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大谷翔平の先発登板日は日曜か水曜に! 名将マドン監督が目論む2つのメリット

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
あと少しで大谷翔平選手が2年ぶりに公式戦のマウンドに立つ(写真:代表撮影/USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【マドン監督が大谷選手の登板日について言及】

 エンゼルスのジョー・マドン監督が現地時間の7月15日、恒例のオンライン会見に臨み、米メディアの質問に答えるかたちで、大谷翔平選手の登板日が日曜日か水曜日になる見通しを明らかにした。

 この日の会見で、米メディアから「オオタニの登板日は何曜日になる予定か?」という質問があり、マドン監督は以下のように答えている。

 「我々はスケジュールをチェックしながら、翌日がオフ日になる曜日にしようと考えている。皆さんもスケジュールを見れば分かるように、日曜日の試合が翌日オフ日になるケースが多い。

 そうすれば彼(大谷選手)が打つ機会を減らす必要がなくなる。そんなに難しいことではない。たしか水曜日の試合も木曜日がオフ日になるケースが多かったと思う。それを踏まえながら決めていきたい」

 すでにマドン監督は大谷選手の起用法について言及し、今シーズンも2018年シーズンと同様に、週1回の先発登板と、登板日前後以外の試合での打者起用を明言していた。つまり大谷選手の登板曜日が決まれば、短縮シーズンの今シーズンは最後までその曜日で投げる可能性が高くなる。

オンライン会見でメディアの質問に答えるジョー・マドン監督(筆者撮影)
オンライン会見でメディアの質問に答えるジョー・マドン監督(筆者撮影)

【打者での出場機会を確保するため】

 マドン監督が説明するように。大谷選手の登板日を日曜か水曜日にしたいのは、彼の打者としての出場機会を減らしたくないからだ。

 MLB公式サイトで閲覧できる、エンゼルスのスケジュールをチェックして欲しい。7月23日に開幕し、9月27日まで60試合の公式戦が組まれているが、エンゼルスの場合、月曜日に3回、木曜日に2回のオフ日が入っている。

 前述通り、大谷選手は登板日前後の試合には打者として出場しない予定なので、このオフ日を利用すれば、投手として週1回の登板を全うした上、打者としても可能な限りフル回転できるというわけだ。

 そうなってくると、わずか1日の違いでとはいえ、最もオフ日が多い月曜に合わせ、日曜の先発登板が濃厚になってきそうな気がする。

【残り5人の先発投手も中5、6日での起用が可能に】

 実は大谷選手をオフ日前日の曜日の登板に固定することで、大谷選手のみならず、先発投手全員が恩恵を受けることができるという。

 マドン監督は大谷選手以外に5人の先発投手を用意し、変則6人ローテーションでシーズンに臨むことを明らかにした上で、以下のようなメリットを説明している。

 「オオタニのような特定の投手を1つの曜日に固定することで、それによって他の先発投手を起用していく上でエキストラの休養を与えることができるようになる。そうなればケガのリスクが軽減できるし、パフォーマンスも良くなるだろう。自分としても凄く気に入っている。

 基本的には(大谷選手を含め)すべての投手を中5日か中6日で起用できるし、オフ日を利用することで誰かの登板をスキップさせることもできるなど流動的に対応できる」

 つまり大谷選手の登板曜日を固定することで、残りの先発投手を中4日登板させずに済むだけでなく、よりフレキシブルに投手を起用できるようになるというわけだ。

 すでにMLB界きっての名将と謳われるマドン監督。エンゼルス監督就任1年目ながら彼の辣腕に注目が集まるところだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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