会と162試合を実施する方向で交渉を続けており、新労使協約が合意したことで、通常の162試合が実施されることが決定した。
そのためサービスタイム(MLB在籍日数)も影響を受けることがなくなり、大谷翔平選手も予定通り2023年シーズン終了後にFA権を取得できることになった。
シーズン開幕は4月7日で、米メディアによれば、公式戦最終日を従来のスケジュールより3日間引き延ばし、10月5日となる。とりあえずオフ日を削って試合が組み込まれることになるが、調整できなかった試合に関しては9イニング制のダブルヘッダーで消化することになる。
【争点となった国際ドラフト制度とFA補償制度の結論は7月に持ち越し】
本欄でも報告しているように、3月9日の時点で交渉が決裂する経緯となった国際ドラフト制度とFA補償制度に関しては、改めて両サイドで協議した結果、このまま7月まで協議を継続することで合意。7月25日までに国際ドラフト制度(2024年から実施予定)に合意できた場合は、それと同時にFA補償制度が撤廃され、合意できなかった場合はFA補償制度が継続されることで決着した。
残りの争点だったぜいたく税制度の限度額、最低年俸、年俸調停権取得前の選手を対象にしたプール金に関しては、MLBの最新案は以下のようなものだった。
・ぜいたく税制度限度額:2億3000万ドル(2022)→2億4400万ドル(2026年)
・最低年俸:70万ドル(2022)→78万ドル(2026年)
・プール金:5000万ドル
【鈴木誠也選手を含めFA市場も10日夜に再開】
ロックアウトの解除に伴い、FA市場も10日夜から再開されることになった。これによりずっと契約交渉ができなかった菊池雄星投手らFA選手らの所属先が決まっていきそうだ。
これに伴い、ポスティングシステムでMLB移籍を目指していた鈴木誠也選手も、12月2日で一旦打ち切られていた30日間の交渉期間の残り分が10日夜から復活することになり、一気に交渉を加速化していくことになる。
スプリングトレーニングは3月18~20日からスタートすることになるので、鈴木選手としても早めに所属先を決定したいところだろう。